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多発性嚢胞腎の治療

治療の術がなく対処療法のみ

多発性嚢胞腎には治療法はありません。
腎不全同様、進行を遅らせる事が精一杯です。

 

食事療法

腎不全同様にリンの値の低いもの等、腎臓に負担をかけない食事に切り替えます。

 

末期になると、膨れ上がった腎臓が他の臓器を圧迫し、ご飯が今まで通りに食べられなくなります。ドライフードであればふやかしたり、ウェットフード、手作りご飯や高カロリーなペースト状の療養食等に変えて、少量多食(1回の量は少なめにし1日の食事回数を増やす)の工夫が必要です。

 

猫の嚢胞腎③-治療1 | Fanimal(ファニマル)

 

腎不全の治療を行う

  • 血液検査により定期的な数値を確認する
  • BUN(窒素)、クレアチニンの上昇、高リン血症、代謝アシドーシス等が見られる場合はそれに応じて薬を投与したり、静脈注射等を行います。

  • 尿検査を行い、尿沈渣で血尿や変性上皮細胞がないかを確認する
  • 血液検査により貧血がないかを確認し、必要であれば増血剤等で改善を図る

 

腎臓の摘出

片側性で、幸い反対側の腎臓に異常がなければ、罹患した腎臓の摘出を考慮する場合がある。

 

嚢胞の治療

嚢胞形成については根本的な治療はなく、あくまでも対処法のみです。
長期に渡る事がほとんどで、一般的には慢性の腎臓病の症状に準じて治療を行います。

 

徐々に嚢胞形成は大きくなります。肥大化した嚢胞が腎実質を圧迫し、腎臓の繊維化につながる為、定期的に嚢胞液除去が行われる場合もあります。

 

モモは嚢胞液の除去は行っていません。

 

除去を行う際、多少なりとも注射針サイズの穴が開いてしまいます。その子の腫れ具合にもよると思いますが、その小さな穴から嚢胞液が体内に流れ出てしまい、結果、腹膜炎や最近の感染等を起こす可能性があるからです。

 

猫の嚢胞腎③-治療2 | Fanimal(ファニマル)

 

治療については主に腎不全と同様ですが、検査結果については多発性嚢胞腎からの腎不全と慢性腎不全とでは明らかに誤差がある様に感じます。

 

例えばBUNやクレアチニンの値が振り切って測定不能だったとしても、慢性腎不全の子の症例でこの様な症状が見られると言う具体例は当てはまらないと感じました。

 

慢性腎不全の情報のみで判断せず、その子の症状に応じて出来る治療を実践する事が大切だと思います。

 

「猫の嚢胞腎④最後の闘い」へつづく>>

 

※この記事は実体験に基づいて書かれているため、個人の感想・見解が含まれています。

 

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