猫の子宮蓄膿症(パイオメトラ)

メス猫の子宮が細菌感染によって炎症を起こし、炎症の副産物である膿が子宮に溜まってしまう病気を子宮蓄膿症といいます。

(1)子宮蓄膿症の症状

最初は無症状です。悪化するにしたがって元気がなくなり、食欲不振、吐き気などが現れます。猫がいつもより水をたくさん飲み、尿の量も多く、陰部から膿が出て悪臭が漂う。または、お腹が膨れているようでしたら子宮蓄膿症という病気にかかっている可能性があります。子宮蓄膿症は、子宮頚管が開いている「開放型」と子宮頚管が閉じている「閉鎖型」に分けられます。開放型の場合、外陰部から膿が大量に漏れ出し、お尻や陰部や後ろ足に悪臭を放つ膿が見られます。閉鎖型は膿が漏れないので、子宮内に膿がたまるので手遅れになり、子宮が破れて腹腔に細菌が流れると腹膜炎を起こして、短時間で死に至ります。

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(2)子宮蓄膿症の原因

発情前期から発情期にかけてのメス猫は、オスを受け入れて受精しやすくするために、子宮体と膣を結ぶ子宮頚管はいつもよりも少し開いた状態になっています。そのため、細菌が子宮内に入りやすくなっています。この時、猫の体力や免疫力が低下していたり、周囲が不潔だったりすると、妊娠中や出産後などに子宮内に細菌感染が起こります。その後、子宮頚管が閉じると子宮内で細菌が増殖して、子宮蓄膿症になります。原因になる細菌は大腸菌、ブドウ球菌、サルモネラなどです。子宮蓄膿症は1歳の猫もかかることがありますが、避妊手術を受けていない高齢猫は注意が必要です。

(3)子宮蓄膿症にかかった際の治療法

子宮蓄膿症の症状が現れたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。動物病院では、レントゲン、エコー、血液検査などを行い、状態を把握します。急性腎不全やショック状態の時は、状態を安定させるために点滴や抗生剤の投与をします。子宮蓄膿症の治療としては、卵巣と膿の溜まった子宮の摘出手術です。さらには抗生物質で腹腔内を洗浄します。発見が早いときには助かりますが、症状が重い場合は手術後にも継続して点滴を行います。手術をしないで治療を行う方法を選択することもできます。抗生物質と子宮頚管を開く注射で膿を外に排出する方法もあります。

ですが、延命効果があるだけで最終的には死亡します。また、飼い主がどうしても猫の子宮を残したいという希望すれば、手術で可能ですが、一般的な子宮摘出手術に比較して手間がかかり、費用も高額になり、安全性も確実ではありません。それに猫の体に負担がかかってしまいます。ですからよほどの事情がない限り、この手術は行わない方が良いでしょう。

それから、何らかの事情で外科手術が無理なときには内科的な治療が行われます。ただ、内科的な治療の場合は再発する可能性がありますので、確実に猫を死亡させたくなかったら、子宮摘出手術は最も適した治療法といえましょう。

子宮蓄膿症の治療法のひとつである子宮摘出手術で注意しなければならないのは、細菌が腹腔内に漏れて腹膜炎を起こす場合があることです。腹膜炎が治るまで毎日5回ほど抗生剤で腹腔を洗わなければなりません。

それでも治らないケースがあるそうです。

 

(4)子宮蓄膿症にならないためには?

子宮蓄膿症は、避妊手術を受ければ予防することができます。避妊手術は子宮蓄膿症だけでなく、子宮がんや子宮内膜炎などの発症を予防することもできます。ただ、卵巣だけの摘出では子宮蓄膿症になる可能性はあります。子宮蓄膿症は早期発見、早期手術が重要で、飼い主が早く気づいてあげるかにかかっています。手術で治る病気ですが、病院に行く前に死んでしまうメス猫も少なくありません。治療費も早期発見では5万円ぐらいで治る場合がありますが、症状がひどいときには20万円以上かかることもあります。

 

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