
街をさまよっていた15歳のボロボロの猫がついにたどり着いた家
通りをさまよっていた15歳のボロボロの猫。
その猫に最も適切で愛情深い里親がとうとう見つかります。
15歳のボロボロの猫が保護される
アメリカ ニュージャージー州で通りをさまよっていた15歳のボロボロの猫が保護されました。
ボーヒーズ動物保護施設に保護されたときにすぐ、スタッフはこのボロボロの猫がとても愛情を求めていることに気がつきました。
この愛情深く優しい猫は、これからの大切な年月をこのシェルターで過ごすべきではないとスタッフは考えました。
猫の15歳といえばかなりの高齢です。
人間で言えばおおよそ76歳にあたります。
室内飼育の猫である場合、現在ではかなり高齢まで元気に生きる猫もそんなに珍しくはありませんが、外で生きざるを得ない猫は大抵、長く生きることはできないのです。
この猫の様子から見ると捨てられてからかなりの長い間、野良猫としての暮らしを送ってきたかもしれません。
野良猫の生活は厳しく、平均寿命は3歳から4歳ほどと言われており、室内飼育の猫の寿命の3分の1にも満たないのです。
十分な食べ物を得ることは難しいですし、外の世界は危険がいっぱいです。
病気、野生動物などの外敵の他に、野生動物ではない猫は人間が生活する場所が生きる場所となるため交通事故の危険ともいつも隣り合わせ。
そして本当に悲しいことに人間による虐待も少なからずあります。
そんな中、15歳になるまで生き延びた猫は本当にボロボロになってしまっていました。
バーナビーは片方の耳が半分くらいまでしかありません。
病気のせいか、あるいは野生動物や犬などに食いちぎられてしまったのでしょう。
過酷な経験をしてきたことが推察できます。
バーナビーにとってこれ以上ない里親が見つかる
バーナビーと名付けられたこの老猫は、すぐにシェルターのスタッフみんなから愛されるようになります。
誰かがこの猫を気に入ってくれたなら、バーナビーはその人の素晴らしい友人になれることをスタッフ全員が確信していました。
そんな想いでフェイスブックに載せられたバーナビーの写真を見てくれたのが、シーハン獣医センターのシーハン獣医師と妻のクラレさんでした。
「フェイスブックでバーナビーの写真を見たときに、私は彼の外観や年齢から獣医による多くのケアが必要だと分かりました」とバーナビー医師は語っています。
夫妻はすぐに愛護団体に連絡し、バーナビーの里親になりたいと申し出ました。
バーナビーは人間のことが大好きな猫ですが15歳の高齢猫で様々なケアが必要な状態です。
バーナビーにとってシーハン夫妻以上にふさわしい里親はいませんでした。
病院のスタッフとして活躍する
バーナビーはシーハン獣医師の病院に来るとすぐに精密検査や血液検査を受け、健康チェックも万全。
バーナビーはすぐに病院に慣れ、まるで以前からそこで生活していたように病院の中を歩き回り、病院の職員たちを見守る猫スタッフとなったのです。
病院の職員全員がバーナビーを大好きになったそうです。
お掃除をしているときは、ちゃんときれいに掃除できているか後をついてチェックするし、病院の獣医であるレイチェルさんがちゃんと本を読んでいるかひざの上で確認もします。
そんなことをしてくれるスタッフがいたら、仕事に来るのが楽しみですね!
シーハン獣医センターのホームページには、バーナビーがスタッフとして紹介されています。
バーナビーの紹介欄には「インターネットスター」とも書いてあります。
バーナビーは有名なのですね。
獣医師ならではのケアと愛情により猫生を楽しむ
バーナビーは抗生剤が投与され、ずいぶん体調が良くなってきているようです。
体重も増えて、ボロボロだった毛もかなりモフモフに改善されたとのこと。
バーナビーは15歳の高齢猫ですから、毎日細かな点にも気をつけてお世話をしてあげる必要がありますが、個性的で生命力と気力にあふれています。
バーナビーはシニア猫用のプレミアムフードやブラッシングが大好き。
そして、文句も言わず、ちゃんと薬も服用しているそうです。
しかし、時には食欲がなくなってしまう場合もあって、そんなときは看護師から食事と一緒にビタミン剤ももらいます。
パパとママからイケアのベッドをプレゼントされたバーナビー。
お気に入りだそうです。
バーナビーは瞳孔が開いたままになっているのですが、老化によってよく目が見えないせいだと考えられています。
老猫で厳しい生活を送ってきたバーナビーの体調は万全とは言えませんが、専門知識がある飼い主とスタッフにきちんとお世話されて、愛情に満ちた生活を送っています。
今のバーナビーは間違いなく幸せに違いありません。
獣医師でもあるシーハンさんはバーナビーにとって理想的な里親でした。
シーハン夫妻はバーナビーの写真を見たときにこの子のために何かしなければと思い、そしてこの小さな猫に心を奪われたのです。
「バーナビーの健康と幸せを守ることが私たちの目標です。バーナビーはこれまで大変な試練と苦難を経験しましたが、今は残りの猫生を幸せなものにするために獣医師である養父と私、そして病院のスタッフ全員がバーナビーを愛し、世話をしています」とシーハン獣医師の妻 クラレさんは話しています。
路上で生き抜いてついに訪れた安息の生活
野良猫から生まれた子猫、もしくは長い野良猫生活を経験した猫は、なかなか人間を信用できないときもあります。
バーナビーの様子から推察すると彼は、かつては人間に飼われていたのでしょう。そしてずっと人間への愛情を失っていませんでした。
その子が15年間路上で生き抜いて、最後に安全で愛情にあふれた家で過ごすことができるようになったことを心から嬉しく思います。
筆者もボロボロで動けなくなっていた老猫を保護したことがあります。
3月だったので弥生と名前をつけましたが、一緒に過ごせたのはわずか1日。
お腹いっぱい食べて、愛情を感じてもらう時間はありませんでした。
好きで野良猫になった子はいません。
みんな、温かい場所でお腹を減らすことなくぬくぬくと暮らしたいのです。
バーナビーに残された時間は少ないかもしれません。
でも、バーナビーはそのことをきっと恨んでいませんし、今の幸せだけを全身で感じていると思います。
長く過酷な生活の果てにバーナビーが温かい終の棲家を見つけられたことに涙が出てしまいます。
出典:lovemeow
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