柴犬をはじめさまざまなイラストやエッセイを発表している影山直美さんと、甲斐犬と暮らすライターの金子志織が対談を行いました。

 

日本犬の魅力やしつけの苦労、老犬との暮らし方など、「日本犬あるある」をテーマにマニアックに語っていきます。

 

 

日本犬は子どもの頃から身近な存在だった

金子志織(以下、金子):影山さんは、今まで3頭の柴犬と暮らしていますよね。初代のゴンちゃん、今はテツくんとこまちゃん。飼い始めたきっかけを伺えますか。

 

影山直美さん(以下、影山):子どもの頃からなじんでいる犬種なんですよね。近所に柴犬っぽさが残っている子が多くて、大人になって自分で飼うなら柴犬か秋田犬だなって。それで夫とも意見が一致して柴犬に決めました。

前からチェックしていたブリーダーに問い合わせたら、柴犬が1頭だけいたんです。ゴンぎつねに似ている子犬、それがゴンでした。もう気に入っちゃって抱っこしたら離せなくて、夫と「バッチリ、この子だね!」と言ってそのまま連れ帰りました(笑)。

 

金子:運命の出会いじゃないですか!その後迎えたテツくんとは8歳差ですよね。

 

影山:最初はゴンだけでいいと思っていたんですけど、夫と1人1頭ずつ連れて散歩したいっていう欲が出てきて。たまたま行ったペットショップでゴンに似た柴犬を見つけて何度か通い、飼うことに決めたんです。名前は夫がずっと付けたかったというテツになりました。

 

金子:影山さんのエッセイを読んで3頭目はゆたかちゃんだと思っていたら、こまちゃんになったんですよね。

 

影山:ゴンやテツと同じ二文字がいいなって。それにゴンの母犬の血統書名が駒菊(こまぎく)なので、ずっと「こま」が頭の中にあったんです。ゴンが亡くなってから1年ほど経ってブリーダーから3頭目を迎えるときに、夫と2人で「こま、だろう」と(笑)。ジュウザくんはどこから来たんですか?

 

金子:番犬になる犬を飼いたくて、柴犬よりちょっと大きい甲斐犬がいいなって思ったんです。それで甲斐犬専門の犬舎から迎えました。私は『北斗の拳』が好きなもので、雲のジュウザというキャラクターから命名したんですよね。主人公のケンシロウほど知られていないけど、かっこいいんです(笑)。

 

イラストレーター 影山直美さん

 

 

愛犬のあだ名が進化していく不思議

影山:普段は犬のことをあだ名で呼びませんか?

 

金子:10種類くらいあります。かわいいところでは、じゅうぽんとか(笑)。

 

影山:あだ名っていつの間にか進化しますよね。ゴンは、ゴンの字がいつの間にかノジになりました。テツのことは、テッツンとかテツツンって言っていた頃はテツが入っていたんですけど、最近はデチバイくんですよ。原型の名前が入ってない(笑)。

私が勝手に作っているテッチャン語があって、語尾にデチを付けるんですよ。「さびしいデチ」とか。次にバイを付けるようになって、ほめるときは「よかバイ」。両方合わせてデチバイくんになっちゃったんですよね。こまはコーコーコマッコとか。

 

金子:本名から関連がなくなって、しかも本名より呼びづらくなるっていうのはどういう現象なんでしょうね(笑)。私はジュウザの名前を発展させてジュウジュウと呼ぶこともありましたけど、似ているものをあだ名にすることもありました。丸くなって寝ているのを見て、鼻クソくんとか。

 

影山:かわいいと思うところなわけですよね(笑)。私も丸頭(まるあたま)くんとか言っていました。ほかの飼い主さんはどうなんでしょうね。

 

金子:プードルの飼い主さんはデチバイくんとか鼻クソくんとは付けないかも。日本犬の飼い主さんも付けないかもしれませんが(笑)。

 

 

独特?日本犬の“愛で方”

金子:柴犬は後頭部がかわいいですよね!後ろから見たときのシルエットが好きなんですよ。

 

影山:後頭部がすごく真面目なんです。和犬の愛で方を改めて聞かれるとわからないなって思ったんですけど、後ろ頭の真面目さ加減かな。例えばカートに乗せられている老犬。すごく楽をしているのに、「自分が仕切っている」みたいな顔をして乗せられているときの後ろ頭が一番好きかも。

後頭部が少しだけ平らなんですよ。こんな話で引かれちゃうかもしれないけど、後ろ姿をけっこう観察しますね。よその柴犬がチャッチャッと歩く姿、先の角を曲がっていく後ろ頭とお尻。「曲がっていった、よし!」と内心で小さくガッツポーズみたいな(笑)。

 

金子:だからどうした、と思われそうですけど、愛で方は自由ですからね。私はすれ違う柴犬と、後ろ髪を引かれ合う感じを楽しんでいます。お互いにチラッチラッて見ながら遠ざかっていく。呼び止めるわけではなく、柴犬もわざわざ寄ってくることもないっていう、その距離感がいいんですよ。

 

その2:日本犬を迎えた理由、しつけの苦労、共に暮らす楽しみ」へつづく

 

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