初めて犬を飼う人にとって気がかりなのは、日々のお世話はもちろん、季節ごとの過ごし方ではないでしょうか。

 

とくに、これから冬に向けて肌寒くなる日々が増えてくるため、この時期の愛犬のお世話や過ごし方などとても気になるところです。この記事では、秋から冬にかけて、どのような生活環境を作れば愛犬が快適に過ごせるかをご紹介していきます。

 
 

季節の変わり目は、犬たちも体調を崩しやすい

 

ぐったりしている犬

 

私たち人間は、季節の変わり目になると体調を崩しやすくなります。とくに秋から冬にかけては、急激な温度変化に体がついていけず、自律神経の乱れからだるくなったり、風邪を引いたりという経験があるのではないでしょうか。季節の変わり目に体調を崩すのは、私たち人間だけでなく犬も同じです。

 

犬の場合、体調を崩すと以下のような症状が現れます。

  • 元気がない
  • 食欲がない
  • 下痢をする(心当たりなしの場合)
  • 散歩を嫌がる

2~3日など短期間であれば様子を見ても問題はありませんが、上記のような状態が続く場合は、動物病院を受診した方が良いでしょう。

 

犬が寒さを感じているサイン

 

犬が快適に過ごせる温度は、気温20℃前後・湿度40~60%と言われています。
そのため、愛犬が過ごす環境が20℃以下になる場合は、何かしらの寒さ対策をしてあげることが必要になります。

 

ここで気になるのが、犬が寒さを感じているときのサインです。私たち人間も寒さを感じるとブルブルと震えますが、犬も同じ行動をします。震えることにより筋肉を動かし、自分自身の体温を上げようとしているのです。
このサインを見過ごしてしまうと体調不良に繋がりかねません。

 

またこの他にも、

・体を小さく丸める
・人の近くや暖かいところに行く
・飲水量が減る
・散歩に行きたがらない

といった様子も、犬が寒さを感じているサインになりますので、よく観察してあげましょう。

 

寒さに弱い犬種は?

寒さの感じ方は犬種によって違います。より地面に近く冷気を感じやすい小型犬は、中型犬や大型犬よりも寒さに弱い傾向があります。
個体差はありますが、そのほかにも寒さに弱いとされる犬種を以下に挙げましたので、参考にしてみてください。

 

原産が南方の犬種

犬は、犬種によって原産地が異なります。

 

たとえば、原産地が北方の犬種(シベリアン・ハスキー、ゴールデン・レトリーバー・柴犬・秋田犬)などは、寒さに強い犬種として知られています。
以下に挙げるような原産地が南方の犬種は、暑さには強いですが寒さには弱いという特徴があります。

  • チワワ
  • マルチーズ

 

シングルコートの犬種

犬の被毛の形態として、ダブルコートとシングルコートという2種類があります。

 

ダブルコートは、太くて固いオーバーコートと綿毛のようにふわふわとしたアンダーコートの二層構造になっているので、寒い冬でも暖かいのですが、シングルコートは、アンダーコードがわずかしかありません。そのため、シングルコートの犬種は、基本的に寒さに弱い傾向があります。

 

代表的なシングルコートの犬種は以下の通りです。

  • ヨークシャーテリア
  • プードル
  • パピヨン
  • シーズー
  • グレートデン
  • グレーハウンド
  • ボクサー
  • ビーグル

 

特に毛が短い犬種

以下のような、短毛種の中でも特に毛の短い犬種はとても寒さに弱いです。必ず寒さ対策をしてあげてください。

  • イタリアングレーハウンド
  • ミニチュア・ピンシャー
  • ウィペット

この他に、体温調節機能がまだしっかりとできない子犬や老犬、療養中の犬も、寒さには要注意です。

 

シーン別・犬の寒さ対策

 

それでは、季節の代わり目である秋から冬にかけて、どのような寒さ対策を行えば、寒さに弱い犬は快適に日々を過ごすことが出来るのでしょうか。ここでは、各シーンに合わせた寒さ対策をご紹介していきます。

 

室内飼育編

最近では、犬を飼う多くのご家庭が室内飼育をしているかと思います。自宅での寒さ対策の方法をお伝えします。

 

カーペットの上の犬

 

暖房器具はどれが適切?

