
保護犬の親友は保護亀!種の違う2匹の友情
プカは元保護犬、そしてロケット・ラリーは元保護亀です。
彼らは種は違いますがとても仲のいい兄弟です。
家を失った保護亀ラリー
プカとラリーの飼い主は、ロスアンゼルスに住むクリスティン・ヒルベルクさんとパートナーです。
クリスティンさんは2009年にラリーの里親になりました。
ラリーの元飼い主は経済的事情で家を手放さなければならず、もはやラリーの世話をすることが不可能な状態でした。
元飼い主はほかにもさまざまな種類の動物を飼っており、誰かが手助けしなければならない状態だったのです。
ラリーはケヅメリクガメ。
体長が50㎝~70㎝、体重は30㎏~60㎏ほどに大きくなり、寿命も飼育下では30年ほど生きると言われています。
またアフリカ出身なので、日光浴をさせ温かくしてあげるなど世話には注意が必要です。
クリスティンさんがラリーを保護した時はまだベビーといわれる子ガメで、手のひらに収まるくらいの大きさでした。
この頃は湿度や気温など特に注意してあげる必要があります。
亀はお祭りで売られていたりペットショップでも比較的安価で売られていますが、大きくなる場合が多いこと、寿命が長いことなど安易に飼っていいペットではないと思います。
特にもともと生息していた地域とは別の場所での飼育は亀の命に関わります。
こうしてプカはクリスティンの家族になりました。
ホームレスとバス停にいたプカ
それから2年後の2011年にクリスティンさんとパートナーはプカに出会います。
クリスティンさんの友人が、ホームレスの男性と一緒にバス停に蝶ネクタイを付けて座っているプカを見かけたのです。
そのときプカは生後4カ月で、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)という障害がありました。
口唇口蓋裂は主に先天性の障害(事故などで発症する場合もあります)で、口唇の一部に裂け目があるなどの状態のことを言います。
症状によってはミルクがうまく飲めない、食べ物の摂取が困難などの症状が出ることもあります。
プカは獣医の診療を受ける必要があるし、ホームレスの男性がプカの世話をできないのではと心配したクリスティンさんの友人は、ホームレスの男性にプカを引き取りたいと申し出て100ドルと引き換えに家に連れて帰りました。
そして、友人からクリスティンさんが里親としてプカを引き取ったのです。
口唇口蓋裂をもって生まれた犬は生き残れないことも多いです。
まず、障害のためにミルクや食物を摂取できないですし、矯正のための手術はお金がかかるため行われないことも多いからです。
しかし、プカは生き残り十分な面倒を見てくれるクリスティンさんの家族になることができました。
ラリーとプカは親友に
クリスティンさんの家族になったプカはすぐに回復することができました。
プカの口蓋裂は彼女の個性であり、いまでは不自由ではありません。
そして、笑顔で世界中を魅了しています。
犬のプカと亀のラリーはすぐに仲良しになりました。
プカはラリーを気に入り、ラリーもプカを怖がったりしませんでした。
2匹がまだ子供だったときラリーはプカのベッドで一緒に眠り、ラリーが昼間に庭で日光浴をするときはプカも一緒に昼寝をします。
2匹はいつもそばにいて、おやつを分け合い(ラリーが食べる野菜や果物をプカも食べます)、お互いになにをしているのか観察したり。
プカはラリーの匂いをかいだり、あとをついて回り甲羅をなめたりもするのだとか。
ラリーが見つかりにくい場所にいてもプカはすぐに親友の亀を見つけることができるのです。
「プカとラリーは異なる種であってもお互いの性格をよく理解していて、特別なものです。動物たちが安全な環境で幸せに過ごすことができれば、動物たちは本来の平和主義をもって友情が成立することを示しています。」と2匹の様子を語るクリスティンさん。
2匹の写真が掲載されているインスタグラムはフォロワー数が3万人という大人気。
2匹は写真を撮られるのが好きで、世界中に楽しい姿を見せています。
保護動物の里親になることを推奨したい
プカとラリーの友情は野生であったら見られないものかもしれませんが、保護されたという同じ境遇のもと家族になり、親友になりました。
クリスティンさんはインスタグラムに写真を投稿することで、保護動物の里親になることを推奨したいと考えています。
「私はインスタグラムをつかって、動物の強い関係を持つことの素晴らしさを分かち合い、動物のレスキューを推進し、里親になるという考えを広げたいと思っています。」とクリスティンさんは話しています。
「私の家族はペットを保護施設から迎え入れたり、捨てられた動物を保護して里親になったりしてきました。動物保護施設にはいつも捨てられた動物でいっぱいで、彼らにはセカンドチャンスが必要なのです。」
クリスティンさんは遺棄された動物の里親募集のプロジェクトにも協力しています。
筆者が保護しているのは犬や猫ですが、知られざるところでほかの種類のペットたちも助けを必要としているでしょう。
ウサギがブームになったときは捨てウサギが問題になりました。
先日、筆者の保護した犬の里親になってくれた方がインコを保護しました。
足環から飼い主を探そうと思ったようですが、結局見つからなさそうです。
でも衰弱して飛べなくなっていたインコはすっかり元気になったようです。
犬たちとインコが、プカとラリーのように仲良くなってくれるといいと思います。
日本ではまだまだペットショップから動物を購入する方は多いですが、家族を待っている子たちは大勢いるので、そういう子たちを家に迎えることも考えてもらえればうれしいです。
出典
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