迷子になり保護された2匹の犬。

飼い主は若い犬を連れて帰り、年老いた犬を置き去りにしました。

施設に犬の悲しい泣き声が響きました。

 

 

老犬はいらないと置き去りにした飼い主

迷子のコッカースパニエルとラブラドールレトリバーは一緒にカルフォルニア サンベルナディーノ市のシェルターに保護されました。

ラブラドールレトリバーは1歳の若い犬ですが、コッカースパニエルのクッキーは推定9歳のシニア犬です。

2匹の飼い主は同じ家族であることがマイクロチップの情報から判明しました。

 

連絡を受けた飼い主がシェルターにやってきましたが、なんと若い犬だけを連れて帰ることにし、クッキーをシェルターに置いて行ってしまったのです。

「年老いているから面倒を見られない」という理由で。

 

なんと自分勝手な理由でしょうか。

自分が年を取ったことを理由に「いらない」と言われたらどう思うのか。

他者の心や痛みを省みない利己的な飼い主だと言わざるを得ません。

 

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クッキーは家族が若い犬だけを連れて去っていく姿を見て悲しい泣き声をあげたそうです。

クッキーが泣いた理由は明らかです。

せっかく出会えた家族が自分を捨てて行ってしまう、最も犬が傷つく方法で飼い主たちはクッキーの心をえぐったのです。

 

 

犬が泣いても振り返りすらしなかった飼い主

この現場を目撃していたシェルターのスタッフは、

 

「クッキーは家族を見て泣いていました。クッキーは家族が去ってしまうのを見ていたのですが、飼い主はお構いになしに行ってしまったのです」

 

と話しています。

 

こんな非情な家族でもクッキーにとっては大事な家族だったのでしょう。

純真に愛し、慕ってくれる犬を見捨てて帰るなど、どんなに凍った心の持ち主たちなのかと軽蔑せずにはいられません。

 

どんな犬でも年を取ります。

連れ帰った犬はまだ1歳と若いですが、いずれは年を取るでしょう。

その時この家族は、同じようなことをするのでしょうか。

 

こんな人間は動物を飼う資格はないと思いますが、虐待とみなされないので罪に問えません。

しかも、この飼い主はマイクロチップの情報があったにもかかわらず、クッキーは自分の犬ではないとも主張したのです。

このように、年を取ったからという理由で犬が遺棄されることは珍しくはありません。

 

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殺処分の危機から愛護団体が保護

一人置き去りにされたクッキーの様子に心を痛めたスタッフによって、フェイスブックにクッキーの写真が掲載されました。

そのおかげで、クッキーのことを知った愛護団体OC Small Pawsのリン・ハミルトンさんがクッキーのことを市の施設から救い出し、里親を募集することになったのです。

 

 

クッキーは愛護団体に保護されなければ安楽死させられる可能性もありました。

サンベルナディーノ市の施設は殺処分を行う施設であり、クッキーも例外ではありませんでした。

 

老犬の場合、多くは里親が見つかりませんから安楽死させられることも少なくありません。

やはり希望されるのはほとんどが若い犬たちであり、シニア以上の犬には里親がみつかることはとても少ないのです。

アメリカでも殺処分がある施設は少なくありません。

その場合は収容後、長い期間を置かず殺処分してしまう場合も多いです。

 

 

腫瘍が見つかり、里親探しを断念

新たな飼い主を探すつもりで保護されたクッキーでしたが、健康診断でクッキーは12個もの腫瘍があることが分かったのです。

 

 

もとの飼い主はそれを放置しており、面倒を見ることはお金がかかることだったので、クッキーが市の施設に保護されたことをこれ幸いと「クッキーは自分の犬ではない」と言いつのったのだと思われます。

もしかしたら、連れ帰ったラブラドールとクッキーが行方不明になったときも本気で探す気はなかったかもしれません。

 

マイクロチップの情報で飼い主であることは明らかなのに、ひとり施設のケージに取り残され泣き叫ぶクッキーに何も感じることなく置き去りにすることができるのですから。

 

幸いにも獣医師によってクッキーの腫瘍はすべて取り除かれ、経過も良好とのこと。

そして、OC Small Pawsはクッキーの里親を募集せずに施設の保護下で十分な医療を受けさせ、面倒を見ることを決定しました。

 

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二度と辛い目にあわせないために終生を保護施設で

クッキーは十分につらい思いをしました。

医療費がかかるなどの理由で、里親に再び遺棄されることは珍しいことではありません。

二度とそんな目に合わせないために、里親募集をせず愛護団体の責任で終生保護することを決めたのです。

 

 

クッキーは預かりボランティアのもとで愛され、大事にされて幸せに暮らしています。

 

 

クッキーを置き去りにした飼い主には怒りしか覚えませんが、そうされたことによってクッキーは幸せになれたと言えるかもしれません。

 

一緒に家族として暮らしてきながら、自分を慕って泣く犬を冷酷に置き去りにできる人物です。

飼い主に連れて帰られても、クッキーが残りの犬生をちゃんと世話をされ愛情をかけられて生活できたとは到底思えません。

 

しかし、愛護団体に保護されなければ殺処分になっていたのですから、クッキーはとても幸運であったともいえるでしょう。

 

 

筆者は保護活動をしている人間として、OC Small Pawsのような愛護団体の存在はとてもうらやましく思います。

 

飼い主は最後まで愛情をもってペットの面倒を見るべきであり、それができないのならペットを飼うべきではありません。

しかし現実にはそんな人間は大勢おり、捨てられる動物は後を絶ちません。

 

動物愛護に未熟な日本には大規模な愛護団体や終生の面倒を見ることができる行政の施設はなく、里親に譲渡することが適切でない子には終生の棲み処を用意することは多くの場合不可能です。

 

多くの市民の声や寄付に支えられ、行政との協力関係などにより愛護団体がクッキーのような犬を救うことができることは本当にうらやましい限りであり、いつか日本でも多くの命が救えるようになることを願ってやみません。

 

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出典

Aged dog cries at shelter as her owner walks out with a younger pup and leaves her  | Daily Mail Online

Her Family Dumps Her For A Younger Dog. When The Shelter Notices THIS, They Take A Photo.

 

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