
面倒くさがりでもできた!夕食ついでに作る簡単犬ご飯~初心者から始める犬の手作りご飯 Vol.1
ご飯作りにチャレンジのきっかけはあの病気「ストラバイト結晶」
我が家の愛犬、コーギーの「みかん」はいま1歳半。
ずっとドッグフードをあげていくつもりでしたが、最近ある理由から、私たちと同じ食材を使った犬ご飯作りにチャレンジし始めました。
犬を飼うのが初めてで、しかも超がつくほど面倒くさがりの私が続けていけるのか?と不安もありましたが、始めておよそ1ヶ月、思ったより気軽に楽しく作ることができています。
どうしてドッグフードじゃダメなのか?どんなご飯を作っているのか?
今回はその経緯からお話ししたいと思います。
「ストラバイト結晶」が酷くなると手術!?
いつも元気いっぱい! 大好きなボールを楽しそうに追いかけるみかんの姿を見て、私は「この子はすくすく元気に育ちそうだ」と、妙な自信を持っていました。
しかし1歳過ぎに突然の血尿。原因は尿の中にできた”ストラバイト(ストルバイト)結晶”が膀胱を傷つけていたためでした。
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ストラバイト結晶について
動物病院での尿検査の結果、もともと犬の尿は弱酸性なのに、みかんの尿はpH7~8とアルカリ性に傾いた数値。
顕微鏡ではキラキラとした砂粒のような結晶が尿の中にたくさん見えました。この結晶が固まって結石になってしまうと、いずれは開腹手術で取り出さなければならなくなるそう。
療法食でも効き目なし。最後の手段は「手作りご飯」!?
血尿は炎症を抑える薬ですぐに止まりましたが、1週間後もう一度試した尿検査でも、pH値と結晶の量は変わらず。
結晶を排出するには「たくさん水を飲み、おしっこと一緒に流すことが必要」と言われたため、なるべく多くの水分を摂らせる生活が始まりました。
1か月目 いつものドライドッグフードをふやかして与える
2か月~3か月目 マグネシウムなどのミネラル成分を調整した療法食をふやかして与える
4か月~5か月目 さらに強力な療法食をふやかして与える
そのほか、「おしり周りを清潔に保つ」「運動をしてpH値を酸性にする」などを心がけます。
しかし、おしっこの回数は多少増えるものの、結晶は減らないままです。
療法食で完治する子も多いそうですが、みかんには合わないのかもしれないと思い始めた私は、以前から気になっていた「手作りご飯」を試してみたい、と獣医さんに相談しました。
もともとドライフードは保存のため、水分を10%以下にまで減らしています。一方で手作りご飯なら、食材に含まれる水分からおよそ70%程度が確保でき、効率よく水分が摂取できます。
ぶよぶよにふやかした食べにくそうなドライフードより、肉(魚)・ご飯・野菜をバランスよく組み合わせたスープたっぷりのご飯の方が、みかんも喜んで食べるのではないかと考えたからです。
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わんこのご飯の種類って?
夕食作りのついでに作れた!意外に手軽な犬ご飯
早速、あげていい食材・量・カロリーなどを調べてみることにしました。
まず、手作りご飯で犬に食べさせてはいけない食材は主に、ねぎ類・チョコレート・ぶどう・生卵・強い香辛料など。他にも注意が必要なものもありますが、思っていたより色々な食材が使えることが分かりました。
また、犬用には味付けをしなくていいので、私たち人間の食事を作る際に取り分けておきます。
難しかったのはカロリーや分量の計算でした。
犬の手作りご飯のレシピ本やWebサイトによると、体重10kgのみかんに必要な1日のカロリーは600~700kcalほど。これを肉1:炭水化物1:野菜1の割合で朝晩の2回に分けます。
分量についてもWebサイトでは、「犬の頭に乗せる帽子くらいの量」とあり、またあるサイトでは「いつものドッグフードのグラム数のおよそ3~5倍」とあり、迷うところでした。
とはいっても、毎回細かくカロリー計算はできないので100g単位でざっくりと考えることにし、分量は「数日後、うんちがゆるくなったら多いと考えて量を減らせばいいや」と、初めは気軽な気持ちでトライ!
