
治らない病との闘い〜猫の嚢胞腎④-最後の闘い
4.猫を苦しめる多発性嚢胞腎ってどんな病気?―まとめ
多発性嚢胞腎は遺伝子の異常
現在、未然に防ぐ方法はありません。
もし、多発性嚢胞腎が発見された場合、その子自身は避妊や去勢が必要です。また特定出来るのであれば親猫も同様です。
多発性嚢胞腎を調べると繁殖行為について多く書かれています。
正しい知識や管理のもとでのブリーダーによる繁殖だけでなく、日本では悪徳ブリーダーや一般繁殖家の存在が問題視されています。
多発性嚢胞腎を含む様々な遺伝子の異常による病気では、この遺伝子を持つ子を増やさない事が唯一の予防であり防衛策なのではないでしょうか。
繁殖するブリーダーが検査等を実施し、遺伝疾患を持つ親猫を繁殖から外す事で遺伝は防げるはずです。
知識もなく、金銭の目的だけで繁殖を繰り返す悪徳ブリーダーにより、モモを含む罪の無い猫達が辛く苦しい不自由な生活を強いられています。
心の底から悪徳ブリーダーや無知な一般繁殖家が居なくなる事を願っています。
最後に
嚢胞腎の記事を探しても、医学的な事はよくありますが、その子の状況や様子を書いている人が居ないので、少しお話しさせて下さい。
我が家のモモの場合はちょうど7歳になるかならないかの頃に症状が出ました。
モモはこれまで特に病気もなく過ごしてきました。
ただ3歳頃にスポンジのカケラを食べてしまい詰まった事がありました。その時、手術で腸を少し切って出して貰った事がありました。
そして、残念ながら当時の医師の処置ミスで腹膜炎で死に至りかけた事があります。
後で、現在の獣医さんから、先天性ではあるものの発病したきっかけはその腹膜炎かも知れないと聞きました。
結果は同じですが、先天性でも出るタイミングでもう少し一緒に居られたのでは?と少し悔しいです。
2年弱、モモの闘病をサポートしてきました。モモと全力で駆け抜けた期間だったと思います。
2017年3月12日にモモは旅立ちました。
亡くなる2週間前位よりお腹周りの腫れが酷くなり、まるで腰に重りを巻いて居る様でした。
歩いても腰の重りが重くてバランスが取れない、横になってもお腹の嚢胞が苦しくて、なかなか安心して眠れる体勢もない様子でした。
でも、ご飯も自分で食べ、水も飲み、キャットタワーもぴょんと飛び乗り2段ベッドの上で、いつもの私の隣でくつろぐのです。
眠れず、お腹も重く、苦しいはずなのに、モモは私が帰宅すると玄関まで飛び出して迎えにきてくれる、私がお風呂の時はお風呂の前で私の着替えを暖めて待っていてくれる子でした。
これは最後の日まで変わらず続きました。
きっとモモはまだ慢性腎不全だけなら長生きできたのではないかと思っています。
モモはとても運動神経のいい子だったので、最後の1週間嚢胞腎の重りに苦しみ、いつも出来る事が出来なかった事は本当に辛かったのではないかと思います。
最後の日
最後にやっとグッスリ眠る為に見つけた場所が主人の胸の上やあぐらの上でした。
亡くなる前の日から急激な貧血が起こり、口の中が真っ白になりました。
亡くなる当日も病院には行きましたが、打つ手なしでした。
ギリギリまでご飯は食べ、水も飲んでくれていました。
猫はもう旅立つ日が近づくと目が細く釣り上がります。
でも、亡くなる10分前にはいつもの綺麗な大きな目の写真を撮らせてくれました。
最後は貧血による酸欠が死因だったと思います。私の胸の中でした。
嚢胞腎の子の最後は尿毒症、それによる嘔吐や口内炎、口臭、そして1番キツかったのは貧血です。
想像よりはるかにキツイです。亡くなった後の口の中は透ける程の白さでした。
末期は鼻が詰まっているのかな?と思うと赤っぽい透明な液体が出てきて固まっていたりしました。なんだ?と思いましたが、答えは出ています。
モモが亡くなり、お葬式までモモの身体を綺麗にしていると鼻からどんどん赤っぽい透明な液体が出てきました。
身体は固くなりますが、お腹の憎かった塊はまだまだ柔らかいのです。
それはお葬式に出るまで止まりませんでした。
その赤い透明な液体は嚢胞液だと確信しています。
本当に酷い病気だと思います。
精一杯頑張って生き抜いたモモを誇りに思います。ありがとう、モモ。
※この記事は実体験に基づいて書かれているため、個人の感想・見解が含まれています。
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