オフリードの公園にて

日本と違い、オーストラリアは、オフリードと言われる公園が多い。

公園に子供の遊び場がある場合には、そこから2メートル以上に犬を連れて行ってはいけないという指示がある場合もある。もちろん、そういうところには、私個人としてはうちの犬、サリーを連れていくことはない。

 

ところが、一度、オフリードの広い公園で、赤ん坊を連れたお母さんが草むらに座っていた。遊びたがりのサリーは、あ、もしかして一緒に遊べるかも。と、彼等に向かって走っていく。それがワンコの場合ならいいけれど、赤ん坊。

 

サリー。カム(戻って)。私があっと思った時には時すでに遅し。スピードのある彼女は、あっという間に、赤ん坊とお母さんのところまでたどり着いてしまった。胸がどきどき。「サリー!カム!」私は叫ぶ。彼女は、お母さんと赤ちゃんの周りをぐるっと回って、私のところに戻ってきた。ふうー。

 

遠くにいるお母さんに「ソーリー。」と声をかけたら、「ノー・ウオーリース」、オーストラリアの言葉で「大丈夫よ」という言葉が返ってきた。これが、犬の嫌いなお母さんなら、大騒ぎになっていたかもしれない。

 

サリーは、「カム」というと、どこにいても、必ず私のところに戻ってくる。しかし、それでも、私はやはり気を付けている。できるだけ、子供のいるところにはいかない。公園に子供をみつけたら、すぐリードをつける。

 

 

 

バッドオーナー

先日、オーストラリアの西にある大きな都市パースで、2匹の犬が9歳の子供に大けがをさせた事件の裁判が行われて、51歳になる女性のオーナーが、8か月の禁固刑になった。

12か月の執行猶予がついて、とりあえず刑務所に入るのだけは免れたのだが…。今回の判決は、同様の事件が何度か起きた、パースでは初めてのケースだという。

 

彼女の犬は、ちなみに、American Staffordshire Pitbullsであった。この2匹の犬たちは、2年前にも公園にいたゴールデンリトリーバーに大きな怪我をさせ、昨年も17歳の少女を襲いかけたという。

つまり、そうしたことがあっても、オーナーは何も策を講じなかったことになる。

前の話でも触れたが、オーストラリアのアニマルトレーナー、スティーブ・オースティンによれば、悪い犬はいない。悪いオーナーはいる。

では、悪いオーナーというのはどんな人なのだろう。犬に関するある記事で悪いオーナーとはどんなことをする人?という記事をみた。

 

「オーバーフィーディング」つまり、フードを沢山やり過ぎる。

人間の食べるものを犬におやつとしてあげる。これは、長期的な病気をもたらす。

オー・ノー。もしかして、私は、時々するかも。時々?バッドオーナー、私。

 

十分なエキササイズ、つまり運動をさせない。

あ、これは、だいじょうぶ。私も運動療法しているから、うちのサリーも一緒にしている。

え、サリーが優先じゃないの?(苦笑)

サリーを預けるボーディング(日本のペットホテル)には、小型犬と大型犬用の二つの大きな運動場があり、預かっている時間のほとんどは、犬たちが自由に遊んでいる。

そこでは、ほとんど犬は吠えない。夜は、一緒に遊んだ友達と重なって、犬舎ですやすや。

運動が大切なのは良くわかる。

 

日本の獣医クリニックでお預かりの犬たちに会ったことがあるが、それはひどいものであった。

何週間ここにいるのですか?

2週間。

運動は?

いえ、ケージに入れっぱなしです。

え?

オーナーは、獣医クリニックだから、きちんとケアをしてくれると思ってお願いしていくのです。

 

入れっぱなしですか…?何とも声がでなかった。

犬たちが、運動をしないと?イライラするはずだ。だから、「運動したいよー」「遊んでよー」と吠えたり、「外に出せよ」「何とかしろよ」などと言って、外に出た瞬間に、他の犬や、人間に攻撃的な行動に出るのかもしれない

 

どれぐらいの運動量?

適切な運動量は、身体の大きさや犬種にもよるから、情報の入手が必要だと思う。ちなみに80%のイギリスの犬たちは、運動量が不足しているという。

 

日本は?

