
吠える理由を理解して、飼い犬の無駄吠えをしつけよう
大切な家族の一員である飼い犬。
昔は家の外で飼うことが主流でしたが、最近では室内飼いの犬が増えてきています。
家の外から室内に生活の場が変わったことで気になるのが「無駄吠え」です。
あまりに頻回な無駄吠えは、犬自身にもストレスになっていないか心配になるだけでなく、近隣の方への迷惑も気になってしまうもの。
そこで今回は、なぜ犬が吠えるのか、そして飼い犬の無駄吠えに対するしつけ方を、実際にミニチュアダックスを2匹飼っている筆者が解説します!
犬が吠える習性を理解しよう
吠えるという字の成り立ちからもわかるように、犬はそもそも「吠える」ことがコミュニケーション方法であり、仕事でもあります。
犬は昔、狩猟犬として獲物を見つけたら吠えて飼い主に知らせ、番犬として庭先で飼われ、不審者が来たときなどに吠えて威嚇することが仕事でした。
このように、犬にとって吠えることは人間にとってしゃべることと同様、とても大切な動作の一つなのです。

無駄吠えとは?
では、無駄吠えとはどういったものをさすのでしょうか?
無駄吠え、という言葉そのものは辞書にも載っておらず、ネット上でもそれぞれサイトによって定義づけがされていますが、どのサイトでもおおまかには「飼い主が吠えてほしくない場面で犬が執拗に吠えてしまっていること」をさしています。
つまり、無駄吠えとは犬が主体ではなく、あくまで「飼い主側にとって「無駄だ」と感じる吠え方をしていること」とされているのです。
よく吠える犬種は?
個体差もありますが、よく吠える犬種というのもあります。
元々狩猟犬として仕事をしていたダックスフントやビーグル。
体が小さく、怖がりであるチワワやポメラニアン。
これらは特によく吠える犬種として知られています。
他にもコーギーやトイプードル、シベリアンハスキーやミニチュアシュナイザーなども、よく吠える犬種として挙げられます。
無駄吠えに対する基本的な対策としつけ方法
犬が吠えるには必ず理由があります。
その理由は、自分の要求を通したい、縄張りを守りたい、ストレスがたまっているなど、時と場合により様々です。
しかし飼い主としては、家族として共に生活していく上で、必要以上に吠えることは控えてほしいもの。
そこで、無駄吠えに対する基本的な対策としつけ方法を2つ、ご紹介します。
吠えやむまで無視する
愛犬が吠えている理由を飼い主として見極めるのは難しいことです。
しかし、例えば物音がした、散歩中出会った犬に警戒して吠えているなど恐怖や不安、警戒といった理由がなく、かまってほしい、食べ物がほしいなど犬が飼い主に要求を通したくて吠えているときは、あえて吠えやむまで無視をすることが有効です。
そうすることで、「飼い主の気をひくために吠えることは、有効なことではない」ということを少しずつ学習することができます。
運動量を増やす

吠えることで「たいくつだよ、遊んでよ!」と訴えているのです。
いつも以上に無駄吠えが増えてきたなと思ったら、フラストレーションがたまっているサイン」だととらえ、散歩の距離を延ばす、遊ぶ時間を作るなど、運動量を増やしてあげましょう。
フラストレーションが解消され、精神的に落ち着き、無駄吠えも減少します。
【シーン別】無駄吠えの原因と対策
特に多くの飼い主さんが無駄吠えに悩んでしまうシーンが2つあげられます。
それぞれのシーンについて、原因と対策について考えてみましょう。
来客に対して吠える
チャイムやインターホンが鳴ると同時に吠え、お客様が玄関を開けた瞬間に猛烈に吠えてしまう。
これは犬を飼っている方ならば誰しも一度は経験することではないでしょうか?
来客に対して吠えてしまうのは、先方にも失礼に当たってしまうため、きちんとした対策を取ることが大切です。

