
『薬膳』を取り入れてペットと一緒に美味しく健康に!
日中はまだまだ暑さを感じますが、朝晩は涼しくなってきましたね。
食欲の秋!実りの秋!が近づいてきたようです。
季節の変わり目、何となく不調…と感じることはありませんか?
秋に関わらず季節の変わり目は、身体と心のバランスを崩しがちです。
そこで!いつもの食事に「薬膳」を取り入れてみませんか?
身体は季節に合わせて変化します
犬にも夏バテはある?
夏の疲れが内臓に残っていると、消化能力が低下して食欲がなくなってしまいます。
また、朝晩と昼の気温差から、風邪をひいたり急な冷え込みで下痢をしたりすることもあります。
そして、日照時間が短くなり気温が下がってくると始まる換毛期。いつも以上にエネルギーが必要とも言われています。
最近では、一年を通して色々な食材を食べる事が出来るようになりました。
しかし、旬の食材は、季節に合わせて変化する不安定な身体と心を整えてくれます。
旬の食材や身近にある食材を目的に合わせて取り込んで、美味しく健康になりましょう。
それが『薬膳』の考えです。
薬膳の基本~陰陽五行説~
陰陽説
中国古代哲学の概念です。
自然界に存在する全てのものは「陰」と「陽」に分かれています。
陰 | 陽 |
太陽 | 月 |
男性 | 女性 |
昼 | 夜 |
背中 | 腹 |
上記の表はほんの一部ですが、このように、陰と陽は対立する関係を持ちながらも、
互いに支え合いバランスを取っていると考えられています。
五行説
自然界全てものは「木」「火」「土」「金」「水」の5つに分類され、それぞれが作用し合って、相手を助けたり抑制したりしています。
自然界と人体を五行に分類し、表にしたものが「五行色体表」です。
この表は、病気や食事を考えるときのヒントになります。
五行色体表
五行 | 五臓 | 五腑 | 五官 | 五主 | 五華 | 五季 | 五色 | 五味 |
木 | 肝 | 胆嚢 | 目 | 筋 | 爪 | 春 | 青 | 酸味 |
火 | 心 | 小腸 | 舌 | 血脈 | 面色 | 夏 | 赤 | 苦味 |
土 | 脾(膵) | 胃 | 口 | 肌肉 | 唇 | 土用 | 黄 | 甘味 |
金 | 肺 | 大腸 | 鼻 | 皮毛 | 毛 | 秋 | 白 | 辛味 |
水 | 腎 | 膀胱 | 耳 | 骨・髄 | 髪 | 冬 | 黒 | 鹹味 |
※鹹味(かんみ)は塩辛い味のことです。
例えば…
「五臓」の「肺」が弱くなると「大腸・鼻・皮毛」に症状が出やすくなります。
また、「秋・白・辛味」とも関係があるので、秋には白くて辛味のある食材を食べると良いと言われています。
秋の薬膳
湿度の高かった夏が終わり、秋は空気が乾燥します。
乾燥の影響を受けるのが『肺』です。秋は『肺』を労わると良いとされています。
肺は、呼吸器系の他に大腸の働きとも関係があります。大腸は水分を吸収する臓器。
ですから、肺が渇くと咳が出やすくなるだけではなく、皮膚や髪(毛)も乾燥・便秘にも注意が必要です。
秋は、白い食材と辛味のある食材がおすすめです。
白い食材は身体を潤します。
大根・山芋・里芋・レンコン・百合根・卵・牛乳・豆乳・豆腐・豚肉…など
辛味のある食材は、余分な水分を排泄してくれる作用があります。
大根・ネギ・生姜…など
そして、梨・柿・ブドウなどの秋が旬の果物は、肺に潤いを与えてくれます。
今回は、『山芋』と『冬瓜(トウガン)』を使ったメニューをご紹介します。
~山芋で目指せ美肌・美髪(毛)!まだまだ暑いぞ冬瓜スープで暑さを乗り切ろう!~
山芋のお好み焼き
〈材料〉
山芋 250g
出し汁 150㏄
