
猫が甘噛みしてくる!理由と対処法をシーン別に解説
初めて猫を飼った方が悩んでしまいがちなのが、飼い猫の甘噛み。
猫の甘噛みは生後2~3ヶ月頃から見られるようになるので、飼い猫を撫でているときに突然噛まれてしまった…という経験をした方も多いのでは?
この記事では、猫が甘噛みをする理由や効果的なしつけ法をご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
【シーン別解説】猫が甘噛みしてくる理由と気持ち
飼い猫が突然甘噛みをしてくると、「嫌われているのでは?」と思う飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、猫の甘噛みは敵意のサインではなく、愛情表現として使われることもあるのです。
では、具体的にどんな理由から猫は甘噛みを行うのかを、シーン別に詳しく学んでいきましょう。
【シーン1】撫でているときに突然甘噛みをしてきた!

甘噛みをされることが一番多いのは、飼い猫を撫でたときですよね。首や尻尾の付け根など猫が喜びそうな場所を触ったのにも関わらず、なぜかいきなり噛まれてしまうこともあります。
【理由】愛情表現だけど、撫で方に不満がある場合も…
撫でているとき、いきなり飼い猫に噛まれると、信頼関係を結べていないように思えるかもしれません。
しかし、この甘噛みは飼い猫からの愛情表現だともいえます。
もともと猫同士は甘噛みを通してスキンシップを図り、相手を噛む力加減を学んでいきます。
こうした甘噛みは、親子や兄弟間でよく見かけられる行動ですが、人間に飼われている猫は飼い主さんを母猫だと思っているため、飼い主さんに甘噛みを行うようになります。
たとえば飼い主さんに撫でられていい気持ちになり、自分もお返しに甘噛みで愛情表現を行うこともあるのです。
しかし、中には飼い主さんの撫で方に不満を持って、飼い猫が甘噛みをする場合もあります。
猫は「愛撫誘発性攻撃行動」を行う動物だといわれています。
これは、撫でられて気持ちよさそうにしていた猫が突然噛みついて攻撃をしてくることです。
この場合は、飼い主さんの撫でている場所や撫で方を嫌だと思っています。
猫が触られていい気持ちになれる部位には個体差があります。
そのため、自分があまり気持ちよくないと思う部分をしつこく触られたり、撫で方が強すぎて気持ちよさを感じられたりしないときは、甘噛みをすることでやめてもらおうとするのです。
【シーン2】手で遊んでいるときに甘噛みしてきた!

手元に猫が遊べるおもちゃがない場合は、自分の手を動かすことで飼い猫に遊んでもらおうとする飼い主さんもいますよね。
その際は体勢を低くし、お尻を振った後、飼い主さんの手に甘噛みをしてくることも多いのではないでしょうか。
【理由】手がおもちゃに見えて、狩猟本能が掻き立てられる
このときの猫は、飼い主さんの手をおもちゃだと思っています。
不規則に動く飼い主さんの手は猫の目に獲物のように映り、狩猟本能が掻き立てられて狩りを行おうとするのです。
子猫の時期はじゃれる姿がかわいくて、手で遊んでしまう方も多いものですよね。
しかし、子猫の時期からこうした癖がつくと、人の手が自分のおもちゃだと思うような猫になってしまいます。
そのため、大人になっても人間の手に噛みつく癖が直らない場合も少なくありません。
【シーン3】オスの飼い猫が発情期を迎えて甘噛み!

普段はおとなしい性格なのに、発情期になるとオスの飼い猫が甘噛みをするケースもあります。
このときは、飼い主さんの足に噛みついたり、同居猫の首をガブっと甘噛みしたりします。
【理由】発情期の甘噛みは猫の習性
発情期の甘噛みは、オス猫のみにみられる行動です。
もともとオス猫は発情して交尾をするときに、メス猫の首に噛みつくという習性を持っています。
この行動は「ネックグリップ」と呼ばれる本能的なもので、首筋に軽く噛みつくことでメス猫の動きを止めようとします。
こうした甘噛みは、飼い主さんの足に向けられることが多く、去勢手術を行うことでほぼなくなるでしょう。
しかし、飼い主さんとの遊びに興奮しすぎてしまうと、去勢後でも本能が刺激されて、ネックグリップのような甘噛みで飼い主さんの動きを制御することもあります。
まだまだある!猫が甘噛みをする他の理由とは?
猫が甘噛みをするときの理由は、まだまだ他にもたくさんあります。
歯が痒い!
たとえば、生後2~3ヶ月の子猫の場合は、乳歯から永久歯に生え変わるムズ痒さが原因で甘噛みをするようになります。
この場合は永久歯が生えそろえば、甘噛みも自然におさまることが多いでしょう。

