
愛猫に手作りご飯をあげたい!メリットや食材、始め方は?
猫の飼い主の皆さん、猫ちゃんにはどのようなご飯を与えていますか?
多くの飼い主さんは、手軽に栄養バランスの良い食事がとれるキャットフードを与えていると思います。でも、いつも同じフードだとなんだか味気ない…キャットフードはどんな成分が使用されているのかよく分からないし、本当に健康的なご飯なのか不安…と思うこともあるのではないでしょうか。
そんなときは、猫ちゃんに手作りのご飯を作ってあげるのはいかがでしょうか?
この記事では、安心・安全な手作りご飯ライフの始め方、注意点をご紹介します!
猫に手作りご飯を与えるメリットとは?
市販されているキャットフードは、手軽に安く購入することができ、たくさんの種類があります。しかし中には、肉食の猫にとって消化がしにくいといわれる穀物が大量に入っていたり、長期保存ができるように酸化防止剤が入っていたりなど、猫の体にとってあまり良くない食材や添加物が使用されているものもあります。
動物病院で販売されているフードは、良質な食材を用い栄養バランスも優れていますが、価格が高く、味の種類が少ないため好みでない場合食べてくれないこともあります。
手作りご飯の場合少し手間はかかりますが、何を食べているのか全て把握できるので、安心して食事を提供することができます。手作りご飯のメリットは以下の通りです。
メリット1:猫の体調に合わせた食事を与えることができる

手作りのご飯は、猫の体調や病気など状況に合わせた療法食を与えることができます。
たとえば、便秘気味なら水分が多めのご飯をあげる、ダイエット中だから低カロリーで満腹感のある食事をあげるなど、今その子に必要な食事を与えることができます。
また、毎日の猫の状態を考慮した上でメニューを決定するため、自然と観察力が身に付き、ちょっとした体調の変化に気付くことができるようになるので病気の早期発見にも繋がります。
メリット2:水分補給がしやすい

猫の体は60~70%ほど水分でできていますが、猫の祖先は、砂漠地帯で頻繁に水を飲むことができない状況の中で生活していました。現代の猫もその習慣が残っているため、飼い主さんが用意した水を積極的に飲んでくれないことがあります。
補給する水分量が少ないと、体から排出する水分量も少なくなってしまうため、尿の濃度が濃くなり腎臓に負担が掛かってしまいます。また、脱水症状を引き起こしてしまうと、内臓全体の働きに障害を与えてしまいます。
このように、猫にとって水分補給は非常に大切なものですが、ドライタイプのキャットフードには水分が10%ほどしか含まれていません。これに対して手作りのご飯は飼い主さんが水分の量を調節できるため、食事と一緒に簡単に水分補給をすることができるのです。
メリット3:愛猫とのコミュニケーションが深まる

愛情をこめた手作りご飯を与えることにより、猫は毎日のご飯タイムが楽しみとなり、飼い主さんは美味しそうにガツガツ食べている姿を見ることで大きな喜びを感じることができます。
少し手間はかかりますが、様々なメニューを食べさせることで、愛猫の味の好みや体質など、キャットフードでは気付きにくかったことも気付くことができ、手作りご飯を通してコミュニケーションや信頼関係を深めることができます。
おすすめの食材は?
猫の手作りご飯を作る際に一番重要なことは食材選びです。
猫は肉食動物なので、動物性のたんぱく質を中心としたメニューが望ましいです。
また、体内でタウリンを合成できないため、食事から摂取しなければ「タウリン欠乏症」という命に関わるほど大きな病気になってしまいます。
猫におすすめの食材と注意点は以下の通りです。
猫のタウリン欠乏症
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肉類
特に、高タンパク質・低糖質な鶏肉(胸肉・もも肉・ささみ等)がおすすめです。牛肉を用いる場合は赤身部分が望ましいです。
※生肉には、過熱をすれば死滅するはずの病原体や細菌がたくさん潜んでおり、食中毒を引き起こしたり消化器に影響を与えてしまうことがありますので、必ず過熱してから与えましょう。
魚類
魚は高タンパク質でタウリンが豊富に含まれているためおすすめの食材です。
※青魚に多く含まれている不飽和脂肪酸は、長期間の偏食により猫の体内の脂肪が酸化し、しこりを形成してしまう恐れがあります。適量を他の食材と共にバランスよく与えることが大切です。また、生の魚には寄生虫がいることがありますので、一度冷凍をするか火を通してから与えましょう。
卵
熱を通した卵には、良質なタンパク質が含まれています。
※生卵に含まれている成分がビタミンBのビオチンを分解し「ビオチン欠乏症」を引き起こしてしまう恐れがあるため、必ず過熱をして与える必要があります。
野菜・きのこ
野菜・きのこにはビタミンや食物繊維を補給することができ、腸内環境を整えてくれるため便秘解消など健康維持に繋がります。さつまいも・かぼちゃ・キャベツ・ニンジン・えのきなどがおすすめです。
※もともと肉食なので、野菜・きのこはそこまで必要な食材ではありません。大量に与えてしまうと健康を害してしまうことがあるので他の食材とのバランスを考えて与えるようにしましょう。
与えてはいけない食材に注意!
猫に与えてしまうと非常に危険な食材があります。誤って与えてしまうことがないように注意が必要です。特に、ネギ類(タマネギ、長ネギ、ニラ等)は、溶血性貧血や嘔吐、下痢などを引き起こし重症の場合は死亡することがあるため、ネギ類が含まれているスープなどにも注意が必要です。
人にとって健康的な食材だと猫にも良さそうな食材と勘違いをしてしまいそうですが、絶対に与えることがないように気を付けましょう。
その他、猫の体に害を与えてしまう食材は、以下の記事に記載しています。
猫に必要な栄養素は?食べさせてはいけないものはある?
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手作り食を始めてみよう
猫は子猫のときに口にしたことのないものは、大人になってからも食べたがらない傾向があるので、手作り食を与えたいなら生後6か月までに与えるのがベストです。
様々な風味や舌ざわりのご飯を与えることで嗜好性が広がりますので、乳歯が生え始める生後3~4週齢頃から離乳食として手作りご飯を開始できるといいでしょう。

