
ペットの分離不安症について | 犬の病気・猫の病気
皆さん、飼っているペットから離れようとしたり、少しでも居なくなると落ち着かなくなったり、吠え続けたり、悪戯してしまったり、家の中が大惨事になっていたり、粗相をしていた…、なんて経験はありませんか?
それって、もしかして『分離不安症』かもしれません。
そもそも、『分離不安症』って何?と思われている方も、言葉は聞いた事があるという方もいらっしゃるのと思います。今回は、『分離不安症』についてお伝えしていこうと思います。
ペットはどんな時にストレスを感じるの?
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こんな様子が見られたら要注意
分離不安症とは一体どういう病気なのでしょうか?これは飼い主さんへの依存が強いペットによく見られる病気で、次のような症状が見られます。
『分離不安症』になると、留守番中にどんな症状が出るのか?
●トイレ以外の所で排泄をしている(トイレの失敗)
●ずっと手足や尾を舐めたり、咬んだりしているため、その部分だけがただれていたり、化膿していたりする。
●物を壊したり、散らかすなど部屋を荒らしている
●過剰に吠える
などといった症状があります。
これらは飼い主さんが外出して30分以内で始まると言われています。
『独りになってしまった怖い!助けて!!』というペットのSOSと言えるでしょう。
では、自分のペットが『分離不安症』であるかどうか知る方法はあるのでしょうか?
先に挙げた項目で当てはまる数が全て、あるいはほとんどの場合、分離不安症の可能性が高いと言えます。
当てはまる項目はありましたか?
これらの症状は、独りでいる事への不安や恐怖から、気を紛らわせようとする行動と考えられています。
こんなことに気をつけて予防しましょう
分離不安症の予防法
不安分離症にならないようにするには、どんなことに注意すれば良いのでしょうか?
まずは、ペットが飼い主さんと一緒にいなくても不安にならないように、普段の接し方で慣らしていきます。
1・普段の接し方
分離不安症は、飼い主さんによる極端な甘やかしや過保護な状態によることが多く見られます。
たとえば、本来犬にとって乗り越えられる、または乗り越えるべき不安であっても「怖がって抱っこをせがむから」とすぐに抱き上げてしまったとします。
このような経験により不安を解決できてしまうと、犬はその後も抱っこをせがむようになってしまいます。
これでは飼い主がいないと不安に対処できず根本的な解決にはなりません。
根本的な解決策は、飼い主さんがいなくても不安を感じないように、普段から様々な出来事に慣らしていく練習にあります。
これをやり遂げるには、何でもかんでもペットの要求を受け入れるペット主導型の接し方ではなく、飼い主さん主導型の関係性を築くことが重要となってきます。
普段から、少しでも良いので一緒にいない時間を作るなどの練習をすることが解決への一番の近道なのです。
2・外出する時の接し方
最悪の出掛け方は、ペットに話しかけてから出掛ける事です。お留守番などの単語を覚えてしまうと、この単語を言っただけで反応してしまいます。
外出時の鍵の音や着替え・化粧などの出掛ける準備をし出すとソワソワしだす場合もあります。
普段から出掛けるふりをして、直ぐに戻って来て見せ、「これをするから独りになるわけではない」と学習させる事が大事です。
また気をそらして不安を和らげるためにおもちゃを活用するという方法もあります。
留守番中のペットの見守りカメラでも、飼い主さん側から声をかけられたり、おやつが飛び出すようなものもあります。留守番中の不安に勝る楽しみを見つけることで、留守番へのイメージが改善され不安が軽くなる効果が見込めます。
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3・飼い主が帰宅した時
また、帰宅時にペットが喜んで抱いてくれる・構ってくれると駆け寄ってきても、興奮しているときはあえて無視をします。
興奮が止んで落ち着いてきたら、接してあげるようにしてください。
4・飼い主の行動パターンを作らない
これは、型にはまった生活をさせないことで、ハプニングに動じない子にするためでもあります。
例えば、ご飯や散歩の時間をバラバラにしてみたり、出掛けるふりをして出掛けなかったり、知らないうちに出掛けたり帰ってきたりするのも良いそうです。
5・小さい頃から時々他人やホテルに預ける
6・社会性を身に着けさせる(社会化)
沢山の物を見せたり、触らせたり、車などに乗せるのも良いです。大きな音や聞きなれない音を聞かせたり、多くの人や動物に合わせることも社会性を身に着けるには、良い方法だとされています。
あとは、精神安定剤などのお薬を使い、行動療法と薬物療法を併用して、改善していく方法もありますので、獣医さんと飼い主さんとで話し合い、わんちゃんに合った方法を選んでくださいね。
最後に、もしご自分のペットが『分離不安症かも???』と思ったら、獣医さんや訓練士さんに相談してください。
ペットは確かに可愛いですが、可愛がるだけがペットの幸せではありません。「ペットは家族」と思うのは良いことだと思います。なぜなら私もその1人だからです。
でも、過度の愛情や間違った接し方で、ペットが病気になることもあるので、飼い主である私たちは、常に心に置いておかなければいけませんね。
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