小麦粉 20g(米粉でもO.Kその際は水分量に注意です)
卵 1個
キャベツ 35g
紅ショウガ 10g(黒人参を煮出して梅酢を加えたものに、千切りの生姜を一晩漬けた物)
豚肉 40g
鰹節 適量(トッピング)
※量はうちの子に合わせたもので、あくまでも目安です。
〈作り方〉
- ボールに出し汁・卵・小麦粉・すりおろした山芋を入れて、生地を作ります。
- 出来た生地から70g取ります。これが、わんこの分(2枚分)で残りは人がいただきます。
- 生地に豚肉とキャベツと紅ショウガを混ぜて焼きます。
- 焼きあがったら鰹節でトッピング。
冬瓜スープ
〈材料〉
冬瓜 100g
出し汁 200㏄
生姜 少々
人参 10g(トッピング)
オクラ 1本(トッピング)
卵 1個(トッピング)
〈作り方〉
- 出し汁に、冬瓜と生姜を入れて柔らかくなるまで煮ます。
- 柔らかくなったら冷まして、フードプロセッサーまたはミキサーにかけます。
(形が少し残る程度)
- 器に入れトッピングを盛り付けて完成。
食材説明
〈山芋〉
「食料でもあり薬でもある」と言われています。
肺を潤す作用があるので、のどの乾燥や痛みを防ぎ、風邪予防には効果的。
胃腸の機能を高めてくれる働きもあるので、内臓から元気をつけてくれます。
そして、乾燥肌をしっとり潤いのある肌にしてくれる作用もあります。
美肌・美髪(毛)を目指すなら、黒ゴマと一緒に食べるのがおすすめです。
〈冬瓜〉
旬は夏ですが、冬まで保存がきくことから「冬瓜」と呼ばれています。
身体にこもった熱を取り、水分を補う働きがあります。利尿作用もあるので、身体のむくみも取ってくれます。
夏の暑さを癒してくれますが、身体を冷やす食材です。生姜や唐辛子などの身体を温める食材と組み合わせてバランスをとりましょう。
〈キャベツ〉
胃腸を整え、虚弱体質を改善する働きがあります。
サラダから炒め物、煮物まで用途が広く、様々な料理に取り入れることができます。
〈生姜〉
身体を温める効果は抜群。冷えに伴う症状改善に役立ちます。
肺の働きを補うので、のどの痛み・止まらない咳などの症状を緩和します。
〈豚肉〉
疲労回復では有名な食材。
水を作って体内を潤す働きもします。ですから、口やのどの渇き、乾燥肌・空咳・乾燥による便秘など、身体の乾燥が原因の症状を改善します。
〈卵〉
完全栄養食品
白身の部分に身体の渇きを抑える作用があります。肺を潤して、咳やのどの痛みを鎮める効果があります。
〈オクラ〉
水を作り身体の渇きを潤す働きをします。
山芋と一緒に食べると、消化吸収がよくなりスタミナアップになります。
〈人参〉
眼精疲労・ドライアイなど、目のトラブル改善におすすめの食材です。
水を補う作用があるので、乾燥を解消してくれます。
まとめ
我が家では、犬と人間が同じ食材の物を食べています。
一緒の物を食べられるのって幸せです。
今回も、犬と人で味付けだけを変えて「山芋のお好み焼き&冬瓜スープ」を作りましたが、わんこの方がちょっぴりトッピングが豪華でした(笑)
薬膳は難しくないですよ。食べ合わせを見ていると、昔おばあちゃんが出してくれたメニューだったり…。自然と生活の中に入っているものなんです。
意味を知って意識して取り入れることで、効果は高くなるのかなと思います。
ペットも一緒に美味しく健康に!参考になれば嬉しいです。
《参考》
黒人参を煮出したものに、酢やレモン汁をちょこっと入れると黒からピンクに変色します。
我が家では、着色する時に使っています。
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