成猫になってから手作りご飯に変えるときは、好みが固まってしまっている場合が多いので地道な努力が必要です。また、急に切り替えてしまうと胃腸に負担が掛かり下痢をしてしまうこともあります。
成猫になってから手作りご飯に移行する場合は、以下のステップに沿って始めてみてください。
まずはキャットフードにトッピングから
まずはキャットフードに少しずつトッピングすることから始め、少しずつ慣らしていきましょう。
少量の肉や野菜のみじん切りなどをキャットフードに混ぜ合わせ、問題なく食べてくれるようでしたら、徐々に肉や野菜などの割合を増やしキャットフードは減らしていきます。
だんだん猫ちゃんの好みの食材、嫌いな食材が分かってくると思いますので、その都度記録しておけば完全手作りご飯に移行するのが楽になります。猫ちゃんの体調や様子を見ながら時間をかけてゆっくりと試していきましょう。
週1回からの手作り食を始めてみよう
キャットフードにトッピングをしたご飯を問題なく食べてくれるようになったら、猫ちゃんの好みも大体わかってきている頃だと思いますので、いよいよ手作りご飯を始めるときです!
ただ急に移行すると全く食べてくれなかったり、体に負担が掛かったりしてしまいますので週1回から始めてみましょう。初めての方でも簡単にできるレシピをご紹介します。
◆簡単レシピ①~具沢山スープ~◆
材料
- 魚や肉(鶏肉、ささみ、マグロ等なんでも可)
- 野菜やきのこ
- 鰹節
手順
- 魚や肉は食べやすい大きさに切り、野菜・きのこはみじん切りする
- 鰹節でダシを取り、1の食材を柔らかくなるまで煮る
- 猫が食べやすい人肌程度~常温くらいの温度に冷ましたらできあがり!
◆簡単レシピ②~ハンバーグ~◆
材料
- ミンチ(種類は何でも可)
- 野菜やきのこ
- 溶き卵
- オリーブオイル
- チーズ少々
手順
- 野菜やきのこはみじん切りする
- よくこねたミンチの中に1と溶き卵を少量入れて、混ぜ合わせる
- ハンバーグのたねができたら、熱したフライパンにオリーブオイルを入れ、
食べやすい大きさに形成したハンバーグを両面軽く焼き目が付くまで焼く。 - 最後に、チーズを少量トッピングしたらできあがり!
総合栄養食で栄養を補おう
手作りのご飯を毎日与えるには栄養の専門知識が必要となり、総合栄養食のキャットフードと同じくらい栄養バランスの取れたご飯を与えるのは非常に難しいことです。
手作りのご飯は週1~2回にして、総合栄養食のキャットフードで栄養を補いましょう。毎日頑張って作らなきゃと気負いせず、栄養面を考えて定期的に継続して作ってあげることが大切です。
まとめ

猫が元気に暮らしていくためには、健康的な食生活が重要となります。
キャットフードだけの生活から一歩踏み出し、手作りご飯に挑戦してみてはいかかでしょうか?レシピを考えたり、調理したり、少し大変な面はありますが、キャットフードでは味わえない愛情がこもった美味しいご飯で猫ちゃんとの絆を深めてください。
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