
イヌに一番最初に覚えてもらうこと |「犬と暮らすということ」vol3 | MIKI
こんにちは。Dog index ドッグトレーナーのMIKIです。
前回は、イヌを迎え入れる前に検討したいことをお伝えしました。
今回は、イヌがきてから最初に行うこと、覚えてもらうことについてお伝えいたします。
家に来た時のイヌがどんな気持ちでいるのか?
イヌを迎え入れる準備を終え、実際にイヌが来ました。
嬉しさはもちろんのこと、これから先、ちゃんと育てられるのだろうか、吠えたらどうしよう、かむ犬になったらどうしよう。と多少の不安はつきものだと思います。
その気持を数字で表すとすると、嬉しさ80% 不安20%くらいではないでしょうか。
目の前にいるイヌについて考えます。
パピーでも成犬だとしても、年齢問わず、生活環境が変わったのはいうまでもありません。
彼らの気持ちは私達とは間逆。不安が80%位だと思います。嬉しさより緊張や不安が多いと思います。
大切なのは安心させてあげること
そんな彼らに対して、まず最初に行うことは、「彼らの行動を受け入れてあげること」
寝る、食べる、排泄する行動を、好きなように、安心してできるような空間を提供してあげることです。緊張や不安から、食欲がなかったり、おちつきがなかったり・・・
ピーピーと鼻を鳴らしてなく場合もあります。不安を訴えているのです。
それに対し、叱ったりはせず、「大丈夫!」と優しく安心する言葉をかけてあげましょう。
イヌの年齢によっては、言葉の理解は難しいかもしれませんが、その気持ち、雰囲気は必ず伝わっています。
先日、こんな話を耳にしました。
イヌを迎えた初日。
夜に鼻を慣らして鳴き始めた場合。
それが癖になるといけないからと、鳴いているイヌのそばに行き、大きな音をたてるというのです。
音を出す時は、イヌに見えないところか、又は、サークルやケージにタオルをかけて、柵ごしをたたくというものでした。
ブリーダーさんからの指示だったこともあり、言われた通りに行っていたといいます。
愕然としました。
不安を訴えている時に、大きな音。
一瞬は大人しくなるかもしれません。
しかしそれは、その後の犬生に影響するほど恐怖であるのは言うまでもありません。
何を覚えてもらえばいいのか?
また、イヌがきて最初に行うこと=おすわり と思っている方もいるかも知れません。
でもイヌのしつけ=おすわりではないことを十分に理解しましょう。
自然とできるようになっていくもの。
生活環境になれていないイヌに、「おすわり、おすわり」を連発しないことです。焦らなくても大丈夫です。
次に、彼らに覚えてもらいたいことについてです。
● 名前
● トイレの場所
だと思います。
生活する上では、②の方が先に覚えてもらいたいひとつかも知れません。
既にお話していますように、不安や緊張をもって時間を過ごしている彼ら。
トレイの失敗もありますし、パピーの場合は、トイレの認識すらしていないことも多いです。「失敗」とは、人が勝手にいっているものでもあるのです。
とはいえ、いろんなところに排泄していいよ!というわけにもいかないので、できるだけ早く覚えてもらえるように、私達が努力することです。
トイレシートを敷けば排泄するだろう・・・そんな簡単なものではありません。
トイレトレーニング
トイレのタイミングを見計らって、誘導してあげます。
パピーの場合は、
①起きたとき
②お水を飲んだ時
③遊んだ後
④ご飯をたべた後
と比較的、行動パターンが決まっているので、その時にかけ声と共に教えてあげましょう。
ポイント
● 決まった場所にトイレをおく
● トイレシートは大きいものを選び、トイレを数箇所設置してもよい
● 理想の場所で排泄できたら沢山ほめる
● メッシュタイプのトイレトレーを使う
成長の過程で、トイレシートをビリビリに破いて遊ぶ時期がきます。
想定内のことなので、未然に防ぐことです。
トイレを失敗したら怒らないのも既にご承知だと思います。
だまって片付けましょう。
トイレができたら⇒おやつ、と言うやり方もあります。
覚えるまではよしとしても、少しずつ減らしていけるようにしましょう。
おやつをもらうために、おしっこを小出しにするようになります。
また、何とか搾り出そうとするので、細菌に対する抵抗力が落ち、膀胱炎になりやすくなる危険性もあります。
これは獣医さんからも相談があり、パピーの膀胱炎が増えているのは、トイレの際のオヤツが間接的な原因のひとつではないかと話されていました。
お子さんがトイレで用を足せるようになるまで、いろんな努力と長い時間を要します。
それと同じです。
誘導する。できたら褒める。の繰り返しです。
名前を覚えてもらう
前回もお伝えしたとおり、名前をつける時点で絆ができています。
その自分の名前を認識するまで、約1ヶ月くらいかかります。
すぐに覚えたように感じますが、その時期は、どんな名前を呼んでも同じ反応をするのです。
ポイント
● 優しく丁寧に呼ぶ
● 名前(名指し)で怒らない
● 名前=よい経験となるようにする
例えば、「ごはん?」というより、「○○(イヌの名前)ごはん?」といった方がより嬉しいものになり、より伝わります。
こんな小さなことでも、コミュニケーションにつながるのです。
イヌがきて、試行錯誤で色んなことを試してしまいがちですが、まずは人が落ちついて、心にも、空間にも十分な受け入れ態勢をつくり接してあげましょう。
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