療法食のカロリーは387 kcal/100g、1食分で約80gを食べていたので、食材に含まれる水分量を考え、その3倍である240gを目安に、ひたひたのスープご飯を作ることにしました。
初めて作った手作りご飯は真だらを使ったトマトスープご飯
初めて作ったのは、特売品の真だらを使ったトマトスープご飯。
ダイコン、ニンジン、オクラなどの余り野菜、トマト缶で煮込んでいます。
犬の場合、肉や魚の消化は得意なものの、野菜の消化は苦手だということなので、野菜は肉よりも細かいみじん切りに。
食べてくれるかどうか不安に思いながらおそるおそるあげてみたところ、目を見開いてあっという間に完食!
ご飯粒ひとつも残さず、お皿がピカピカになるほどキレイに食べてくれました。
手作り犬ご飯にしてみた結果
手作りご飯に切り替えてからもうすぐ1ヶ月。
栄養のこと、病気のことなどまだまだ勉強中ではありますが、最近では「夜、夕食作りのついでにみかん用ご飯の肉や野菜をカットしておき、翌朝、娘のお弁当を作りながら1日分のみかん用ご飯を作る」というリズムも出来てきました。
メインのたんぱく質は鶏むね肉が中心。そのほか、牛・豚・魚に変えたり、豆腐を加えたり。
野菜はその日によって使う食材は変わるものの、「肉(魚)・野菜を一緒に煮込み、スープごと白飯にかけて与える」という方法は毎回一緒なので、調理時間は5~10分程度。気負わず手軽に続けることができています。
さらには積極的に水分を摂るために、砂肝を低温オーブンでじっくり焼くだけの簡単ジャーキーを水に浮かべて飲ませたり、尿を酸性に保つキナ酸が含まれているクランベリーを使っておやつに犬用クッキーを作ったり。
うんちの状態も問題なさそうなので、みかんにはこれが適量なのだということが分かってきました。
何より、ドッグフードをふやかしても1日2~3回だったおしっこの回数が、5~6回と格段に増えました!また、以前はおしっこシートにキラキラと見えていたストラバイト結晶も、だんだんと目立たなくなってきたように思います。
次の尿検査で良い結果となるのか、なんだか試験の結果を待つような気分です。
完治するのか心配ではありますが、獣医さんと相談しながら、長い目で頑張っていこうと思います!
今回ご紹介の手作りご飯のレシピと注意事項
真だらとトマトのスープご飯(10kgの成犬用/1日分)
材料
● 真だら(1切れ約80 g) 2切れ
● ご飯 お茶碗1膳分(約150 g)
● トマト缶 1/3缶
● ダイコン 50g
● ニンジン 50 g
● キャベツ 40 g
● オクラ 30 g
● 水 100cc
作り方
① 真だらは骨を取り除き、1~2cm大にカットする(ワンちゃんのお口の大きさに合わせてください)
② 野菜はそれぞれみじん切りにする
③ 鍋に真だら・トマト缶・野菜・水を入れ、食材に火が通るまで5分~10程度煮る
④ お皿に盛ったご飯の上に出来上がった3)をかける
注意1)ワンちゃんは熱いご飯が苦手です。ヤケドさせないよう、人肌に冷ましてから(38℃前度)食べさせてあげてください。
注意2)ワンちゃんが食べられる食材で作っていますが、稀にアレルギーを発症してしまう子もいます。新しい食材をあげたときは、その後の体調の変化など様子を見ながら少しずつ慣らすようにしてください。
注意3)ワンちゃんにより適切な摂取カロリーが異なります。「うんちが硬ければ足りていない」「ゆるければ多すぎる」などをだいたいの目安にして調節してみてください。
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