
【さんま】食材の持つ『味』で身体を元気にしよう! ー『薬膳』を取り入れてペットと一緒に美味しく健康に!第2回
日中の暑さも和らぎ始め、食品売り場には秋の食材が次々と並び始めましたね。
夏の間に失った水分を補い、秋の乾燥から潤いを守り、身体を夏モードから秋モードにチェンジしましょう。
今回は、食材の持つ『味』で身体を元気にしよう!ということで、秋の食材の『辛味』についてお話します。
五味
薬膳では、季節ごとに影響を受ける五臓の働きを補うために、五行に基づき食材を五つの味に分類します。これを『五味』と言います。
五行色体表
五行 | 五季 | 五味 | 五臓 | 五臓 |
木 | 春 | 酸味 | 肝 | 胆嚢 |
火 | 夏 | 苦味 | 心 | 小腸 |
土 | 土用 | 甘味 | 脾(膵) | 胃 |
金 | 秋 | 辛味 | 肺 | 大腸 |
水 | 冬 | 鹹味 | 腎 | 膀胱 |
味を舌で感じるだけではなく、身体に及ぼす作用によっても分類されるため、実際の味覚と異なることもあります。また、食材によっては一つの味だけではなく、複数の味を持っているものもあります。
秋には辛味
秋には辛味食材を食べるといいですよ、といわれています。辛い物を食べると、汗をかいて新陳代謝がよくなり食欲増進…なんてイメージがありますが、どうなのでしょうか?
秋の乾燥した空気を吸い込むと、肺や呼吸器への負担は大きくなります。
辛味食材には、肺と大腸を乾燥から守り、助ける働きがあります。
辛味食材を食べると、発汗作用が働き余分な水分や老廃物を汗として出してくれます。その作用によって乾燥を防ぎ、潤いを守ってくれるのです。潤いがあることによって、ウィルスの侵入を防いでくれるので、風邪をひきにくい、ということになります。
また、気の流れ(エネルギーの流れ)が促されることによって元気やヤル気が出たり、熱やストレスなどの発散を助ける働きもあります。
辛味食材の食べ過ぎや辛味が強すぎる物を食べると、身体の潤いが失われ乾燥したり、肝臓に負担をかけたりすることもあります。水分を生みだす効果があり、秋に旬を迎える甘酸っぱい食材の梨、柿、ぶどう、すだちなどを一緒に摂りましょう。
発散の時には身体の熱が奪われ体温が下がります。身体を冷やし過ぎないために、身体を温める食材を一緒に摂りバランスを取る必要があります。
辛味食材
香辛料やネギ、生姜、わさびなどの薬味の他にも、大根、ニラ、里芋なども辛味食材になります。そして、ビールを除く日本酒、焼酎、ワインなども辛味食材なのですよ。
秋の薬膳メニュー
鮮魚店に『さんま』が並び始めると、秋が来たなぁ~と感じる方も多いのではないでしょうか。
さんまの塩焼きに大根おろしとすだちを添えていただく。とてもシンプルなメニューだけど食材そのものを味わう。昔から変わらないスタイルの中には、美味しさと健康が詰まっています。
今回は『さんま』を使って…
~胃腸の疲れを取り秋本番へ!身体も心もほっこり『さんまのつみれ汁』~
をご紹介します。
さんまのつみれ汁
〈材料〉
~つみれ~
さんま 2尾
★たまご 1個
★生姜汁 大1
★味噌 大1
~汁の具~
大根 30g(下茹でしておきます)
人参 15g(下茹でしておきます)
ごぼう 10g(下茹でしておきます)
水菜 20g(トッピング用、下茹でしておきます)
玄米 適量(お米はあってもなくてもO.K麺類でもO.Kです)
〈作り方〉
- さんまの骨と内臓を取り除き、ぶつ切りにします。気になる小骨があったら取り除いてください。
- さんまと★(たまご、生姜汁、味噌)をフードプロセッサーにいれてかけます。包丁で細かく叩いてなめろうのようにしてもよいですし、すり鉢を使ってもよいです。
つみれの完成です。
完成したつみれから30gが犬の分。残りは人間用です。
- 出し汁を入れた鍋につみれを入れて火が通るのを待ちます。
- 火が通ったら野菜も入れて味を染み込ませます。
- 出来上がったら器に盛って、トッピング用の水菜をのせて完成です。
食材説明
〈さんま〉五味:甘
代表的な秋の味覚です。
「薬の魚」と呼ばれるほど、様々な効能を持っています。
特に胃腸の働きを高め、滋養強壮にも効果があります。血合いの部分には精神を安定させる成分が含まれています。
大根との相性は最高で、一緒に食べるとさんまの栄養を効率よく摂取することができます。
〈大根〉五味:甘・辛
春の七草のひとつ「すずしろ」古くから食べられている野菜です。
消化作用が高く、胃もたれ、胸やけ、便秘の改善に効果があります。呼吸器官も整えてくれます。
はちみつ大根シロップ(はちみつに大根を漬けて出来た液体)は、咳を緩和してくれます。私事ですが、小さい頃風邪をひいて咳が止まらなくなると、祖母が作ってくれました。
〈ごぼう〉五味:苦
中国では古くから薬として使われています。日本に入ってきてから食用化されました。
食物繊維が豊富なので腸を整えてくれる食材として有名です。身体の熱を冷ます働きをするので、熱を持った腫物や吹き出物などを改善してくれます。風邪の予防にも効果があります。
〈水菜〉五味:甘・辛
京菜とも呼ばれ、古くから食べられてきた伝統野菜です。
身体に必要な水分を補う働きをするので、身体を潤し乾燥から守ってくれます。
熱を冷ます働きもしてくれます。
〈味噌〉五味:甘・鹹
「火傷には味噌を塗る」という言葉があるように、味噌には熱をとる働きがあります。
身体の中にある余分な水分を排出してくれるので、むくみにも効果があります。イライラも解消してくれます。
〈玄米〉五味:甘
元気とエネルギーの源です。
胃腸を元気にして、消化吸収能力を回復させる働きがあります。疲労回復や便秘予防の他に、イライラを解消する作用も持っています。
〈その他〉
卵 五味:甘
人参 五味:甘・辛
生姜 五味:辛
まとめ
今回のつみれは、つなぎは卵のみにしました。きれいな丸い形にはなりませんでしたが、口の中ですぐに溶けてしまうようなつみれが出来ました。
年を重ねたペットや食欲がないなぁ…という時も食べてもらえたらいいかな?と思いやわらかいつみれにしました。
人間用のつみれ汁にはネギをたっぷりのせていただきました。
改めて、昔の生活の知恵、おばあちゃんの知恵はすごいな…と思いました。
ちょっと冷えそうな夜に食べてもらえると嬉しいです。
お話はその辺にして、ご飯ください。
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