多くの獣医さんは「繁殖をしないなら子宮や乳腺の病気を防ぐ為に避妊手術をしなさい」と言います。(オスの場合は前立腺や睾丸の病気を防ぐ為)

 

犬の避妊去勢手術について考える1 | Fanimal(ファニマル)

 

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病気予防に効果があるの?

ネネのかかりつけの獣医さんによると、実際の統計では避妊去勢手術をしなくても生殖器がん(子宮がんや卵巣がん前立腺がん)の発症率はもともと極めて低く、手術をしてもしなくても発症率はほとんど変わらないことがわかっているそうです。

 

そのためこの獣医さんは現時点で異常がない限り、メス犬の避妊手術は卵巣だけを摘出し、ホルモン欠乏などの負担が軽く済むよう配慮してくれます。(もちろん手術後は発情期はこなくなります)

 

手術をすることで起こるリスク

確かに生殖器系の病気予防のために子宮と卵巣を全摘出すると、むしろホルモン欠乏由来の別の病気のリスク(肥満、脱毛、頻尿、虚脱、糖尿、泌尿器系がん、更年期など)が高まるのではメリットになるとはいえない気がします。

 

愛犬の避妊去勢手術で発情期の管理(生理中の衛生処理など)がいらなくなる、本能由来の問題行動がなくなる(匂い付けなど)というメリットを得られるのは愛犬自身ではなく飼い主の方といえると思います。

 

手術で得られるメリット

もちろんオス犬の性格に強い攻撃性がある場合など、去勢手術をしておとなしくなったり懐きやすくなったりしてコントロールしやすくなることもありますし、繁殖をしないのであれば産みたいのに交尾できないストレスを取り除くことができますから、すべてを否定するものではありません。

 

ただ、病気を予防するためという点では、予防するために関連する臓器を取り除くのではなく、何らかの病気に罹患したら全力で治療する、というのが自然であると私は感じます。

 

愛犬それぞれに合わせた判断が必要

避妊去勢手術に関してはかかりつけの獣医さんの方針や飼い主の考え方それぞれあると思いますので、愛犬の年齢や体質や性格を鑑みて決めると良いと思います。

 

このお話が愛犬家の皆様の疑問やお悩みの参考になっていただけましたら幸いです。

 

犬の避妊去勢手術について考える2 | Fanimal(ファニマル)

 

ネネは2歳で5頭の子犬を出産、3歳で避妊手術(卵巣摘出)を受け、今年でシニアの入り口である7歳を迎えました。
お蔭様でこれまで病気もなく、今日も元気に庭のドッグランを駆け回っています。

 

※この記事は実体験に基づいて書かれているため、個人の感想・見解が含まれています。

 

関連記事:犬の繁殖期ってどんなもの?

 

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