もしかして、不足しているかも知れない。だから吠える犬たちが多いのでは?ちなみに、うちのサリーは吠えない。家の外で何か音がしない限り。彼女は「誰か来たよ」と吠えてくれるのである。

 

うちは、大丈夫。トレーニングしていますから…。そうですか。

 

 

コンスタンシーを持ってトレーニングを

コンスタンシーを持たずにトレーニングしている人が多いのですが、お宅はどうですか?

コンスタンシーという英語を聞いたことがない方はぜひ覚えてほしい。Consistency ! コンシスタンシーを持たずに訓練をする。コンスタンシーって何?

 

コンスタンシーがないトレーニングというのは、例えば、ある一つの行動を犬に教えようとするときに、方法が一定ではないこと。

スティーブも、このトレーニングの危険さをいつも指摘する。

 

家に何人かの家族がいる場合に、お父さんとお母さんのいっていることが違う。え、子どものこと?いえ、子どものことではないけれど、子どもも同じだと思う。

 

「お前は何でそんなことを、何度もするんだ」とお父さんは子供を叱る。

子供は答える。「だって、お母さんが良いっていったんだもん」

泣きながら子供は言う。

お父さんはお母さんに文句を言う。「お前、俺がダメだって言ったのに、良いっていったのか?」

お母さんは「だって、可哀そうでしょう?」なるほど。あるいは、「まあ良くできたわねえ」と褒める。

しかし、次の時には褒めない。「え、さっき褒めたのにー」困惑。

ああ、だから、子どもは言うことを聞かなくなったのか。犬も同じかも。

 

うちのサリーの例。食卓の前で、「私もお母さんの食べてるものくれない?」と、目をキラキラさせて私を見つめる。

「サリー、これはあなたのものじゃないのよ」するとサリーは、主人のところに行く。「お母さんはくれないけれど、お父さんはくれるよね」賢い。

で、主人は弱いから(苦笑)、サリーにあげてしまう。ダメでしょう。コンスタンシーがない。

お父さんは良くて、お母さんはだめ。月曜日は良くて、火曜日はだめで、水曜日はよくて…。となったら、人間の食べるものはサリーにはあげられない。「身体によくない」と、伝えることはできるだろうか。

答えはノーである。

 

これを続けると、我々夫婦はバッドオーナーになり、サリーはバッドドッグになってしまう。

 

 

バッドドッグにさせないために、バッドオーナーをやめよう

この他にもバッドオーナーになる資格?が沢山あるようだが、いずれにしても、上の3つに関して、われわれオーナーは、よくしてしまうことではないだろうか。

 

バッドドッグがいないとすれば、上の3つのことを、オーナーたちがし続けただけで、犬たちの健康が失われ、更に彼らを困惑させ、彼等のイライラが募り、結局は、オーナーのいうことを聞かないバッドドッグになってしまう。

私の知っている限り、ほとんどのトレーナーがいう。すべての犬が攻撃的でバッドドッグで生まれるわけではない。

犬は子犬の時にはすべて可愛い。しかし、身体に悪いものを犬たちにやる、大型犬を小さなケージ入れっぱなしにする、一緒に遊ばない、トレーニングをしない。

トレーニングを見様見真似でして、間違ったトレーニングをする、それは、グッドドッグたちをバッドドッグにしてしまう道筋であると…。

そして、全てのペット犬は正しいトレーニングをしなければならない。それが、彼らが人間の家族の一員として幸せに暮らす必須事項なのではないだろうか。

 

前述の、パースで事件を起こした犬がどういう方法で育てられ、どういう環境にいたのかはニュースでは知らされていない。

しかし、恐らく、きちんとしたトレーニングをしなかったのに違いない。運動も少なかったかも知れない。

 

犬種が悪かったのでは?確かに、家族構成や家の環境によって、ペットにしにくい犬種はあるかも知れない。

オーストラリアでは、地方自治体などは、危険な犬種を定めている。アメリカンピットブルや、ビットブルテリヤ、日本の土佐犬、アルゼンチンの闘犬ドゴアルヘンチーノやブラジルのフィラバシリアーノなど。

 

しかし、オーストラリア最大の動物保護愛護団体RSPCAは、犬種は関係ない、犬たちが危険になるのは、その飼い方であるとしている。

 

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