
6年前に盗まれた犬が飼い主と奇跡の再会!
6年間も不明だった犬が奇跡的に飼い主と再会しました。
その犬は自宅の庭から盗まれたあげくに、道路に捨てられていたところを保護されたのでした。
6年前に忽然と姿を消した愛犬
6年ぶりに飼い主のシェリル・マカビーさんに再会した犬の名前はミッツィー。
ちょっと縮れた毛がかわいい、パタデール・テリヤです。
ミッツィーは2011年に、イギリス北部の町ミドルスブラにあるシェリルさんの自宅の庭から忽然と姿を消しました。
そのとき、ミッツィーは7歳。
いなくなったミッツィーをシェリルさんは何カ月も探したそうです。
シェリルさんはミッツィーが生後5か月のときに家族として迎え入れ、とてもかわいがっていた犬でした。
「ミッツィーは完ぺきな犬で、私は打ちのめされました。6年前にはソーシャルメディアがあまりなかったので、私はポスターを貼ったり探して歩いたりすることしかできず、ミッツィーは見つかりませんでした。」と当時のことをシェリルさんは語っています。
大切にしているペットがいなくなることは、飼い主にとっては衝撃です。
世の中にはいなくなっても探さない飼い主も残念ながらたくさんいて、保健所に収容されても迎えに来てもらえない子もたくさんいますが、一方で何年も懸命に探す飼い主もいます。
その子を大切に想っていればいるほど、どこでどうしているのか、飢えていないか、苦しい思いをしていないか、自分に落ち度はなかったか、長い間苦しみます。
ミッツィーが盗まれたということはのちに判明したことで、シェリルさんはこのときは知りませんでした。
忽然と庭からいなくなってしまったのですから盗難を疑ったかもしれませんが、自分のことも責めたのではないでしょうか。
「私はもう希望を持つことができませんでした。ミッツィーは死んでしまって、私はもうミッツィーに会うことはできないのだと思いました」とシェリルさんは当時の苦しい胸の内を話しています。
現在では、ツイッター、インスタグラム、フェイスブックなど個人の方でも発信できるSNSがたくさんありますが、これらを誰でも普通に使うようになったのはごく最近のことです。
しかも、これらを駆使してもいなくなったペットを探し出すことは至難の業です。
6年後に道路に遺棄されていたところを保護
ミッツィーが保護され、無事にシェリルさんのもとに帰ることができたのは、マイクロチップのおかげでした。
ミッツィーは2017年4月にタースクという町の近くの、交通量の多い19号線の道路に遺棄されていたところを動物病院に保護されたのです。
獣医師のジョー・ジャクソンさんとジュリアン・ノートンさんはミッツィーに埋め込まれていたマイクロチップの情報をもとに、「ペット探偵」に飼い主を探すように依頼しました。
その結果、ミッツィーが6年前に盗まれた犬であったことが判明しとても驚いたそうです。
ミッツィー発見時の様子は詳しく伝えられていませんが、保護されたときの様子や6年間も野良犬として生きてきたとは考えづらいことから、盗まれたのではと推測されます。
日本では気軽に外に犬をつないでいますが、海外ではペットの盗難は珍しくはありません。
家の中で飼育していてさえ盗まれることもあるのです。
多くは子犬や子猫ですがミッツィーのように7歳の成犬であっても危険がないとは言えません。
6年ぶりにミッツィーが生きていると連絡をもらったシェリルさんは、すぐには信じることができずに留守電を4回も聞き直したそうです。
「死んだと思っていた愛犬が6年ぶりに帰ってくる」、それは喜びとともに信じられない思いでいっぱいだったのではないでしょうか。
「ミッツィーが私のことを覚えているかどうか分からなかったので、迎えに行く時にとても緊張しました」とシェリルさんは話しています。
6年間飼い主を忘れなかったミッツィー
ミッツィーは保護してくれた病院の職員には無反応だったのですが、シェリルさんの姿を見るとすぐにしっぽを振って、大喜びでシェリルさんの顔をなめたそうです。
7年間家族として愛してくれていたシェリルさんをミッツィーはちゃんと覚えていました。
これが犬のすごいところです。
何年たっても家族だった人のことをちゃんと覚えていて、愛情を持ち続けていてくれる。
盲導犬は幼いころに可愛がってくれたパピーウォーカーを10年以上たっても忘れないそうです。
動物にも心と感情があるのは当然ですが、人間と同等の、もしかしてそれ以上の愛情が詰まっているのではと思わざるをえません。
シェリルさんはミッツィーの目の周りが灰色になっていたりと、6年前の姿とはまるで違ってしまっていたので、その心も前と変わってしまっていても仕方ないと覚悟していたそうです。
しかし姿は多少変わってもミッツィーの心はシェリルさんが知っているままの、素晴らしい愛犬のままだったのです。
7歳のときに盗まれて6年。
ミッツィーはすでに13歳です。
13歳といえば犬にとってはすでに高齢ですし、失われた6年間はあまりに長い。
ミッツィーが盗まれた当時1児の母だったシェリルさんは、現在では3児の母になり、ミッツィーが行方不明になった後に2匹の犬が家族として加わっています。
ミッツィーにとっては初めて会う家族ですが、ちゃんとなじむことができているそうです。
あきらめない心が奇跡につながる
ミッツィーが保護されていた病院の看護師であるゾーイさんは、「あきらめないことが希望につながると示しています。ミッツィーと飼い主が再会できたことはとても驚くべきこと。こういう体験ができることが、私が看護師をしている理由ですし、毎日仕事をしてすべきことをしようと思う理由です。このような出来事はこれまで見たことがないし、これからも出会うことはないでしょう。」と語っています。
ゾーイさんの言葉には筆者も強く共感します。
動物保護活動をしている中での、唯一で最大の報酬は、関わった動物が幸せになった姿を見ること。
ひとつの命を救うことは奪うことよりずっとずっと難しいのが現実です。
その中で、ひとつでもこのような幸せな結末が見られることが活動を続けている理由です。
筆者は迷子犬を何度か保護し、里親に譲渡したり飼い主に返還したりした経験があります。
現在では多くの方がSNSを使いますが、飼い主が高齢だった場合などはSNSの発信だけでは簡単に飼い主を探すことができません。
ましてや、日本ではまだマイクロチップの装着は一般的でなく、特に地方では扱ったことがない獣医さんも多数います。
SNSも利用しましたが、とにかく発見した場所から半径約5km圏内の郵便局、お店など人目につきやすいあらゆる場所にポスターを貼り、周囲の獣医さんにも連絡しました。
その結果、数日後にポスターを見た飼い主から連絡があり、無事におうちに返してあげることができました。
この子はきっとかわいがられていたはずだと思い筆者も頑張りましたが、なんといっても飼い主も探していてくれていたことが大きいです。
迷子になるとおうちに帰れない子も多いのですが、その大きな理由のひとつは飼い主が探していないからです。
保健所に収容されても、迎えに来てもらえない子がなんと多いことでしょう。
イギリスでは現在、犬のマイクロチップの装着は義務となっていますが、6年前はそうではありませんでした。
シェリルさんは万が一のためにマイクロチップを装着していたことが奇跡につながりました。
そして6年たってもミッツィーのことを愛していて取り戻したいと願っていたからこそ、ミッツィーは家に帰ることができたのではないでしょうか。
出典:Daily mail
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