
【お月見団子】食材の持つ『味』で身体を元気にしよう!『薬膳』を取り入れてペットと一緒に美味しく健康に!第3回
イベント編・月に願いを…『お月見』
日本には、季節ごとに様々な風習や行事があります。代表的な秋の風習といえば『お月見』です。
この時期は、様々な農作物が収穫されます。これから収穫する農作物が豊作でありますように…という祈願と、すでに収穫することができた農作物への感謝の形として、お団子とススキをお供えします。また、電気がなかった時代、夜の農作業に明かりをくれた月への感謝も表しているようです。
今年の中秋の名月は、10月4日(水)です。
大切な家族に『いつもありがとう』と『これからもよろしくね』の気持ちで、一緒に月を眺めてみませんか?
薬膳はバランスと思いやり
ごはんを待つももじろうくん
薬膳は、数千年の歴史を持つ中医学(中国伝統医学)の考えに基づいています。
・冷えたら温める
・熱があれば冷やす
・足りなければ補う
・余分なものは取り去る
・巡らないものは巡らせる
とてもシンプルな考えです。
大切なポイントは『バランス』をとることで、中医学では『中庸(ちゅうよう)』といいます。
『偏ることなく、調和がとれている状態』を指します。。
陰と陽は、対立する関係を持ちながらも、互いに支え合いバランスを取っていると考えられています。
自然界に存在する木・火・土・金・水は、どれか一つでも欠けてはいけない大切なものなので、陰陽と同じように、補ったり抑制したりすることで5つのバランスを保っています。
五行で補うことを相生(そうしょう・そうせい)といいます。
木→火→土→金→水→木の順序でサイクルしています。
・木は燃料となって火を生み
・火は燃え尽きると灰になり土を養う
・土の中には鉱物が埋蔵されているので、掘ると金が出てくる
・金は冷えると表面に水滴ができる
・水は木を育てる
一方、抑制することを相剋(そうこく)といいます。
木→土→水→火→金→木の順序でサイクルしています。
・木は土に根を張り養分を奪い
・土は水の流れをせき止める
・水は火を消し
・火は金を溶かす
・金は刃物になり木を切り倒す
どこかにスイッチがあるわけでもないのに、補ったり抑制したりしながら自然界は絶妙なバランスを保っているのですね。
私達人間と同様、ペットも自然界の影響を受けて生活しています。身体も季節も常に一定ではなく変化し続けています。今はどんな状態なのかな?と気を付けてペットをみてあげましょう。そして、旬の食材や状態に合わせた食材を選んで丁寧に食事を作る。そういった小さな積み重ねが、身体と心を整えて『中庸』の状態を保ってくれるのだと思います。
今回は、お月見にちなんで『豆腐』を使ったレシピ『月見団子と小松菜のポダージュ抹茶ラテ風』をご紹介します。
秋の味覚のワンディッシュご飯
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月見団子
〈餡・材料〉
・小豆 100g
・さつま芋 1本
〈作り方〉
- さつま芋
・焼き芋にした後、裏ごししておきます。蒸しても煮てもO.Kです。
- 小豆
・軽く研ぐように洗います。
・小豆に水がひたひたにかぶるくらい入れたら強火にかけます。沸騰したら煮汁を捨てます。ひたひた水→強火→沸騰→煮汁を捨てる、この工程を2~3回繰り返します。
これを『渋抜き』といいます。
・渋抜きが終わったら、再び小豆がひたひたになるまで水を入れ、指でつまんで潰せるようになるくらいまで弱火で煮ます。1時間~1時間30分くらい。
途中、水がなくなりそうになったら、差し水をします。
・柔らかく煮えたら、中火で水分がなくなるまで混ぜながら煮ます。
- 餡作り
・裏ごししたさつま芋で、小豆の餡を包みます。
・餡はかたい方が包みやすいので、冷蔵庫で冷やしておきます。
※余った小豆の餡は、小分けにして冷凍保存が可能です。
〈白玉・材料〉
・もち粉(白玉粉) 200g
・絹ごし豆腐 250g
〈作り方〉
・粉に豆腐を加えながらよく混ぜます。柔らかさの目安は耳たぶです。
・生地が出来上がったら、冷やしておいた餡を生地で包み込むようにして団子を作ります。丸める時に生地が手にくっつくので、粉を付けて丸めます。