暖房器具には、エアコン・ホットカーペット・ペット用カーペット・ヒーター・ストーブなどがあります。
この中でも利用率が高いのが、エアコンです。設定温度は20℃~25℃くらいを目安にしましょう。

 

ただしエアコンを使用すると、暖かい空気は上層部にたまりやすく、下層部は冷たい空気がたまりやすくなるため、サーキュレーターを併用するのもおすすめです。床に近いところにいる犬にも暖かい空気がいきやすくなります。

 

また冬は乾燥しがちなので、室内の湿度を40~60%に保てるように、加湿器などを使用することも大切です。
加湿器がない場合は、濡れたバスタオルを1枚かけておくと加湿器の代わりになります。

 

ホットカーペットやペット用カーペットなどもありますが、低温やけどの危険性があります。温度が熱くなりすぎないように設定をするのはもちろん、必ずカーぺットがないスペースを作り、暑くなったら涼めるようにしてあげましょう。

 

一方ヒーターやストーブは、一定の場所しか暖まらない他、犬が近くに寄りすぎることでやけどをする危険性もあるので、出来れば避けた方が良いでしょう。

 

温めグッズを活用

暖房器具などの電気製品の他にも、手軽でコストのかからない温めグッズを活用してみましょう。

 

たとえば、湯たんぽです。湯たんぽであれば電気代もかかりませんし、熱すぎない快適な温度で犬の周りを温めてあげることができます。寝るときや留守番させるときなど、あまり電化製品を使用できないときにもおすすめです。

最近では犬用の湯たんぽもありますが、人用の湯たんぽでももちろん大丈夫です。使用するときは必ずタオルなどを巻いてあげて、直接湯たんぽに触れることがないよう注意してあげてください。

 

その他に、少し厚手の毛布やドーム形のベッドもおすすめです。サークルなどに置いてあげると、犬は喜んで寝床を作ります。

 

留守番させるときの注意点

エアコンを使用できるときは、暖房を【自動】に設定しておきましょう。
そうすることで、室内が常に一定の温度で保たれるので安心です。

 

また、ドーム型のベッドや毛布などを活用し、できるだけ寒くない空間を作ってあげましょう。このとき、毛布はサークルやベッドの下に敷いてあげると、床が冷たくならず暖かい空間で過ごすことができます。

 

以下の暖房器具は火事などの不慮の事故を招きかねませんので、飼い主さんの留守中は使用しないようにしましょう。

 

  • ヒーター
  • ストーブ
  • ペット用カーペット
  • ホットカーペット
  • こたつ

 

室外飼育編

犬小屋の中の犬

 

犬を室外で飼育している場合、寒い時期には犬小屋を日当たりの良い場所に移動してあげましょう。

 

また、常に暖かい空間を作ってあげるために、犬小屋の中に厚手の毛布などを入れてあげましょう。寒いときはその毛布に包まって眠ることができるので、室外飼育の場合、毛布は必需品です。

 

また、あまりにも寒い日などは、愛犬を玄関の中に入れてあげるだけでも随分違います。室外で飼育しているとはいえ、あまりにも寒い日や天候の悪い日は、可能であれば一時的に屋内に入れてあげた方が良いでしょう。

 

お散歩編

お散歩中のチワワ

 

暑い夏の場合、熱中症を避けるため散歩は気温が高くなる前の朝か涼しくなる夕方以降が基本でした。秋から冬にかけては朝晩が冷え込むため、日が出ている日中に散歩を行うようにしましょう。

 

また、あまりにも寒く感じる日や、愛犬が寒そうなサインを出しているとき、体温調節がまだうまく出来ない子犬を散歩させるときなどは、身体全体を包んでくれるような暖かめの洋服を着せて散歩に出るという方法もありますが、無理に散歩に行かない方が賢明です。

 

とくに寒さに弱い小型犬の場合、運動量は少なくてもよいため、必ずしも毎日散歩が必要なわけではありません。
寒いと感じる日は、短めに済ませたり、散歩に行かないという選択も必要になります。

 

まとめ

犬の寒さ対策には、エアコンは必須です。エアコンであれば、温度管理も自動で行ってくれるので、留守番をさせることが多いご家庭でも安心だからです。気温の変化を天気予報でチェックしながら、室内の寒さ対策を行うようにしましょう。

 

犬を飼い始めた頃は、温度管理もよく分からないことが多く、とりあえず室内を暖かくしてあげなきゃ!と思いがちですが、室内を暖かくする場合でも必ず涼める場所も作ってあげましょう。そうすれば、犬も自分で温度調整をするので、暑ければ涼むことができるので、留守番時も安心です。

 

これから訪れる秋から冬、早めに暖房器具や温めグッズの準備をして、いつ寒くなっても対応できるようにしておきましょう。

 

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