
猫のしつけの必要性について考える
猫のしつけのアレコレ ~爪とぎ、テーブル、カーテン昇り
猫のしつけについて考えてみました
犬と違って、猫を「しつける」とはあまり耳にしませんが、そもそも猫にしつけは必要なのか。また、必要だったらどのようにしたらいいのか。最初に、猫への働きかけや猫の行動に対して人間が行う行動について少し考えてみます。
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猫のしつけ – 社会化期
しつけといえるかどうか分かりませんが、この時期に猫に対しての接し方で猫がどういう子になるか決まるそうです。
例えば、人懐こい猫にしたかったら手で優しく触ってあげます。そうすることで、人の手は怖くない。
撫でてもらって心地よい。
人間は優しいのだと認識させます。
我が家のトムはきっとこの時期に人と触れ合ってきたのだと思います。
トムは公園で保護されたのですが、保護してくださった方から「多分、乳離れするまでは飼い猫として人と暮らしていたのではないか。
人馴れしているし、身体もそれほど汚れていなかった。栄養状態も良かった」と聞きました。
そう考えると、すごく複雑なのですが・・・。温かいぬくもりに包まれて生きていたのに、突然外に出されてお母さんもいないし世話してくれる人間もいなくなって。
どんなに心細かっただろうと胸が締めつけられます。
むぎの場合は、この時期に人間と触れ合うことがなかったのだと思います。
野良猫のママさんが外で生んだ子なので人間に撫でてもらうこともなかったため、保護されたときに人間が怖くて威嚇して小さな身体で必死に自分を守ろうとしていたのでしょう。想像するだけで涙が出てしまいます。
こうして、我が家の子達が保護されたときに人間に正反対の反応をしたのも、「社会化期」で人間に触れ合ってきたかどうかの差なのでしょう。
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猫のしつけ – 行動への条件付け
- 動物病院で嫌な思いをしたら、キャリーバックに入りたがらない。
- 餌が入っている扉を開けたら餌がもらえると思って、走り寄ってくる。
そして次はいよいよ「しつけ」ということになると思いますが、
しつけはもう1つの行動への条件付けが大切になります。
行動の結果として快、不快を経験し行動の頻度が増減することです。
例えば、
- 猫がテーブルの上に乗ったら、テーブルの下で大きな音を出す(手を叩くなど。)またテーブルを揺らすなどをして怖い思いをさせる。これを繰り返すと、テーブルの上に乗ると怖い思いをするのでしなくなる。
- おとなしくしているので声をかけて撫でる。撫でてもらって気持ちがいいのでおとなしくする。
このように、猫がすることに対して「快・不快」を与えることによって猫の行動に変化が生じます
では、次に犬と猫のしつけについて比べてみたいと思います。

猫のしつけ – 猫は犬よりしつけ難いのはなぜ?
それはなぜでしょう。動物の体重と脳の割合が高いほど賢いと言われていますが、猫は犬よりも少しその割合が低いそうです。
ちなみに、なんとカラスは犬よりもこの割合が高いそうです。犬よりも猫がしつけ難いというのには、いくつかの原因が考えられます。
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猫にはハングリー精神が足りない
このことからも、犬は行動に対してご褒美の餌がもらえるとそれを学習し、ご褒美が欲しいため次も同じ行動をします。
でも、猫はそこまでしてご褒美が欲しくない。という風に考えるようです。
褒めて育てるが効かない
犬は褒められることで集団に受け入れられたことを意味します。しかし、猫はこうしたことがないため褒められたからできるようになる。というしつけ方が難しいということです。
以上の理由で犬よりもしつけ難いという猫ですが、それでもしつけたい場面はあるかと思います。
人間の子供に対するしつけもそうですが、猫に対してのしつけは「一貫性」が大事です。
家族皆が同じようにしつけないと猫は混乱してしまいます。
例えば、お父さんの前でテーブルの上に乗った時は怒られたが、お母さんの前では怒られなかったというように。
そして猫に対するしつけは、「ご褒美」が効果的だと言われています。
良いことをしたら撫でる、おやつを上げる、遊んであげるなどです。
また、してほしくないことをした場合、猫の目の前で大きな声を出したり叩いたりすることは絶対にやめてください。
猫は怒鳴られた場合、「大きな声」が怖い。そして「大きな声を出した人が怖い」と思います。人間を怖がってしまい恐怖心を植え付けることになっていまいます。
では、してほしくないことをした時はどうしたらいいのでしょう。
猫が見ていないところで手を叩いて大きな音を出す。(テーブルの下で叩く、後ろを向いている時に叩くなど)など、猫に気づかれないような方法でしつけます。
また、叱るときは猫の名前で叱るのは良くないと言われています。「こら!!むぎ!!!」などと大きな声で怒鳴ったら、名前を呼ばれるのが不快だと思ってしまうからです。
猫のしつけ – 我が家で実際にやったこと
爪とぎ
- 古くなった爪の外層を取り除くため肉球から発せられる匂いをつけマーキングしている
- 自己顕示のため
- ストレッチ
- ストレスからの行動
- 飼い主さんの気を引くため
などです。
猫にとって爪とぎは生活の一部であり、本能なので禁止することはできません。
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うちでは、猫を迎えた時に家に慣れるまでケージの中でしばらく過ごしてもらっていました。ケージの中に爪とぎ器を用意して置いてあげました。
市販の爪とぎ器には、段ボールで出来たもの、棒に麻紐を巻いたもの、絨毯のような布で出来たものがあります。
昼寝から起きた時に伸びをして爪とぎをする。ご飯を食べ終わってリラックスしている時に爪をとぐ。というように、自然に爪とぎ器を使うことを覚えてもらいました。
また、部屋の中ではソファで爪をとごうとしたら優しく「ダメだよ」と声をかけていたら全くしなくなりました。
中には家具をガリガリしてしまう子もいるようですが、家具にビニールのようなシートを貼るなどして防ぐものが売っていますので、それを使うのもよいのではないでしょうか。

カーテンをのぼる
おかげでカーテンはびりびりになりました。
外からの見た目もよくないためカーテンを買い替えましたが選ぶ基準は「猫の爪が引っかかりずらい生地」でした。
また、その頃、キャットタワーを買いました。
タワーに上って遊ぶ道具が出来たからか今ではカーテンに登ることはなくなりました。
これから猫を飼う方、カーテンに登って困っている方はつるつるのカーテンをつけることをお勧めします。

キッチンのシンクに飛び乗る
飛び乗った瞬間に音を出す。これを繰り返していたら乗らなくなりました。
以上のように、猫へのしつけは飼い主が工夫して対応することが大事です。そして、犬のようにはしつけられはしなくても、ある程度はこちらが根気強く教えることによって「やってはいけないこと」を認識するのだと思います。
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私は猫は人間の感情や言葉を理解していると思っています。優しい声で褒められたら嬉しいと感じてくれているでしょうし。私が悲しい顔をしていると心配そうにそばに寄ってきます。
こうしたことからも、感情のやりとり、言葉をかけることで猫はきっと色々と学んでいるのだと信じています。


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