・沸騰したお湯で5分くらい茹でます。
・茹で上がったらザルにあけ、水を張っておいたボウルなどにサッとくぐらせて水気を切っておきます。
・三方(なかったのでもどきに…)にお団子を盛り付けて出来上がりです。
小松菜のポタージュ
〈材料〉
・小松菜 50g(下茹でしておきます)
・里芋 1個(下茹でしておきます)
・豆乳 200ml
・水 100ml
〈作り方〉
・下茹でした小松菜と里芋と水をフードプロセッサーにかけて細かくします。
・細かくしたものを鍋に移し、豆乳を加えて温めます。温まったら完成です。
※犬用の分を取り分けた後、コンソメ・塩コショウで味を付ければ人用のポタージュが完成します。
まとめ
豆腐を使ったお団子は、思ったよりも伸びます(笑)
食べさせてあげる時には、手でちぎってあげるか小さく刻んであげるとよいです。食感は『ういろう』に似ています。
人も犬も『おしるこ』でいただきました。人用には、お砂糖と塩で味付けをしました。
小松菜ポタージュは、ポタージュとして飲むこともできますが、今回はパスタソースとして使いました。
食材の意味を知りながら作っていると、これはあの子のここに効果があるのかな?なんて考えて嬉しくなります。
食事は薬ではないので劇的な効果を得ることはできませんが、日々の積み重ねで防げるものは防ぎ、治せるものは治しをやっていけばいいと思います。
大切なのは『食』が一番なのではなく、『食』はペットと一緒に生活を楽しむためのひとつの手段だということです。
そのために活用していただけたら嬉しいです。
さんまで元気が出るワンご飯
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材料説明
〈さつま芋〉
便秘の改善に効果的な食材です。胃腸を丈夫にしてやる気を出させる効果があります。
常食すると五臓を元気にするといわれています。
〈小豆〉
和菓子のあんこや赤飯などに使われ、日本人にはお馴染みの食材です。利尿作用により体内にある余分な水分を排出してくれるので、むくみの症状が軽くなります。また解毒作用も持っているので、余分な熱を取り毒素を分解して膿を出してくれます。吹き出物や腫れ物に効果があります。
小豆には水分がたくさん含まれているので温めると蒸気が出て湿熱(加熱時に水を利用する熱)になります。その熱を利用した小豆カイロで疲れと冷えを癒すこともできます。
〈豆腐〉
大豆の加工食品なので、食材としての効果は大豆とほぼ同じです。大豆よりも消化しやすく栄養を吸収しやすくなっています。身体の中にこもった熱を取り、身体に潤いを与えて腸の渇きを癒してくれるので便通がよくなります。身体の余分な熱を取る働きを持っているので、高熱時に豆腐湿布を用いる民間療法もあります。
〈もち米〉
脾の働きを高め、身体を温める効果があるので、慢性疲労を改善してくれます。元気が出る食材として昔から体力回復時に利用されてきました。食欲がない時、気力がない時におすすめの食材です。冷え性や冷えた時の下痢にも効果があります。
〈小松菜〉
身体の中の余分な熱を取ってイライラする気持ちを鎮めてくれる効果があります。腸を潤す作用もあるので、のどの腫れや咳、乾燥したタイプの便秘の改善に有効です。
〈里芋〉
脾と胃を助けて胃腸の働きをサポートしてくれるので、消化吸収能力が高くなり便秘や下痢の改善に効果があります。胃腸の粘膜を保護して丈夫にしてくれる作用もあります。また、水分代謝を整え解毒の働きを持っているので、腫れやむくみも取ってくれます。
皮をむいてすりおろした里芋と同量の小麦粉、その分量の1割のおろし生姜と塩少々を混ぜて練って作った『イモ薬』は捻挫や扁桃腺炎に効果的です。
〈豆乳〉
潤い効果が高く心身の疲労回復に効果的です。豆腐が元気を補うのに対して、豆乳は血を補います。肺にこもった熱を冷ましてくれるので、咳や口の渇きを改善してくれます。
胃腸を整える働きも持っているので、胃腸が弱っている時や体力が落ちている時の滋養強壮、体力回復にも効果があります。
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