人間が大好きで、家族に愛され、同居している犬とも仲良しのピットブル・カリスタ。

 

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カリスタの写真でいっぱいのインスタグラムのフォロワー数は13万6千人。
とてもかわいいカリスタなのですが、よくみると両耳がありません。
カリスタには壮絶な過去がありました。

 

 

ボロボロの犬が保護される

 

 

2013年7月、アメリカのアリゾナ州フェニックスの路上をさまよう1匹の犬が警察に保護されました。
犬は傷だらけで、元々の被毛の色が分からないくらい汚物で汚れ、うまく歩けない様子から盲目だと思われました。
しかも体中にダニが付着。
生きているのが不思議なくらいひどい状態だったのです。

 

警察官は犬を保護し、郡の保健所に連れて行きました。
しかしこの保健所は保護する機能があまりない保健所だったため、メイデイ・ピットブル・レスキューに保護を要請しました。

 

残念ながらこの愛護団体も新しい保護犬の受け入れに積極的ではなかったのですが、幸いにもメイデイの代表者が犬を世話してくれそうな人に連絡をすることができたのです。

 

 

瀕死の犬を引き取ることを決意

メイデイの代表者が連絡したのはジャネット・ゴールドベリー夫妻でした。
夫妻は最近、愛犬のピットブルをガンで亡くしたばかりだったのです。
夫妻は犬の姿を見て亡くしたピットブルのことを思い出し、このボロボロの犬を引き取ることを決意したのです。

 

「私達はすぐに引き取ることに同意し、夫は施設に犬を迎えに行きました。

そして急いで獣医の救急センターに連れて行ったのです」とジャネットさんは当時のことを話しています。

 

ジャネットさんは、犬に「カリスタ」とう名前を付けました。
「最も美しい」という意味です。

 

「犬を救うことがあったら、犬に名前を付けてあげる必要があります。

もし死んでしまったとしても、彼等は名前を持って死ねるからです。」とジャネットさんは語っています。

 

そのときのカリスタは予断を許さない状態で入院を余儀なくされましたが、どこの犬かもわからない状態で死なせたくなかったジャネットさんは、せめてこの会ったばかりの犬に名前を付けてあげたかったのでしょう。

 

獣医の診察の結果、犬の体中に傷があり、繁殖犬として使われたあとに闘犬の噛ませ犬にされていた可能性が高いことが分かりました。
さらに体中にダニが付着しており、そのせいでバベシア、アナプラズマなどほぼすべてのダニ媒介性疾患にかかっていました。

 

噛ませ犬とは闘犬をより凶暴で強くするために、噛みつかれ襲いかかられる役目をさせられる犬のことです。
闘犬として向いていない闘争心の少ない犬が、このような仕打ちをされることが数多くあります。
使い物にならなくなれば、殺されるか捨てられるかのどちらかなのです。

 

 

両耳を失うも命はとりとめる

 

カリスタの状況で一番ひどかったのが耳です。
片方の耳は完全にちぎれ、もう片方は腐って腐敗していたため、カリスタは両方の耳を失うことになってしまいました。

 

カリスタは汚れ、悪臭にまみれており動物病院の人たちは「今まで見た犬の中で最悪の状態だった」と言ったそうです。

 

「カリスタは周りの世界を怖がっていましたが、彼女に瞳には希望がありました。

私達は誰かがカリスタにしたひどいことに対して激怒し憤慨していましたが、カリスタはとても穏やかでした」と話すジャネットさん。

 

ひどい状態だったカリスタが最初の夜を乗り切ったことに、だれもが驚いたそうです。
その後何度も手術を行い、治療を続けました。

 

 

初めての「家」

全てものを怖がっていたカリスタですが、毎日病院を訪れてくれるジャネットさん夫妻に次第に心を開き始めます。
入院してから1週間後、カリスタは初めて「家」と言える場所に帰ることになったのです。

 

 

ジャネットさんの家には先住犬ザズがいて、カリスタが家庭犬となる手助けをしたそうです。
ザズはカリスタが怖がっているときは一緒にいてあげるし、おもちゃで遊んだり階段を上がったりする方法も教えてくれました。

 

カリスタはジャネットさんの家に来るまで、一度も遊んだり家庭の温かさを味わったりしたことがなかったに違いありません。
そんな、カリスタにザズが寄り添ってくれたのですね。

 

またカリスタの存在もまた、ザズにとってのなぐさめになったようです。
カリスタが来る前にいたピットブルの女の子が亡くなってから、ザズはおやつを食べなくなってしまったそうなのです。

それが、カリスタに会ったその日にザズはまたおやつを食べてくれるようになったのだとか。

 

 

カリスタとザズがとっても仲良しなのがよく分かりますね。

 

 

犬生を楽しむカリスタ

カリスタの耳は失われましたが、聴覚は損なわれていませんでした。
現在も治療は続いているようですが、毎日を楽しく暮らしています。
カリスタは、ソファで寝たり、美味しいものを食べたり、おもちゃで遊んだり散歩することが大好きです。

 

「カリスタは犬生を愛しています。食べることが大好きだし、人間やほかの動物のことも大好きです。

彼女の魂は本当に素晴らしいものです。時々過去の経験から恐怖に襲われることがありますが、それもかなり克服できています。」

 

カリスタはいつもしっぽを振っているので、フローリングの床に当たって太鼓のように聞こえるのだそう。
この音はカリスタの喜びと希望を伝える音ですね。

 

カリスタの治療には多額の費用がかかりましたが、動物救急センターとメイデイ・ピットブル・レスキューが募金を募ってくれたそうです。
アメリカでは寄附が浸透しているので、多くの動物が善意の寄付によって助けられています。

 

2017年の父の日にカリスタとパパ。

カリスタ

 

カリスタは愛され大事にされて幸せな日々を送っています。

 

 

闇闘犬とういう動物虐待

寄付社会という素晴らしい面が浸透しているアメリカですが、この話にはアメリカの闇の部分も示されています。
アメリカでは闘犬は動物愛護に反するとして禁止されています。

 

しかし、ギャンブルとしてお金をかけて行われるため、闇闘犬ビジネスはなかなか根絶に至りません。
噛ませ犬だけでなく、闘犬として戦わされる犬も用済みになれば簡単に殺される犠牲者です。
また、凶暴性を増幅させるためにエサとして犬や猫を生きたまま与えたりなど、動物虐待の最たるものなのです。

 

そして、とても悲しいことにこれはアメリカだけの話ではありません。
欧米の多くの国では闘犬は禁止されています。
ところが日本では闘犬は違法ではありません。

 

かつて、TVに出演した闘犬愛好家が「戦わない犬は殺処分する」と言っています。

 

戦わない犬は殺すと言っている時点で価値観に相違があり過ぎて理解することは不可能ですが、傷つき血を流す犬の姿を見て喜んだり、「伝統だからいいのだ」という主張ができる神経は全く理解できません。

 

時代は変わり価値観も変わります。
長い間続いてきた伝統だからという理由が、動物愛護に反する行為さえも許される免罪符になるでしょうか。

 

人間のエゴのために、カリスタのような目に犬を遭わせるべきではないと考えます。

 

出典:the dodo

出典:I’m not a monster

出典:calistathepitbull

 

関連カテゴリ:感動

 

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