
16歳で捨てられた老犬の話 | 老犬を飼った方がいい3つの理由
イギリス一の長寿犬 23歳の今も元気いっぱいなチャーリーは元保護犬
現在イギリスで最も長寿な犬のうちの1匹であるチャーリー。
23歳の現在でも元気いっぱいで飼い主に愛され幸せに暮らしています。
そのチャーリーは元保護犬でした。
16歳のときに里親と出会う
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ジャックラッセルテリアのチャーリーは、2010年に現在の飼い主であるスチュアート・スミスさんとキム・スミスさん夫妻に出会い、家族になりました。
出会いの場所はイギリスの動物愛護団体「ドッグ・トラスト」。
チャーリーは、なんと16歳という高齢犬になってから元の飼い主に飼育放棄された犬でした。
捨てた理由は「孫ができたので、もう犬はいらない」という身勝手な理由。
犬の16歳といえば、もうすでにかなりの老犬になっている年齢です。
そんな理由で長年家族として暮らしてきた犬を捨てるなど言語道断ですし、新たな飼い主を見つけることは非常に困難です。
イギリスは愛護団体が充実していますが、犬が最後を迎える場所としてふさわしいとは言えません。
チャーリーは特別な犬
しかし、チャーリーは幸運でした。飼育放棄されてから3週間後、チャーリーは新しい家族を探していたスミス夫妻と出会うことができたのです。
スチュアート・スミスさんはチャーリーとの出会いをこう語っています。
「チャーリーと初めて会ってすぐに、この子は私達のための犬だと確信しました。私達は新たに家族として迎える犬を探して犬舎の前を歩いていました。チャーリーと目があったときに彼は特別だとすぐに分かったのです。愛護団体のスタッフの一人がチャーリーの年齢を言ったときに私達は信じられませんでした。チャーリーの残りの犬生に家を与えてあげたいと思いましたし、それから7年たちました。」
23歳になった今も元気いっぱい
チャーリーがスミスさんの家族になって7年。
チャーリーは23歳になりイギリスで一番の長寿犬のうちの1匹となり、ご近所でも有名なのだとか。
23歳になったチャーリーは、全身がほぼ灰色の毛に変わり、耳が遠くなり視力も衰えてきたそうです。
しかし、とても元気でいまだに若い犬と同じようにイタズラすることもあるそう。
チャーリーの家には、他にも2匹の犬がいます。
チャーリーと同じように愛護団体から来た12歳のルーシーとザックです。
チャーリーは10歳以上も年の離れた犬達と今でも一緒に散歩に出かけるとのこと。
飼い主のスチュアートさんは「チャーリーは若者の心を持っている」と話しています。
現在のチャーリーの暮らしについて、スチュアートさんは「チャーリーは可愛がられていて、とても元気ですしきっともっと長生きするでしょう。
チャーリーは快適な家に住み、美味しい食べ物を食べて、ベッドでうたた寝をしています。そして私達と一緒にデボンとコーンウォールで休暇を過ごすのです。」と語っています。
チャーリーは、今はもちろん若いころと同じように走ったりはできませんが、それでも散歩に出かけて外の新鮮な空気を楽しんでいるそうです。
スチュアートさんが語るチャーリーの生活には犬の長寿の秘訣がつまっていますね。
体を維持するための食事と運動。
旅行に行ったり年下の犬達と遊んだりする楽しみ。
そしてなにより、たくさんの愛情。
チャーリーはかけがえのない家族
高齢になってから捨てるような飼い主ですから、スチュアートさんの家族になるまでの16年間はチャーリーにとってあまり幸せな犬生でなかったかもしれません。
しかし、スチュアートさんと出会ってからは、それをすべて払しょくさせる7年間だったのではないでしょうか。
スチュアートさんはチャーリーとの生活で素晴らしいものを得たと語っています。
「私達はチャーリーに幸せな家庭をあげることができてとても光栄に感じています。チャーリーは私達にも大きな喜びをもたらしました。私達はもうチャーリーなしの生活を想像することができません。」
そして、年老いた犬を捨てないでほしいと話しています。
チャーリーは保護してくれた愛護団体のドッグ・トラストで「高齢犬だって素晴らしい家族になれる」と宣伝するために一役買っているそうです。
ドッグ・トラストの責任者のスライト氏は、「高齢になってから飼育放棄されるのは本当に悲しいこと。しかし、キムとスチュアートのように老犬を家族として受け入れてくれる人がいることは素晴らしいことだ」と述べています。
老犬をペットにするおすすめポイント
ドッグ・トラストでは老犬をペットにするおすすめポイントを紹介しています。
1.老犬は運動が少なくて済みますが、十分に楽しく暮らせます。
2.老犬はペットとして熟練していますので、子犬ほど物を壊したりしません。
3.老犬はすでに個性がはっきりしていますので、自分に合った犬を探すことができます。
日本でも老犬、老猫の飼育放棄は珍しくありません。
病気になったから、年を取ったからという理由で飼育放棄する場合もありますが、高齢化が進む日本で近年よく耳にするのは、飼い主が施設に入るまたは、息子(娘)の家で暮らすからペットを置き去りにするという例です。
筆者も実際にそのような現場に立ち会ったことがあります。
飼い主が高齢ですから、ペットも高齢になっていることが多いのです。
老犬・老猫の里親を見つけるのは困難を極めますし、日本には老犬・老猫を看取ってあげられるような愛護施設はほとんどありません。
動物愛護ボランティアでも助けてあげることは難しく、そのためほとんどが殺処分されてしまいます。
どうか、それまで家族として暮らしてきたペット達を捨てないでほしいと思います。
生きているのですから、いつかは年を取るのです。
そして、スチュアートさんのように老犬にも関心を持ってくれれば、救われる命ももっと増えるでしょう。
老犬ですから気を配ってあげなくてはいけないこともあります。しかしドッグ・トラストが紹介しているようにおすすめのポイントもあります。
スチュアートさんが語っているように、あなたもかけがえのないものを得ることができるかもしれません。
筆者もボランティア活動を続けられない年齢になったら、最後に高齢の保護犬の里親になりたいと思っています。
出典:EXPRESS
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