
5年間家族を待ち続けた老猫の幸せな旅立ちにシェルターのスタッフは涙
5年間ずっとシェルターで家族になってくれる人を待ち続けた猫に、ついに里親になってくれる人が現れたとき、シェルターのスタッフは嬉しさのあまり涙しました。
5年間家族になってくれる人を待ち続ける
マーフィーはペンシルベニア・ユニオンタウンの動物愛護団体フェイエット・フレンズ・オブ・アニマルズに野良猫が多くいた場所から保護された高齢猫です。
保護された当初は緊張していたようですが、スタッフのたくさんの愛情と優しい世話のおかげで少しずつ施設の環境に慣れていきました。
マーフィーは静かに里親になってくれる人を待っていましたが、その間、仲良くなったシェルターの保護猫達が里親に引き取られるのを何回も見送りました。
マーフィーがシェルターで里親になってくれる人を待ちづけた年月はなんと5年間。
しかし、スタッフは諦めずにFacebookにマーフィーのことを書き続けました。
ついに運命の出会いが訪れる
スカーレット・ワーブルさんと子どもたちがシェルターに集めた寄付金を届けに来たとき、スタッフから施設を案内されました。
猫の部屋にスカーレットさんが入ったときに、すぐに目に入ったのがマーフィーの姿でした。
「マーフィーは円形の猫ベッドでうずくまっていました。マーフィーのことをスタッフに尋ねたところ、4年半以上もシェルターにいると教えられました」
とマーフィーと初めて合ったときのことを話すスカーレットさん。
マーフィーは老猫で歯がなく耳も切れていて、さらに年齢のせいか動きもスムーズではなかったために、スタッフは里親が現れないかもしれないと心配していたそうです。
「マーフィーは訪問客にとって人気がある猫ではありませんでしたが、スタッフは彼女のために柔らかい場所を用意してあげていました。
スタッフたちはマーフィーを愛してくれる家族がいないまま、残りの猫生を過ごすことになるのではないかと心配していました」
スカーレットさんがなでるとマーフィーはのどを鳴らしました。
スカーレットさんはマーフィーに強く惹かれましたが、すぐに里親になる決断はできませんでした。
なぜなら、家には7匹の猫と1匹の犬がいたからです。
しかし、スカーレットさんはマーフィーのことを忘れることができませんでした。
数ヶ月後に再び寄付を届けに行ったときに、猫の部屋を訪れました。
マーフィーがまだそこにいて、残された大切な時間を愛してくれる家族とではなく施設で過ごすことにスカーレットさんはたえられないと感じました。
スカーレットさんは家に帰って家族にマーフィーの里親になりたいという話をしたところ、家族もマーフィーが家族になることを賛成してくれたのです。
2017年7月8日、スカーレットさんと息子のアレックスくんはマーフィーの里親になるためにシェルターを訪れました。
「私が、マーフィーがケージの上にいるところを見つけると、“あなたを待っていた”というように前足を伸ばしてきました」
幸せな旅立ちに涙するスタッフたち
マーフィーがいよいよ施設を離れてスカーレットさんの家に行く日、シェルターの職員はみんな出てきてマーフィーの幸せを祈り、別れの言葉をかけました。
そして自分たちが世話をし、長い間家族を待っていた猫がついに「自分の家」を持ったことにみんなが涙しました。
シェルターのスタッフたちは、マーフィーの幸せを喜び、マーフィーの存在を気にかけてくれたスカーレットさんに感謝したのです。
15歳にもなる高齢猫が里親さんに希望されるなど本当にめったにないことです。
世界規模で話題になってもおかしくないと筆者は思います。
めったにないことではありますが、世界には優しい人がいて高齢猫であってもチャンスが有るのだと、気にかけてくれる人はいるのだと改めて思い出させてくれます。
先日あるお宅の前に片方の前足が欠損したシニア猫が捨てられ、知り合いのボランティアさんが保護しました。
譲渡会に参加したものの全く声がかからなかったのですが、あの子にも存在を気にかけてくれる人が現れないとも限りません。
マーフィーは5年もの間、待ち続けて幸せを掴んだのですから。
ずっとここにいていいのだと理解しているよう
「ずっとのおうち」に到着して、まずはスカーレットさんの寝室に連れて行かれたマーフィー。
キャリーから出るとすぐにベッドに寝転がったそうです。
マーフィーは経験豊かなシニア猫。
スカーレットさんは生後9ヶ月の愛犬カリシーと一緒に寝るのですが、マーフィーがカリシーの鼻にチョンするとカリシーがとなりで寝ることを許可したそうです。
犬と猫は仲良くもできますが、初対面でいきなり一緒に寝るというのはなかなかの精神の持ち主です。
「マーフィーは新しい猫の仲間にあいさつするなんてお手の物。シャーっと言ったりうなったりなど普通見せる態度を全くしませんでした。7㎏あるメインクーンの近くに行きその猫のご飯を食べ始めたのです。そしてメインクーンの方もそれを許してあげました」
とスカーレットさんはマーフィーを引き取ったときのことを伝えています。
さすがマーフィーは度胸が据わっています。
マーフィーは7匹の猫全員と仲良くなり、犬のカリシーともすっかり仲良しに。
マーフィーはスカーレットさんの家の環境にすぐに慣れ、ずっとここにいていいのだと分かっているように見えたそうです。
マーフィーの幸せにうれし涙するスタッフ
「マーフィーはソファーカバーを引っかいたり、大きな枕の上で寝たりします。
家の中をまるで火のように走ったり、エアコンの近くの気持ちの良い場所で寝たりするのも好きです。
夜になるとゆっくり私のベッドの上を散歩するし、私は背中や首をなでてあげるのです。」
マーフィーはシェルターのスタッフに愛されていたので、スカーレットさんはマーフィーの近況をひんぱんに送ってあげているそうです。
スタッフたちは元気で暮らしている様子に大喜びしています。
「5年間マーフィーの面倒を見て大切にしていたスタッフたちは、マーフィーが家族と残りの日を過ごせることを知って涙を流していました」
動物保護に関わっている人は、誰しも関わった子の終生の幸せを強く望んでいます。
そのために活動しているのですから。
譲渡された子たちが世話をしていた自分のことを忘れてもいいから、幸せに過ごしてほしいといつも筆者も思います。
譲渡後の連絡期間を過ぎても現在の様子を伝えてくれる里親さんもいて、いつも癒されます。
マーフィーの様子を聞いてうれし涙を流してしまう気持ちがとても良く分かります。
先日の譲渡会で以前に譲渡した子犬たちの里親さんが来てくれました。
山に捨てられていた子犬たちはすっかり大きくなり、つやつやピカピカでとってもきれいにしてもらっており、大事にされているのがよく分かりました。
その様子にとても癒されパワーをもらいました。
こういう瞬間に、動物保護ボランティアをやっていて良かったなと心から感じます。
出典:the dodo
出典:Love Meow
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