こんにちは、あかつきです。

蒸し蒸しと暑い日が続きますね。猫ちゃんのルーツは暑い地方とはいえ、日本の蒸し暑さは、苦手な子が多く居るようです。

気温が30度、湿度が60パーセントを超えるような天気のときには、エアコンの冷房や除湿機能を用いて、快適に過ごさせてあげましょう。

 

さて今回は、愛猫の元気が何となくないように見えて不安….。こんな時もあるかと思います。

そういった時に、考えられる原因とその症状を知り、自宅で様子を見た方が良いのか、すぐにでも病院に連れて行った方が良いのか、早めの対応が出来るようにしましょう。

 

 

何となく元気がない?

猫は一日の大半を寝て過ごしていますが、そうだとしても起きているときは元気で食欲もあり、おもちゃで遊んだり、部屋中駆け回ったりするものです。

ただ、老齢の猫の場合は徐々に寝ている時間が長くなった、ということはあるかもしれませんが、老いという生理的なものの可能性もあるため、さほど心配することはありません。

 

ですが、名前を呼んでも反応しない、食事を出しても食べない、ベッドから出てこないなど、明らかに普段と違った様子で元気がなくなることもあります。

 

そのような時に、ただ『元気がない』だけでなく、どのような症状が見られるのかを把握しておくと、病院に連れて行ったときに、獣医師が病気の判断をするヒントにもなりますので、注意して見るようにしましょう。

 

 

病院に連れていくべき?あわせて確認した方が良い症状

では、元気がないときには、どのような症状が出るものなのでしょう。

 

代表的なものでは、

  • 疲れやすくなる
  • 食欲がなくなる
  • 何度も吐く
  • 咳をする
  • 下痢・血便をする
  • 尿が出なくなる
  • 触られるのを嫌がる
  • 呼吸が浅く苦しそうにする

などがあります。

何れも、普段から猫のことを見ている飼い主さんでなければ、気付いてあげられないことが多いと思います。

普段から食事量や飲水量、トイレの様子などをチェックして、すぐに気付けるようにしておきましょう。

 

では、それぞれの症状が出た場合、どのような病気が考えられるのでしょうか。

 

 

疲れやすくなる

猫が疲れやすくなり、ぐったりして寝ている時間が長くなっている場合、腎不全という腎臓の機能が低下し、老廃物や体内の余分なミネラルを体外に排出できなくなる病気の可能性があります。

慢性腎炎、尿路結石、ウイルス・細菌感染など、腎不全の原因は様々で、加齢によって発症する場合もあります。

多飲多尿となるため、尿自体の臭いが薄くなるという特徴もあるので、合わせて尿の状態も確認しましょう。

 

 

食欲がなくなる

食欲が落ち、動きたがらないことが多くなると貧血の可能性があります。

貧血は、血液中の赤血球が何らかの原因によって減少し、酸素が体内に十分に行き渡らなくなる病気です。粘膜や皮膚が青白くなり、呼吸が速くなるなどの症状も見られます。貧血の原因は様々ですが、多いのは猫白血病ウイルス感染症や寄生虫感染、ホルモンバランスの崩れなどが挙げられます。

 

また、食欲不振であり、嘔吐や発熱が見られる場合は、胃潰瘍の可能性があります。

胃潰瘍は、胃の粘膜が荒れ、潰瘍が出来ている状態です。慢性的な胃炎、腎臓疾患の他、寄生虫が原因となることもあります。また、薬剤やストレスによっても発症します。

栄養状態が悪くなるため、元気がなくなってきたり、胃に痛みがあるため、身体に触れられるのを嫌がる子も居たりします。

 

吐く、吐こうとする

猫自体は、よく吐く動物です。けれども、その「吐く」中には、危険な「吐く」も含まれています。

 

吐いても食欲・元気があり、排便排尿も正常で体重がキープできていれば、心配することはありません。

しかし、これまで吐かなかったのに、頻繁に吐くようになった、食欲にムラがある、軟便を伴う、痩せてきたなどの症状が合わせて見られる場合は注意が必要です。

急を要するものでは、意外と多いのがオモチャの誤食です。吐く、吐こうとして大量によだれを出す、突発的な食欲低下などが見られる場合は、誤食が疑われます。時間が経つほど消化管のダメージも大きくなってしまいますので、すぐに病院に連れて行ってください。

 

他にも、嘔吐と共に、下痢や発熱、けいれんなどの激しい症状を伴う場合は、ウイルス性の感染症や中毒性物質を口にした可能性があり、これも緊急性が高いです。

 

猫

 

 

 

咳をする

ゴミを吸い込んだりすると咳をすることがありますが、異物が取り除かれてしまえば咳は収まります。この場合の咳は心配の要らない咳だといえます。

しかし、なかなか咳が止まらない場合や、日常的に咳をしていたり、咳と合わせて「ゼーゼー」という音が聞こえたりする場合、痰が絡んでいるような湿った咳などは感染症や心臓病などの疑いがありますので、早めに動物病院を受診しましょう。

 

