
ドッグフードの選び方-犬のご飯 | ワンだろう?事典
家族に迎えた大切な愛犬には、安心で美味しいご飯を選んであげたいですね。
栄養成分のバランスが良いドッグフード、加えて食いつきが良い手頃な値段のものをどんな基準で探せばいいのか、この記事ではたくさんあるドッグフードから愛犬にピッタリな一品を選ぶためのコツを解説します。
なぜドッグフードを食べさせるのか?
ドッグフードは犬に必要な栄養のバランスが研究され、効率良く体内吸収ができるよう考案されて作られた総合栄養食です。
その犬の年齢や体重に必要な量のドッグフードを与えることで、成長に必要な栄養を賄うことができます。
基本的に肉食である犬は人間と体の構造が違うため、体の維持に必要な6大栄養素は人間と同じですが、栄養配分のバランスが違うことから、手軽にバランスが良い食事を与えることができるドッグフードが広く推奨されるようになりました。
ドッグフードの主成分
犬の体の維持に必要とされる6大栄養素は、タンパク質、脂肪分、炭水化物、ビタミン、ミネラル、水です。
タンパク質、脂肪分、炭水化物はエネルギー源であり、中でも犬に1番必要な栄養素は動物性タンパク質(肉、魚、卵等)で、骨、血液、筋肉等の体内組織の生成と維持を担い、皮膚と被毛の再生と維持を助けます。
脂肪分は皮膚、被毛、爪の生成と維持を担い、脂溶性ビタミン類の吸収を助けます。リノール酸、αリノレン酸、アラキドン酸が必須とされています。
炭水化物は糖質と繊維に分解されて糖質はエネルギーになりますが、犬の体の機能では分解されにくいため、与える量は少量で良いとされます。
ビタミンは14種類が必要とされており、水溶性ビタミン(ビタミンB群、葉酸、コリン、ビオチン等)と脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K等)、ミネラルはカルシウムやナトリウム等が挙げられます。
ドッグフードはこれらの必須栄養素成分を配合するために必要な原料を使って作られています。
ドッグフードの種類と特徴
大きく分けてナショナルフードとプレミアムフードの2つに分けられます。
ナショナルフードは、ドラッグストアやホームセンター、スーパー等で購入できる安価で一般的なドッグフードのことで、1キロあたり150円~700円程で販売されています。
プレミアムフードは素材や配合物にこだわって作られ、メーカー直販か指定販売店で購入できる比較的高価なドッグフードで、1キロあたり1000円以上で販売されています。
ドッグフード自体でも硬い粒状のドライタイプと、缶詰やレトルトなどのウェットタイプ、柔らかい半生のソフトタイプがあり、総合栄養食とされているのはドライタイプとソフトタイプ、ウェットタイプは補助食のような用途となります。
原料の素材も様々なタイプがあり、一般的に多く見られる鶏肉や牛肉の他にも、皮膚と被毛に良い脂肪酸が豊富な羊肉、アレルギーが出にくい豚肉、七面鳥、アヒル、魚肉、脂質が少なめでヘルシーな馬肉、鹿肉等を使ったドッグフードもあります。
最近はグルテンフリー(小麦グルテンやコーングルテンが配合されていないもの)や無添加(保存料や酸化防止剤等の化学添加物が配合されていないもの)もよく見かけるようになりました。
他にはドッグフードとしての用途で羊肉、馬肉、羊肉、カンガルー肉の生肉(冷凍のブロックかミンチ)もインターネットで販売されています。
ドッグフードの役割
犬にドッグフードを与えることのメリットはやはり、犬に必要な栄養素を毎日難しくなく与えられることに尽きますが、ドッグフードというものが豊富にあるからこそ犬の飼育がしやすいということがいえると思います。
デメリットがあるとすれば種類がたくさんありすぎて選択に困る、という点でしょうか。
ドッグフードの選び方
たくさんの種類やタイプの中からなるべく良いものを選ぶコツは、どのタイプのドッグフードでも、包装袋の裏側や側面に記載されている「原材料名」表記と「保証成分」表記を見ます。
「原材料名」表記は配合量が多い順番で材料名が記載されていますので、1番最初に何の材料名が記載されているかが1番大事なポイントです。犬に1番必要な栄養素は動物性タンパク質ですから、1番最初の材料名が肉(または魚)であることが理想です。
