
大阪・海遊館~超巨大水槽にジンベイザメが泳ぐ都市型水族館~
海洋生物好きなら一度は行って見たいのが、大阪市港区にある「海遊館」です。延床面積2万7200平方メートル、屋内水槽の展示水量1万1000トンと、世界最大級の水族館です。
国内最速で年間来館者数5000万人達成し、現在も年間250万人も訪れる海遊館の魅力に迫ります。
海遊館ヒストリー

バブル初期の1988年より建設を開始
1988年に大阪ベイエリアの再開発を目的として、商業施設「天保山マーケットプレース」とともに、海遊館の建設が開始されました。
バブル経済の入り口である当時は、DCブランドの服に身を包んでデートをするのが流行。
女性は、本命やキープ(予備)や、アッシー(運転手)、メッシー(食事だけの関係)、ミツグくん(プレゼントをくれる人)を使い分け、「ベイエリア」や「ウォーターフロント」と呼ばれる湾岸の商業施設で遊ぶのが、最もオシャレといわれていました。

ネーミングは上沼恵美子さんが関与?
1989年には名称を一般募集しました。
その多くは「マリン○○」や「シー○○」など、ありきたりなネーミングが多く、選考委員の一人だったタレントの上沼恵美子さんが、大阪で行われた「夢工場」のというイベントを引き合いに、「漢字三文字の響きがいい」と、1票だけの応募であった「海遊館」をプッシュ。
現在の名称に決まったと言われています。

2位じゃダメですか?
1990年7月20日に待望のオープンを迎えます。
建物外観は三色の色分けられ、地と水と火の結合をあらわしています。
バブル終焉後、集客で苦戦するエンターテイメント施設が多い中、海遊館は、2008年2月26日に、日本の水族館史上最速(営業日数6,317日目)で入館者5,000万人達成しました。
2016年の入館者数は、沖縄美ら海水族館に次いで第2位、何度でも訪れたくなる魅力に溢れています。
主な生き物・見どころ

徐々に海底に潜っていく感覚になります
入館したらエスカレーターで最上階まで一気に上がります。
海遊館のすばらしさは、ジンベイザメやマンタなどの巨大海洋生物が悠々と泳ぐ、大きな水槽に尽きます。
地上8階建ての巨大なビルが丸ごと水族館で、そのうち4、5、6階の建屋中心に太平洋を再現した巨大な水槽が配置されているため、フロアを降りるごとにまるで海底に潜っているような感覚です。
大食漢なグルメ王「ラッコ」

近いうちに日本から姿を消す?
アリューシャン列島のコーナー最大の見どころは「ラッコ」です。
日本にも明治時代くらいまで生息していましたが、乱獲のため絶滅してしまいました。
水族館・動物園においても最盛期の9割程度、10頭ほどしか飼育されていないうえに、いずれも高齢のため、日本からラッコが完全に消える日は近いといわれています。
ちなみに「ラッコ」という和名は、アイヌ語から命名されています。
ラッコが食べる物は、ウニ、アワビ、エビなど。魯山人もビックリの美食家ですね。
それを1日に体重の4分の1から5分の1も食べています。愛らしいその姿は、「お食事タイム」で見ることができますよ。
癒しの笑顔を見せる「ゴマフアザラシ」

ニターっと笑っているように見えませんか?
身体にゴマのような模様があることからその名が付いた「ゴマフアザラシ」をモンタレー湾のコーナーで見ることができます。
アザラシの仲間は北極から南極まで世界中に分布していますが、ゴマフアザラシの生息地は北半球のみです。
丸太のような体形に目がいきがちですが、表情も愛くるしく、海遊館では潜ってくるところを見上げることができます。その表情は微笑んでいるようにも見え、とても癒されます。
超大型水槽とそれを実現した日本の技術

ここがビルの中なんて信じられません
6階から4階までは、深さ9m、最大長さ34m、水量5,400トンを誇る世界屈指の大水槽「太平洋」が出現します。
全長5mを超えるジンベイザメやマンタ、ハンマーヘッドシャークなどの大型魚が悠々と泳いでいるのですから、その大きさが想像できるでしょう。
この水槽に使われるアクリル板は厚さが約30㎝もありますが、それでいてこの透明度を誇ります。
香川県に本社を置く日ブラ株式会社が開発しました。館内にはアクリル板の断面が展示されていて、技術の高さに感心させられます。
まるで巨大な潜水艦「ジンベイザメ」

全身を写真に収めるのが難しいほど巨大
魚類最大の大きさを誇るジンベイザメは、10m以上にも成長しますが、それ以上大きくなると、釣り上げるクレーンも水槽も限界になるため、海遊館で飼育しているものは5m前後の個体を飼育しています。それでも迫力十分。
日本でジンベイザメを飼育している水族館は5か所のみなので、これを見に行くだけでも価値がありますね。
ショーを行わないというポリシー

カマイルカのありのままの姿を見てください
水族館といえばイルカやアシカなどのショーを行うところが多いですが、海遊館では「生き物の本来の姿を見せる」というポリシーから、ジャンプなどのショーは一切行っていません。
他の水族館では豪快なジャンプを見せるカマイルカも、本来の生息地に近い環境で泳ぎ回っています。
絶対に参加したい!名物の「各種ツアー」

ガイドさんが案内してくれます
開園15分前の静かな館内とバックヤードを見学する90分の「プレミアムツアー」と、飼育員の作業を見ながら海遊館のウラ話などを聞ける60分の「バックヤードツアー」、海獣をメインとした60分の「ツアーガイドA」、魚をメインとした60分の「ツアーガイドB」があります。
魚の餌やりでは、ジンベイザメに餌をあげる作業を見学しました。
あれだけ大きな身体なのに、オキアミというプランクトンが主食。他の魚を飲み込まないように、餌を網で口の中に入れてあげるそうです。
リピーターに支持される全天候・都市型水族館

2016年度の海遊館の入館者数は約250万人、その多くがリピーターだそうです。
都市型の水族館らしく、営業時間が20時までと遅いのも魅力。デートに最適ですし、夕方17時からは、館内の照明の色とB.G.Mを変え、光と音で演出した「夜の水族館」となるのでムードたっぷり。
もちろん家族連れや友達、ひとりで来ても一日中楽しむことができます。
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