
親友だった老猫を失い悲しみに暮れる犬を癒したものは?
大の親友だった犬と老猫
フローラは45kgもあるマラミュートです。
フローラの親友は22歳の猫 デクスター。
フローラは元保護犬です。
元の飼い主からは大切にされずBest Friends Animal Societyによって保護された後に、ジル・ウィリアムズさんの家族となりました。
デクスターもまたBest Friends Animal Societyから20歳の時にジルさんの家に家族として迎えられた元保護猫です。
ジルさんはBest Friends Animal Societyのマネージャーです。
20歳といえばかなりの高齢猫ですから、そのような理由もあってジルさんのお宅に引き取られたのでしょう。
ジルさんのお宅に引き取られたデクスターには運命的な出会いが待っていました。
デクスターはフローラよりかなり高齢でしたが、フローラは家族になった瞬間からデクスターのことが大好きになりました。
デクスターもフローラが大好き。
20歳になってから最高にウマの合う友達に出会えたのです。
親友のデクスターを失ったフローラ
フローラとデクスターはいつも一緒。
楽しく穏やかに毎日を過ごしていましたが、デクスターは22歳で虹の橋を渡りました。
保護猫だったデクスターのこれまでの猫生は、もしかしたらあまり幸せでなかったかもしれません。
しかし最後の2年間は紛れもなく幸せだったでしょうし、フローラと過ごした時間はデクスターの心を癒したでしょう。
人間ならこんな風に考えることもできます。
でもフローラには分かりません。
毎日寄り添っていたデクスター。
出会ったときから大好きになった親友をある日突然失い、フローラは悲しみに打ちひしがれます。
デクスターと一緒にいるときのフローラの幸せそうな顔がどんなに親友のことが大好きだったか物語っています。
「フローラは悲しがり不安定になりました。彼女はうろうろと歩き回り、泣くように吠えました。長い時間を外で過ごし、家の中に入ってこようとしません。本来、フローラはめったに吠えたりしない子です。その様子に私たちも心が痛みました」
一緒に暮らしていた仲間が亡くなってしまったときに、すぐに元の生活に戻る子もいれば、なかなかその不在に慣れない子もいます。
筆者の実家の柴犬も、仲良くしていた猫が亡くなったときに3日間猫を探し回りました。
猫がいそうな場所に頭を突っ込んだり、遊んでいた場所に何回も行ってみたりする様子にはこちらも涙が出てしまいました。
こんなときに言葉が通じないことは本当にもどかしいものです。
新しい猫が家族になるも孤独のまま
フローラの元気のない様子に、飼い主のジルさんはフローラを励ますために、新たに2匹の猫を保護施設から迎えました。
亡くなったデクスターはフローラとくっついたり、フローラに抱きしめられるのが好きでしたが、新しく家族になった2匹は残念ながらそうではありませんでした。
猫もそれぞれ個性がありますからそこは仕方がありませんが、そのためフローラは新たな家族を迎えても寂しい気持ちのままだったのです。
4匹の子猫が孤独な心を癒す
2017年の8月にジルさんは保護された子猫を育てるために家に連れてきました。
イギー、ボーウィー、ロキシー、グラマーと名付けられた子猫たちは、とても甘えっこで好奇心旺盛。
遊び好きでたくさんいたずらをする元気な子猫たちでした。
ジルさんはフローラのために子猫を連れてきたわけではありませんでしたが、子猫たちが家に到着した瞬間からフローラは元気を取り戻したのです。
数日後、子猫たちがお家に慣れた頃にフローラも直接対面できることに。
4匹のうちでも勇気のある子猫イギーは、初対面でフローラに鼻チョン。
「フローラは優しく顔を子猫たちのほうに下げ、子猫に顔を合わせるとうれしそうに笑ったのです」と子猫たちと出会ったときの様子を語るジルさん。
フローラが優しい犬であることが分かるとほかの子猫たちも次々あいさつに駆け寄ってきたそうです。
少し怖がりな子猫のグラマーも、恐る恐るながらフローラに鼻チョン。
グラマーがフローラのことを何度もクンクン嗅いで確かめる間、フローラは小さな友達を驚かさないようにじっとしていました。
すでに、フローラは子猫たちに夢中だったのです。
本当にうれしそうなフローラ。
デクスターと一緒だったときの笑顔が戻ってきました。
「グラマーはフローラによじ登ってきて、耳や目のあたりのにおいをかぎました。フローラは笑顔を浮かべてじっと横たわっていたのですが、その様子はとてもかわいらしいものでした」
子猫たちのママになる
小さな子猫達は本当に犬のママが大好き。
子猫たちはどこに行くにでもフローラの後をついて歩き、フローラは今や喜びに満ちた毎日を送っています。
フローラは子猫と一緒に遊んだり、見守ったりしながらできるだけ多くの時間を子猫たちと一緒に過ごしているそうです。
「彼らはとても素晴らしい子猫たちです。大きなママ、フローラが子猫たちをかわいがっている様子は私の心を温かくしてくれます」と語るジルさん。
子猫たちはまだ幼いので、さすがにフローラと子猫だけにしておくわけにはいかないのですが、ジルさんができるだけ子猫たちのいる部屋で仕事をするようにすることでフローラと子猫との時間を確保しています。
意図せず子猫たちがフローラを大好きになってくれて、フローラが元気を取り戻したことに飼い主であるジルさんの心も癒されたことでしょう。
大切な愛犬の元気がない様はそれだけで悲しいものです。
本当にペットを愛する人なら、笑顔になってくれるならできるだけのことをしようと考えるでしょう。
フローラのさびしかった心を満たした子猫たち。
彼らの存在のおかげでもうフローラは孤独ではありませんでした。
子猫たちは、いずれは里親さんのもとに行ってしまいます。
そのときフローラはやはり寂しい思いをするかもしれません。
しかし、フローラには子猫の面倒を見る才能があるのでこれからも保護された子猫たちをかわいがることになるだろうとのこと。
きっとそれは、フローラにとって幸せなことであり、フローラの愛情を受けて育つことができる子猫にとっても素晴らしい経験になるでしょう。
フローラはこれからたくさんの子猫が幸せになる手伝いをするのですね。
願わくば、お別れしなくてもいい、ずっと一緒にいられるフローラのことを大好きになってくれる猫ともう一度出会えることを祈ります。
出典:Instagram @florathemalamute
出典:Love Meow
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