オウムやヨウム、インコや九官鳥など、言葉を話したり歌を歌ったりする鳥がいます。
「いってらっしゃい」「おかえりなさい」など挨拶をされたら、一人暮らしでも寂しくありませんね。

 

なぜ鳥は言葉を覚えるのでしょうか。また言葉を覚えさせるためには、どうすればよいのでしょうか。その疑問について調べてみました。

 

鳥はすでに言葉を持っている

鳥は鳴き声によって感情表現をします。二匹の鳥が鳴き合いながら会話をしている姿や、威嚇や求愛のために、普段とは違う声を発するのを聞いたことはありませんか。すでに言葉を使いコミュニケーションを取っているのです。

 

それを裏付ける研究も発表されています。
京都大学生態学研究センター機関研究員である鈴木俊貴氏は、「シジュウカラの鳴き方には言葉があり、その連なりで文章を作成し、会話している」と学会で発表しました。

 

また、イギリスのエクセター大学とスイス、チューリッヒ大学の共同研究チームは、オーストラリアに生息するクリボウシオーストラリアマルハシという鳥が、音を組み合わせることで新しい意味を伝える能力を有していることを発見しています。
鳥の鳴き声について、今後も何か新しいことが分かるかもしれません。

 

鳥が言葉を話せるワケ

どの種類の鳥でも言葉を覚えるわけではありません。
言葉を話す鳥には、「ほかの鳥に比べて舌に厚みがある」「自由に舌を動かせる構造である」という共通点があります。

 

鳥は鳴管という器官をふるわせて声を発しますが、言葉を話す鳥は他の鳥よりも鳴管の周りの筋肉が多くなっています。舌の形も自由に変えることができるため、人の言葉を真似ることができると考えられています。

 

どんな鳥が言葉を覚えるのか

言葉を話すためには、舌の構造だけでなく高い知能も必要です。賢い鳥として有名な「カラス」も、言葉を覚えることができると言われています。「おしゃべり上手」な鳥をご紹介します。

 

ヨウム

 

ヨウム

 

ダントツのおしゃべりチャンピオンはヨウムです。知能指数は人間の5歳児に匹敵すると言われていますので、おしゃべり上手なのも納得。人が話す会話を覚えたり、声色を変えて男女を使い分けたりすることもできます。

 

2015年にアメリカ・ミシガン州のサンドレイクで起きた殺人事件で、現場にいたヨウムが「撃たないでくれ」など、事件当時の様子をしゃべりだしたことがテレビなどで話題になりました。
言葉を話すだけでなく、理解もしていると考えられています。

 

ボウシインコ

 

ボウシインコ

 

ヨウムに次いで、おしゃべり上手な鳥がボウシインコです。
人によっては話しかけても答えてくれないなど、気まぐれなところもあるようです。電話の着信音や目覚まし時計の音なども真似ることがあります。

 

セキセイインコ

 

セキセイインコ

 

セキセイインコは、長い話をすることもできますし、自分で単語を繋げて物語をつくることもあります。
飼い主の住所や電話番号などを教えておくと、逃げ出した際に捕まえた人が連絡をくれることがあります。

 

言葉を教えるコツ

 

セキセイインコの雛

 

鳥たちに言葉を教えるのに難しい技術はありません。たとえるなら人間の子どもを育てるのと同じ。
親になったつもりで、愛情をこめて教えてあげてください。

 

雛のうちから教えよう

鳥は鳴き声によってコミュニケーションを図ります。大きくなってからでは、鳥の言葉しか認識してくれず、人の言葉を覚えるのは難しくなります。人間の言葉も鳥にとっては「鳴き声」なので、雛のうちから慣らしていきましょう。

 

メスよりもオスの方が言葉を覚えるのが得意

理由は定かではありませんが、メスよりもオスの方が言葉を覚えるのが得意なようです。
とは言っても、雛のときからオスに飾り羽があるマメルリハやビセイインコなどを除き、小さいうちに鳥の性別を見分けるのは難しいので、運に任せるほかありません。

 

複数より1羽で飼う

複数羽で飼うと人間よりも鳥同士の関心が強くなりますので、人に興味を持ってもらうためには1羽で飼う方がよいですね。

 

短い言葉を短時間で何度も繰り返す

あまり長い言葉を長時間教えても覚えてくれません。
「おはよう」「こんにちは」など、短い言葉を数分程度繰り返します。
一度にたくさん覚えようとさせず、ひとつ覚えたところで次に進みましょう。

 

出来たら褒めてあげる

鳥たちは飼い主とコミュニケーションを取るために言葉を覚えようとします。
言葉を覚えることができたら頭を優しく撫でてあげるなど、愛情を示してあげてください。

 

一番大切なのは愛情を注ぐこと

鳥に対して観賞用のイメージを持っている人がいると思いますが、決してそうではありません。
いまや「恐竜の子孫」、いや、「恐竜そのもの」とも言われるとおり、長い歴史の中で進化を遂げた知的な存在です。

 

愛情をこめて接してあげることで、鳥も一生懸命言葉を覚えてそれに応えてくれます。

 

ただし、必ずしも言葉を覚えるのが得意な子ばかりではありません。インコは平均5~15年、ヨウムはなんと平均50年も生きる寿命が長い鳥ですので、慌てずゆっくりと言葉を伝えてあげてくださいね。

 

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