中には肉そのものではなく肉を粉にしたものを使用しているものもあり、それは○肉粉と記載されています。できるだけ肉そのものを使用しているものを選ぶことをオススメします。
安価なナショナルフードでは、1番目の材料名が穀類(とうもろこし等)というものが多く、これは栄養素でいうと炭水化物が1番多く配合されていることになり、犬にとって炭水化物過多の傾向になる点で注意が必要です。
また、例えばとうもろこしと記載されていても穀類である実を使用せずに、繊維である葉や茎を粉砕したものを使用して穀類と記載されていることもあるので、気になる場合はメーカーに内容を確認してみましょう。
「保証成分」表記は栄養素の配合比率が記載されたものです。
大抵は粗タンパク(またはタンパク質)、脂肪(または脂質)、粗繊維(または繊維質)がエネルギー源(熱源)として最初に記載されており、運動量が少なめの室内犬や太目の犬の場合、配合比率が粗タンパク21.0%以上、脂肪9.0%以上、粗繊維4.0%以下と記載があるものを目安にすることをオススメします。
この比率は飼育スタイルや犬の大きさ、年齢等の違いで選び方は若干変わってきます。
運動量が多い犬、大型犬(太っていない)の場合は粗タンパクが22.0%以上、シニア犬は20.0%以上の比率を目安にして下さい。
一見難しそうに感じるかもしれませんが、いろいろなフードの表記を見比べてみると使用材料の順番も比率も様々でおもしろいですよ。
もうひとつ、なるべく酸化防止剤や防腐剤を使用していないものを選ぶ事をオススメします。これらの多くは化学薬品であり、犬の体内器官で分解しにくい成分もあるので、蓄積していくと健康に害を及ぼす懸念があります。
良心的なメーカーは酸化防止にビタミン類やローズマリー抽出液等、犬の体に負担が少ないものを使用しているようなので、できるだけそうしたものを選ぶと良いと思います。
原材料表記の確認は必須ですが、保証成分の比率については簡単にパピー用(1歳までの子犬)、アダルト用(1歳~6歳)、シニア用(7歳~)等の年齢別でフードで選ぶのも選択肢の一つですね。
犬種別選び方のコツ
最近では柴犬専用やチワワ専用等、犬種専用に作られたドッグフードが販売されていますので便利ですね。
愛犬の犬種専用フードが販売されていない場合の選び方のコツは、類似犬種用フードで代用する、またはその犬種の特徴に見合った成分が配合されたものを選ぶことです。
例えば秋田犬や甲斐犬等の日本犬であれば、体の大きさや性質の違いの他は基本的に類似している柴犬用のフードで賄うことができますが、違うもので選ぶ場合、日本犬は活動量が多く代謝が良いので粗タンパクが23.0%以上のものを意識してみて下さい。
長毛の犬種の例では、ペキニーズやミニチュアシュナイザー等は毛質と皮膚の特徴が似ているシーズー用やマルチーズ用のフードで賄うことができますが、違うもので選ぶ場合、長毛の犬種全般において皮膚と被毛の栄養が不可欠なのでオメガ3、オメガ6等の脂肪酸が配合されているフードを意識してみて下さい。
アレルギーの子への選び方
アレルギーがあることが事前にわかっている場合は、アレルゲンとなる材料を使用していないフードを選ぶことが必須となりますが、最近はアレルギー専用フードの種類も豊富に販売されていますから、アレルゲンの種類と症状に合ったものを難しくなく選ぶことができます。
これまで大丈夫だったのに突然アレルギー症状が出た場合は速やかに動物病院に連れていき、アレルギーテストを受けてアレルゲンを特定することが先決となります。
まとめ
ペットブームでペットを飼育する人が飛躍的に増え、それとともにペットフードも多種多様に進化を遂げました。
タイプも種類も目移りするくらいたくさんあり、選択肢が増えすぎてどれが良いのか迷ってしまいますよね。
だからこそ飼い主さんにちょっぴり知識があれば目安となる基準を元に選ぶことができるようになると思います。
大切な家族の愛犬にピッタリの安心で美味しいご飯を探す参考にしてみて下さいね。
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