早すぎる離乳
早くに母猫と離れてしまったため離乳が早かったり、小さいときから哺乳瓶で育てられてきた子は人の指や毛布、ぬいぐるみなどを甘噛みしたりすることがあります。
中には、母猫のおっぱいを吸うように指や毛布などをチュパチュパと吸うこともあるでしょう。
こうした行動は「吸い付き行動」と呼ばれ、猫の中で癖になりやすいので、大人になっても直らない子も多いとされています。
「私をもっと見て!」
また、猫の中には遊びが足りなかったり、飼い主さんに構ってほしかったりすると甘噛みを行う子もいます。
甘えん坊な子の場合は特に、自分以外のものに飼い主さんが夢中になっていると「私をもっと見てよ!」という気持ちから、甘噛みをすることもあるのです。
甘噛みへの効果的なしつけや対処法とは?
生後2~3ヶ月の間に社会性を学ばせよう

猫にとって生後2~3ヶ月頃は、社会性の時期です。
この時期、子猫は猫同士でじゃれあったり、遊んだりする中で猫界のルールを身に着けていきます。
たとえば相手を噛む力加減や他の猫との関わり方も、猫同士の遊びを通して学んでいきます。
そのため、生後2~3ヶ月の時期に他の猫と関われないと、周りとどう関わっていいか学べず、噛み癖のある攻撃的な子に育ってしまいます。
そして、猫は猫相手にする遊び方と同じ方法で人間ともスキンシップをとろうとします。
だからこそ、社会性をしっかりと学んでいないと、飼い主さんに対してもよく噛みつく猫になってしまうのです。
猫の噛み癖は大人になってから直そうと思うと根気がいるので、子猫のうちから他の猫と一緒に育てたり、たくさんの人と関わらせたりして、社会性を学ばせていきましょう。
1日数回の遊びは効果的!

遊び足りない猫は、飼い主さんの手や足が動くと狩猟本能を掻き立てられてしまうものです。
そんなときは、1日に数回、飼い猫との遊びの時間を取ってみるようにしましょう。遊びによって狩猟本能が満たされれば、飼い主さんへの甘噛みも減っていきます。
猫は1回の遊び時間を長くするよりも、回数を増やした方が満足できる動物です。ですから、10分程度の遊び時間を数回に分けて取ってみましょう。
毎日決まった時間に遊ぶのもポイントです。
帰宅後や就寝前といったように、遊ぶ時間を決めておけば、猫も決められた時間まで遊びたい気持ちを我慢できるようになります。
甘噛みされたときは怒らずにスルーしよう

飼い猫に甘噛みをされると思わず怒ってしまう飼い主さんも多いものですが、実は、それが逆効果になっていることも多いのです。
構ってほしかったり、遊んでほしかったりして甘噛みをする猫の場合は飼い主さんに怒られても「噛んだから構ってもらえた!」と感じてしまいます。
それを何度も経験すると、猫は「甘噛みをすると相手をしてもらえる」と思いこむようになるのです。
そのため、甘噛みをされたときは、猫の相手をしないように心がけましょう。たとえば、噛まれたらすぐに部屋の外へ出て、しばらく相手にしないのもおすすめです。
部屋の外に出れば猫の興奮も冷めやすくなりますし、「噛んだら飼い主さんが遊んでくれなくなる」ということも覚えさせられます。
霧吹きスプレーで甘噛みをしつけよう
猫は一度イヤだと思ったことはずっと覚えている動物なので、その習性を利用して甘噛みをしつけてみるのもおすすめです。
やり方は簡単で、霧吹きスプレーに水を入れ、猫が甘噛みをしたら後ろから水を少し吹きかけるようにしましょう。
このときのポイントは、猫に気づかれないように水をかけること。あくまでも、飼い主さんがかけたのではなく、甘噛みをしたから悪いことが起きたのだと思わせることが重要になります。
信頼している飼い主さんに水をかけられたとわかれば、猫だって傷ついてしまうので注意しましょう。
甘噛みされたときに指を押し込んでみよう

飼い猫に甘噛みをされると、思わず手を引っ込めてしまう方もいますよね。
しかしそれも実は逆効果で、余計に猫の狩猟本能を掻き立ててしまう恐れがあります。
猫は動くものを見る「動体視力」が優れているため、素早い動きのものを見ると狩猟本能がウズウズしてしまうのです。
猫に甘噛みされたときは手を引っ込めるのではなく、逆に口の中へ指を押し込んでみましょう。
口の中に指が入ってくると、猫は驚いて噛むのをやめます。
これを甘噛みされるたびに繰り返せば、猫も不快な思いをしたくないと感じ、甘噛みをやめてくれるでしょう。
ただしこの方法を試すときは、あまり奥まで指を突っ込まないように注意しましょうね。
まとめ:愛猫の気持ちを理解して甘噛みに対処しよう
猫の甘噛みに対処するには、まず愛猫が抱えている気持ちに目を向けてみることが大切です。
ただ単にしつけや対処法を試すだけでは、猫だけにストレスを背負わせてしまう可能性があるので気を付けましょう。
お互いが快適に暮らしていくためにも、ぜひこれを参考に甘噛みをする愛猫の心に寄り添ってみてくださいね。
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