咳の他に、鼻水やくしゃみ、目ヤニ、発熱などの症状が現れている場合、猫上部気道感染症(猫風邪)の可能性があります。

ウイルス性鼻気管炎、カシリウイルス、クラミジアなどのウイルスや細菌が原因で起こります。

 

また、息が荒い、嘔吐や発熱などの症状が伴う場合は、トキソプラズマ症の可能性があります。トキソプラズマ症は人畜共通感染症で、人にも感染するため、注意が必要です。

心臓の筋肉が薄くなったり、厚くなったりするなどの異常が起こり、心臓の働きが弱くなってしまう心筋症の場合、咳をするほかに、元気がなく疲れやすい、息が荒い、食欲不振などの症状が見えます。

 

 

下痢・血便をする

下痢や嘔吐、血便がみられる場合は、細菌性腸炎の可能性があります。腸に細菌が感染し、炎症を起こしている状態で、一般的に食あたりと呼ばれる症状です。

下痢が続くと脱水症状となり、重症化する恐れもあります。

 

食あたりと聞くと生ものが思い浮かびますが、いつも食べさせているフードでも、管理の仕方が悪いことで発症することがあります。

フードの袋を開けたまま放置したり、開けた口を軽くゴムやクリップで留めたりするだけでは、酸化や湿気を促す素です。密閉性のあるストッカーに入れ替える、小袋に分かれた商品を購入するなどの保管方法で酸化や湿気を防ぐことが出来ます。

 

 

尿が出なくなる

猫の尿が出なくなる原因として、一番初めに疑うべきなのが下腹部尿路疾患です。

これは、キャットフードに含まれるマグネシウム等のミネラルが多いために結石となり、尿の通り道に詰まる病気です。尿が出ない症状と共に、下痢や嘔吐が見られる、痛みのせいで声を上げたり震えたりしながら尿を出そうとする子も居ます。

自然治癒で何とかなる病気ではなく、病院での投薬や手術が必要となります。疑わしいなら早急に病院に連れて行きましょう。

 

次に、膀胱の中で炎症を起こす膀胱炎も考えられます。

この場合、尿の色にも変化が現れます。もし赤茶っぽい色の尿が出ているなら、高確率で膀胱炎でしょう。前述の結石が膀胱に入ると、中で傷が付き血尿になることもあります。

 

また、ポッチャリな猫ちゃんの尿が出ない場合も膀胱炎が疑われます。

これは、体が大きく、重たいポッチャリさんは、水を飲んだりトイレに行ったりすることを面倒くさがることもあるため、結果、尿が濃くなる、結石等のせいで膀胱炎になる、尿が出ないという流れになることがあるからです。

 

前述した2つの泌尿器系の病気や、腎臓の病気が悪化すると、尿毒症という病気を併発します。尿毒症で尿が出ない状況になると、体内の有害物質を尿で外に出すことが出来ません。この状況が2日続くと、猫は命を落とすとされています。

もし、下腹部尿路疾患や膀胱炎のせいで、尿が出ていないなら、尿毒症を起こしているかもしれません。

 

丸1日尿が出ていないならば、早急に病院を受診しましょう。

 

 

触られるのを嫌がる

猫はセルフグルーミングが出来ますが、自分自身で手入れが出来ない長毛種の場合は、飼い主が手入れを怠ると毛玉が出来てしまい皮膚が引きつれてきて、痛みを感じて触られるのを嫌がるようになります。

その場合、ますます手入れが出来ず毛玉が出来てしまう…という悪循環を起こします。まだほぐせるほどの毛玉であれば、猫が痛がらないように丁寧にほぐしてあげましょう。

ほぐすのが難しい場合は、皮膚を切らないようにカットしてしまいましょう。

 

魚を主食としていてビタミンEを与えられていない猫にはビタミンE欠乏症が起こります。

これは脂肪組織に炎症を起こし、知覚過敏の症状が現れます。身体全体に痛みを感じるため、触ったり抱っこされたりを極端に嫌がります。ビタミンEの投与とバランスの良い良質なフードを与えることが必要となります。

 

突発的な事故で火傷をすると、パニックに陥って身体を触らせてくれません。この場合、タオル等で身体を包んで、病院に連れて行きましょう。猫が動けないほどの重症であれば、早急な受診が必要となります。

 

 

吸が浅く苦しそうにする

元気いっぱいだった猫が急に元気がなくなったり、呼吸が浅く苦しそうにしたりする場合は、横隔膜ヘルニアの疑いがあります。

横隔膜ヘルニアは、何らかの衝撃によって横隔膜が破れ、臓器が胸腔内に入り込んでいる状態をいいます。交通事故、高所からの転落によって起こることが多い病気です。

稀に先天性で、横隔膜に異常を持っている場合もあります。

 

 

まとめ

猫という動物は、単独行動を好む傾向があることから、自分が弱っていることを隠そうとする生き物です。

症状として明らかに分かるようになったタイミングでは、病気も相当進行している場合がありますので、小さな異変にも出来るだけ早く気付いてあげられるようにしましょう。

 

 

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