
猫の回虫症-ニャンだこれ?事典
猫ちゃんを飼っているみなさん、猫ちゃんの糞に白く細長い物体が入っているのを見たことはありませんか?
それは、猫ちゃんのお腹の中にすみついていた内部寄生虫です。体の中に虫が住んでいるなんて衝撃的でゾッとすると思いますが、特に外に遊びに行く猫ちゃんには珍しいことではありません。
さらに、人にも感染してしまう恐れがあります!内部寄生虫にはいくつか種類がありますが、最も一般的な「回虫症」について学び、猫ちゃんと飼い主さんの健康を守りましょう!
【1.回虫症とは?】
猫の回虫症は、猫回虫というミミズに似た10㎝を超える白い虫が、猫の小腸に寄生する病気です。
主に、感染している猫の便に排出された卵を口から摂取することや、体内に回虫が寄生しているネズミや鳥などをおもちゃにしたり、食べたりすることにより感染します。
また、母子感染(胎盤や母乳を介してお母さんから赤ちゃんに感染)をすることもあります。
さらに、この回虫症は人にもうつる人獣共通感染症(ズーノーシス)です。
猫との濃厚なスキンシップや、猫の糞を処理した後に十分に手を洗わないことなどが原因で感染します。また、砂場に猫が糞をし、そこで子供が遊ぶことで感染してしまう場合もあります。
【2.回虫症の症状について】
猫が回虫症に感染した場合の主な症状は、下痢・食欲がない・食べるが太らない・痩せる・毛並みが悪くなる・嘔吐・咳・お腹が膨れる・元気がないといったものです。
一般的には、健康的な大人の猫が感染しても、症状が無い場合や軽症の場合がほとんどです。しかし、子猫が感染すると、ひどい下痢や発育不良などを引き起こし、重篤な状態に陥り命を落としてしまうこともあります。
人が回虫症に感染してしまった場合は「トキソカラ症」という病名に変わります。症状は主に、発熱・だるさ・咳・てんかんのような発作・視覚障害・失明・神経症状・アレルギー症状などです。
トキソカラ症は様々な症状がみられるため、自分がトキソカラ症と認識しづらく、気付いた時には進行している場合が多いです。また、幼児が感染した場合は重症化しやすいため、上記の症状がみられた場合は、早めに受診してください。
そして普段の飼い主さん家族と猫ちゃんとの生活を見つめ直すことをおすすめします。
【3.回虫症の治療法について】
猫の回虫症の治療法は、動物病院で糞便検査を行い、感染していることを確認してから駆虫薬を投与します。
約2週間後にもう一度糞便検査を行い、1回目に駆虫しきれなかった虫卵が確認された場合には、駆虫薬を再投与します。これにより完全に駆虫できます。
人がトキソカラ病に感染した場合は、自然治癒をすることもありますが、猫同様、駆虫薬を使用した治療を行います。また、炎症が見られる箇所があれば、ステロイドを使用することもあります。
【4.回虫症の予防法について】
猫が回虫症に感染しない為の予防法は、定期的に予防薬を投与することです。
1ヶ月に1回、猫が舐めることができない場所(首元~肩甲骨のあたり)に塗布するスポットタイプが一般的で、回虫などの内部寄生虫だけでなく、ノミ・ダニなどの外部寄生虫も一緒に予防することができます。
さらに、予防薬の投与と併せて、完全に室内飼いにすることが最も効果的な予防法となります。
ご自宅の猫ちゃんの予防をきちんとしていれば、人に感染する可能性は低くなりますが、完全に防ぐことは不可能なため、猫との濃厚なスキンシップ(キスや一緒に寝るなど)は避けるべきです。
また、猫と触れ合った後や猫のトイレの掃除をした後はしっかりと手を洗いましょう。
さらに、前述の通り、子供が砂場で遊んでいる時に感染してしまうこともあります。楽しい遊び場ではありますが、実はとても危険な場所なのです。
砂場を使用していないときは、覆いをかぶせるなどして動物が糞をしないようにすることが望ましく、子供が遊んでいる時は口に手を入れないように気を付けてあげ、遊んだ後はしっかりと石鹸で手を洗うことが大切です。
注意が必要な猫の皮膚病
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