8月下旬にアメリカ テキサス州に大きな被害をもたらしたハリケーン・ハービー。

多くの動物もまた被災しました。

 

 

 

水があふれる中につながれたまま置き去りにされた犬

24時間に25㎝もの雨を降らせたハリケーン・ハービーによって、テキサス州ビクトリアの町も水に覆われてしまいました。

そのビクトリアでDilyMail.comの記者によって衝撃的な写真が撮られ、全世界に配信されました。

 

 

なんと電信柱につながれて逃げることができない犬が写されています。

明らかに怯え、ずぶぬれになり洪水の中に置き去りにされた犬。

この写真は多くの人に衝撃と悲しみを与えました。

 

どんどん水かさが増える中で逃げることができない状態にされた犬に、死が待っていることは誰にでも分かることです。

なぜ飼い主はこんな仕打ちをしたのでしょうか。

ここは家ではなく、道路上にある電柱。

電柱につないで自分だけが逃げるなど、考えられないことです。

 

 

災害時にペットをつないだままにしておくのは違法

テキサス州ではペットの同行避難が許可されており、避難所にもペット専用の場所がちゃんと用意されていました。

行政では繰り返し、災害時にペットを動けない状態で置き去りにしないように注意喚起してきました。

テキサス州にはハリケーンなどの危険な天候時に犬を外につないでおくことは違法です。

 

ビクトリアの近くのローマンフォレストのスティーブン・カーライル警察署長は「このような災害時に犬を拘束しておくことは違法であり、責任を取らなければならない。犬もあなたの家族です」と声明を出しています。

 

モンゴメリー郡の警察署長も「あなたの家族であるペットをロープや鎖でつないだままにしておかないでください。悪天候の中、犬をつないだままにしておくのは法律違反です」と警告するなど、ペットを置き去りにしないように数々の注意が出される中、このような置き去りが起きてしまいました。

 

 

置き去りにした飼い主に多くの人が怒り

テキサスではペットの同行避難が当たり前とされているのですから、連れて逃げることに躊躇する必要はなかったはずです。

考えられる置き去りの理由は「連れて逃げるのが面倒だったから」、もしくは犬の命より大事なものがあったからであるとしか思えません。

多くの人々がペットとともに避難し、逃げ遅れた動物たちを助けるためにボランティアのみならず州兵も動員されました。

 

 

そのような状況の中で、わざわざ電柱につないで置き去りにするという行為に多くの人が激しい怒りを感じました。

「このようなことをした人たちは自分のことを恥じるべき」

「置き去りはそれだけで許されないが、この写真のもっと悪い点は犬がこれ以上高い場所に逃げられないということ。良心が壊れている」

「飼い主を同じ柱につないでしまえばいい」

「時には動物を置いて逃げるしかない時もある。しかし、自分で逃げる能力は持っているのだから動けなくするようなことはしてはいけない」

「もし連れていけないなら生き残れるようにすべき。家族なのだから」

 

 

カメラマンが犬を救助

多くの人が心痛めた水の中に置き去りにされた犬の写真ですが、この犬は写真を撮影した

dailyMail.comのカメラマンであるコネランさんに救助されました。

 

 

コネランさんは助けた犬をラッキーと名付けました。

ラッキーはトレーラーに住んでいた飼い主によって電柱につながれて置き去りにされてしまったのでした。

 

コネランさんは犬を自由にした後に仕事に戻りましたが、24時間後にまた犬のところへ行った時には犬は大喜びして駆け寄ってきたそうです。

 

 

 

友達の犬の元に導く

ラッキーは自由になったことを喜び、さらにほかの救助が必要な動物のもとにコネランさん達を導いたのです。

それはラッキーの友達のピットブルと2匹の猫、そして小さなポニーでした。

 

ピットブルは水につかっていないところに届くくらいの長さではありましたが、やはりつながれたまま置き去りにされました。

飼い主は動物たちを置いて自分だけ逃げてしまったのです。

 

コネランさんは夜の間中ずっと犬たちのことが心配だったそうです。

「私はトレーラーのところに戻ってきたときにラッキーの姿を見てとてもうれしかった。彼女はフェンスをくぐり抜けてやってきて、尻尾をぶんぶんふって挨拶してくれたのです。私は車に積んでいた食べ物と水をラッキーに与えました」

 

 

ラッキーは彼女の友達のピットブルと一緒にいたそうです。

 

 

コネランさんは、ラッキーとピットブル、2匹の猫とポニーが置き去りにされたことを地元の動物管理局に通報しました。

彼らは無事で健康状態も悪くなさそうでしたが、保護が必要でした。

 

 

ラッキーの里親になることを希望

コネランさんはできればラッキーの里親になりたいと考えているそうです。

「私はラッキーとニューヨークで暮らしたいと思っていますが、手続きが済むのを待たなければなりません。」

 

 

デイリーメールではこれらの動物を置き去りにしたトレーラーに住んでいた人物を追跡しようとしましたが、残念ながら突き止められませんでした。

 

「私は動物たちを置き去りにした人間を軽蔑します。自分がしたことは良いことだったと思っています。私があの時、ラッキーを電柱から自由にしなければラッキーは死んでしまっていたことでしょう」と話すコネランさん。

 

 

避難所は被災動物の受け入れが可能で、警察などの行政機関が繰り返しペットを連れて逃げるよう呼びかけてもなお、動物たちを置き去りにしてしまう人間がいることは大変悲しいこことです。そんな人たちには二度と動物を飼ってほしくないと思います。

 

置き去りにした飼い主が判明すれば、法律違反を問われ罰金刑になる可能性が高く、そのうえ一定の期間動物を飼うことが禁止されるとのこと。

 

欧米では動物を虐待した場合、動物を飼うことを禁止されることがあります。

このような飼い主は命に重きを置かない傾向が多分にありますし、同じことを繰り返すのでペット飼育禁止は日本でも必要なのではと思います。

 

動物管理局はハリケーンの災害対応で忙しいようなのですが、ラッキーが元の飼い主に引き渡されず、コネランさんの家族になれるように心から願います。

 

 

出典

Poor dog abandoned in Texas as flood waters rise | Daily Mail Online

Meet Lucky the dog who was saved during Hurricane Harvey | Daily Mail Online

 

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