原因
犬にとって来客は、「敵か味方かわからない、未知の存在」です。
そのため、それぞれの性格によって様々な感情が起こり、その結果吠えてしまいます。
たとえば人懐こい飼い犬の場合は「遊んで!」と興奮してしまうでしょうし、警戒心の強い飼い犬の場合は「誰!怖い!」と怖がります。
対策・しつけ
警戒心の強い犬は、誰か知らない人が家に入ってくる恐怖とチャイムの音が結びつき、結果的にチャイムが鳴ったと同時に吠えてしまいます。そのような場合は、チャイムが鳴ったらご褒美をあげる練習をします。
そうすることで、チャイム=警戒する嫌な気分になる音ではなく、チャイム=楽しい音に変わります。
また、人懐っこい犬でも警戒心の強い犬でも、事前にハウスやお客様と合わない場所で長持ちするおやつを食べさせ、落ち着ける環境を作ってあげることが大切です。
留守中に吠える
家族の一員である飼い犬。しかし生活していく上で飼い犬に留守番をしてもらわなくてはいけない場面もあります。そうしたとき、問題となるのが留守中に吠えてしまうことですよね。
家族は出かけているためにわかりませんが、鳴き声が近所の方の迷惑になってしまい、トラブルとなってしまうケースも少なくありません。

原因
犬は元々群れで生活をしていたため、単独で行動するということに慣れていません。
そのため家族が留守にして一人きりとなったとき、群れとはぐれたときと同様に、家族と離れ離れにしまったという不安が大きくなり、吠えてしまうのです。
対策・しつけ
一人でも楽しく安全に過ごすことができるように、飼い主が事前に準備してあげます。
「夢中になって遊んで寝ている間に、いつの間にか留守番が終わっていた」という状態が理想です。
例えば、
- 壊れにくく、万が一破片を飲み込んでしまっても体に害のない、一人遊び用のおもちゃを用意して、一人でも遊べるようにする。
(手作りのおもちゃや、ぬいぐるみといった壊れやすいおもちゃは、壊れた場合誤飲してしまう可能性があるので、留守番の時には使用しない) - 事前にたっぷり遊ぶ、またはお散歩を少し長めにすることで、お留守番の間にお昼寝を長くできるようにする。
などが有効です。
また、犬が「これから一人になっちゃう」と不安になってしまわないよう、あえて出かける際に「行ってきます」「お留守番よろしくね」などというような声かけを行わない、ということも大切です。
我が家のミニチュアダックスの場合
我が家には二匹のミニチュアダックスがいます。
ミニチュアダックスはよく吠えるため、完全に吠えさせない、というのは難しい犬種です。
その中で、私が飼い主として行っている無駄吠えに対するしつけや対策について、ご紹介します。

お客様が来る前に、たっぷり遊んでおく
我が家のミニチュアダックスはとても人懐っこい性格なため、お客様が来ると興奮してしまい、「ようこそ!僕たちと遊んで!」と吠えてしまう傾向にあります。
そのため、来客があるとあらかじめわかっている場合には、その前に遊ぶ時間をたっぷりとり、たくさん遊んであげるように心がけています。
そうすることで、お客様がいらっしゃったときも「遊びたいけど、でも、さっき遊んだし…」と興奮を抑えることができます。
近隣の方へ、普段から「吠えてしまう犬がいる」ということを伝える
我が家は閑静な住宅街にあるため、吠えてしまうと鳴き声が近隣まで響いてしまいます。
窓を開けっぱなしにしない、普段から無駄吠えをしないようにしつけるといったことを心がけるとともに、近隣の方に対して普段から「吠えてしまう犬がいます。ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません」とお話しするようにしています。
そうすることで、「うちも犬がいるから大丈夫よ」「気にならないよ」などと近隣の方からも声をかけてもらえるようになり、今まで大きなトラブルになってしまったことはありません。
まとめ
犬は吠えることで私たちに様々な感情を伝えてくれます。
無駄吠えを抑えるためには、飼い主である私たちが飼い犬の気持ちや感情を感じとり、行動を起こしてあげることが何より大切となります。
元々、犬が無駄に吠えるということはありません。
犬に必要以上に吠えさせないためにも、まずは飼い主側から飼い犬へ積極的にアプローチしてあげることが、何より大切なことだと考えます。
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