多くの人々の悩みのタネ「貧血」。貧血特有の立ちくらみやだるさは、とても辛い症状ですよね。実は猫にも貧血が症状の病気があるのです!「猫伝染性貧血」といい、未だ明確な原因や治療法など、分かっていないことが多い謎の病気です。重症化すると命を落としてしまうこともあり、一生治らないといわれています。この恐ろしい病気について詳しく学び、大切な猫ちゃんを病気から守ってあげましょう!

猫伝染性貧血とは?感染経路について

猫伝染性貧血の原因は、ヘモバルトネラ・フェリスという微生物が赤血球の表面に寄生することにより発症する病気です。別名「ヘモバルトネラ症」とも呼ばれます。明確な感染経路は分かっていませんが、原因と考えられている主な感染経路は以下の通りです。●猫同士のケンカによる傷からの感染●ノミ・ダニなどの寄生虫が感染した猫を吸血し、他の猫を吸血することによる感染

●妊娠中・授乳中の場合、胎盤や母乳を介しての母子感染

猫伝染性貧血1 | Fanimal(ファニマル)

 

猫伝染性貧血の症状について

猫伝染性貧血の主な症状は、発熱、貧血、食欲不振、元気がなくなる、呼吸が速くなるなどです。感染初期は39℃を超える高熱が出ることがありますが、貧血が進行すると次第に体温が低下し低体温症となり、粘膜(歯茎や目の結膜など)が赤味を失い白色になります。また脾臓が腫れることもあり、その場合は見るからにお腹が膨れて大きくなります。治療が遅れ、症状が進行し重度の状態に陥ってしまうと約30%の猫が命を落とすといわれています。少しでも当てはまる症状がありましたら、すぐに動物病院に連れて行ってあげましょう。

猫伝染性貧血の診断方法

猫伝染性貧血の診断方法は、血液検査により赤血球に寄生しているヘモバルトネラ・フェリスを確認します。しかし、検査を行えば必ず確認できるとは限りません。このヘモバルトネラ・フェリスは周期的に出現したり消失したりします。この病気が疑われる場合には、数日間続けて血液検査をする必要があります。

猫伝染性貧血2 | Fanimal(ファニマル)

 

猫伝染性貧血の治療法について

猫伝染性貧血の治療法は抗生物質の投与が効果的です。
また、重度の貧血の場合は、点滴や輸血を行います。早期に適切な治療を行えば症状は落ち着きますが、ヘモバルトネラ・フェリスを完全に駆除することはできません。免疫力が落ちている時など、何らかのきっかけで再発することがあります。症状が見られなくても、いつ発症するか分かりませんので、猫ちゃんの健康管理は特に気を掛け、ストレスとなることはなるべく取り除いてあげる必要があります。

猫伝染性貧血予防法について

猫伝染性貧血の予防法は明確に分かっていない為、原因と考えられることを回避することが予防法となります。●猫同士のケンカによる感染について:
去勢・避妊手術を行うことで縄張り争いなどによるケンカを抑えられます。しかし、完全にケンカを防ぐことは不可能な為、室内飼いにすることが望ましいです。●ノミ・ダニなどの寄生虫からの感染について:
毎月1回、予防薬を塗布する(飲ませる)ことで予防ができます。●母子感染について:
室内飼いにする、ノミ・ダニ予防が効果的です。

いずれにしても確実な予防法はありませんので、猫ちゃんが感染しないような生活環境を作ってあげることが大切になります。

猫伝染性貧血3 | Fanimal(ファニマル)

 

一生治らない病気から猫ちゃんを守る

猫伝染性貧血は一度感染してしまうと、生涯付き合っていかないといけない病気です。大切な猫ちゃんに苦しい思いはさせたくないですよね?原因や感染経路が不明なので、予防することは難しいですが、しっかりとした知識をもっていれば早期発見、早期治療に繋がります。かわいい大切な家族を「猫伝染性貧血」から守ってあげましょう!

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