
犬に服は必要なの? | 洋服のメリットとデメリットを検証
服を着る理由とメリット、デメリット
あちこちで見かけることが多くなった、可愛い服、オシャレな服を着るわんちゃんたち。
ペットショップやネットでも、たくさん販売されていて、1万を超える値段のものまであります。
犬には毛皮があるのに、服を着る必要があるの?と疑問に思う人も多くいるのではないでしょうか?
服を着るにはきっと他にも理由があるはずです。
メリットやデメリットを交えて、解説したいと思います。
犬が服を着るメリット
抜け毛が舞うのを防ぐ
病気が原因で抜け毛が多い犬や、もともと抜け毛が多い犬種には、服を着せてあげることによって、被毛の飛び散りを防げます。
今や、テラス席ならOKのカフェや全面OKのお店や公共施設が増えてきています。
でも全てがペット連れというわけでなく、中には動物を飼っていない人と一緒ということもあります。その中で抜け毛が舞い、人の服に付くのは、動物を飼っていない人からすると、とても不快なこととなります。
そうならないようにマナーとして服を着せると、防止することができます。
盲導犬や介助犬が服を着ているのは、そのためなのです。
虫さされ、怪我、病気の防止
散歩の時に草むらへ入ることで、虫に刺されたり、尖った枝に引っかかって怪我をしてしまうこともあります。
植物に触れて、皮膚の病気やアレルギーを発症してしまう子もいます。
そうなる前に、服を着せてあげることで、皮膚に直接触れることもなくなるため、怪我や皮膚トラブルの予防、虫に刺されにくいなどの、危険を回避できます。
怪我や、皮膚病の治療中、手術後などは、完治するまでは大体エリザベスカラーを使用しますが、カラーを負担に思う犬もいます。
そういった犬には、代わりに服を着せることによって、掻きむしったり、薬をつけたところを舐めたりする行為をしにくくなり、ばい菌が入るのを防ぐことができるため、悪化するのを防ぎ、回復が早くなります。
服の素材に注意が必要なため、どういったものが良いか、獣医さんに相談されるのが一番です。
今はエリザベスカラーに代わる、手術後の犬のための術後服があるようです。
寒さに弱い犬の防寒対策
自分の毛だけでは、寒くてブルブル震えている犬に服を着せることによって、防寒対策になります。
犬にはシングルコートと、ダブルコートの犬種がいます。
ダブルコートの犬種(ポメラニアン、コーギー、ハスキーなど)は、上毛(オーバーコート)と下毛(アンダーコート)の2層になっており、アンダーコートで熱を逃がさないようにしていますが、シングルコートの犬種(チワワ、ヨークシャテリア、ピンシャーなど)は一応二層構造にはなってるのですが、体温の保湿のためのアンダーコートがほとんどないので、とても寒さに弱いのです。
服はフリース生地やボア生地がオススメです。
毛があるからといって防寒対策をしてあげないと、逆にストレスの原因になります。
体の機能か発達していない子犬や、老犬 は体温調節をする機能が低下しやすくなり体温が低下しやすくなるので、体温調節のため、服を着せてあげましょう。
最近は人間と同じ生活をしていて、室内犬は、夏はクーラー、夜は暖房と、温度管理のされた部屋で過ごすようになりました。
その為、ダブルコートの犬でも、夏毛と冬毛とが生え変わる換毛期があやふやになってきており、冬の寒さに弱くなっています。
毛があるからといって防寒対策をしてあげないと、逆にストレスの原因になります。飼い主さんがよく観察し、震えているようなら服を着せてあげ、体温調節をしてあげてください。
汚れを防止
犬の洋服を着せることに、最も大きなメリットは毛を守ることです。
散歩に出かけると、必ず汚れてしまいます。
その度にシャンプーをするのは一苦労。特に足の短い犬種や小型犬は、地面に近いために汚れやすいです。
そこで服を着せると、服がカバーしてくれて毛の中に汚れが入っていかないようにする効果があります。
雨の日はレインコートを着れば、雨に濡れること無く、泥汚れからも守ってくれます。
また、体が濡れて体温が下がるのを防いでくれます。
夏の紫外線から皮膚を守る
だんだん紫外線が強くなってきており、犬の皮膚は人よりも薄いため、紫外線対策は必要です。
犬も人間と同じように日焼けします。
特に黒い毛の犬は熱を吸収しやすいため、熱射病になりやすいと言われています。
犬の服は人間でいう帽子の役目をしています。
服を着せることで、直射日光を防ぎ、体温の上昇を防ぐ効果があります。
今はUVカットの服やクール素材のベスト、保冷剤を入れられるバンダナが出ているので、そういったものもオススメです。
気をつける点は、水で服を濡らして冷却する場合、水分が蒸発する時に体温を上昇してしまうため、常に湿らせた状態にしておきましょう。
日中は暑くて、気温が落ち着いた夜に散歩へ行く家庭もあると思います。
夜の散歩では黒い犬は闇に紛れやすく、歩行者や自転車、車などに気づかれにくくなります。
反射板のついた服を着せることで、事故を防ぐことができます。
デメリット
慣れていない犬にはストレスになる
今まで服を着たことがないのに、突然、着せられるとストレスになります。
しかし、カフェや宿泊など、どうしても着なきゃいけない時がでてくるかもしれませんよね。
その場合は、まず袖のない服から慣れさせるようにしましょう。
着る時は、おやつをあげたり、お散歩大好きな子にはその都度、服を着させて、「服を着ると楽しいことがある」と良いイメージをもつようにすると、だんだん着てくれるようになります。
慣れるまでは無理は禁物。嫌がっている時は脱がしてあげて、飼い主さんが判断し、負担をかけないようにしてあげましょう。
服の飾りを誤食してしまう
今はリボンが沢山ついていたり、ボンボンやビジューなどの装飾がたくさん付いた、おしゃれな服がたくさんあります。
どれも可愛いのですが、装飾の多い服は、誤食につながります。
小さなものだと、飲み込んでしまうことも。
そうなると、飼い主も犬も辛い思いをしてしまいます。
でも、分かっていてもやっぱり可愛すぎて着せたい!って思いますよね。
その時は、誤食がないように飼い主さんがしっかり監視をして、取れかけているものはすぐに取るか、縫い直すかして、安全な状態にしておきましょう。
毛玉になりやすい
生地と被毛が擦れて、長い毛の犬は毛玉になりやすくなります。
脱いだ後はブラッシングをしてケアを怠らないように気をつけましょう。
服はデザインより機能性を
服選びとなると、可愛いものに目がいきがちですよね。私の愛犬も、オスなのに可愛いものを見ちゃいます。
でも、犬にとっては動きやすいかどうかです。動きにくいものだと、ストレスになります。
服のサイズも大切です。体にあっていないものを無理に着ていると、動きにくくて怪我をする危険性があります。
いかに動きやすくて機能性に優れているか。プラス、可愛いも備わっていれば、犬にも飼い主さんにとっても最高ですよね!
さいごに
犬の服はファッションとして可愛く着飾れるし、愛犬と一緒に出かけられる範囲も広がります。
着るのを嫌がらなければ、大切な愛犬の体を守るのに効果的に働いてくれます。
突然、服を着なければならない状況が来た時に嫌がり、無理に着せるとならないように、今から少しずつ慣らして大丈夫な状態にしておきましょう。
子犬の頃から着せていれば、それほど抵抗なく着てくれるようになります。
しかし絶対必要かどうかといえば、必要のない愛犬もいると思います。
メリット、デメリットを見た上で、飼い主が適切に判断しましょう。
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