初めて猫を飼うという方の中には、猫の抜け毛の多さに驚いている方も多いのではないでしょうか。
猫の毛は季節によっても抜ける量が変わってきますし、抜け方で原因や対策法が違ってきます。
今回は、猫の抜け毛の原因や対策法とともに、病気の可能性がある抜け方や、抜け毛の再利用法もご紹介いたします。
 

 

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猫の抜け毛が多い季節は春と秋

 

猫 抜け毛
 

春と秋は「換毛期」と呼ばれる時期で、猫の抜け毛が多くなります。

 

春は夏の暑さに備えて、冬の被毛から夏の被毛に生え変わり、秋は冬の寒さを乗り越えられるよう、気温に適した被毛に生え変わるのです。

 

このように、換毛期の猫は、人間でいう衣替えのようなことをしているといえるでしょう。
具体的な時期としては春の場合は3月ごろ、秋の場合は10月ごろが換毛期にあたります。

 

ただし完全室内飼いの猫は、気温差があまりない環境の中で暮らしているので、1年中抜け変わりが見られます。

 

そもそも、猫の被毛は一般的に、「オーバーコート」と「アンダーコート」という二種類の毛を持ち合わせた「ダブルコート」と呼ばれる作りになっています。
オーバーコートとは、体の一番外側にある被毛のことで、雨や風などから猫の体を守ってくれます。対してアンダーコートは、皮膚の一番近くにある被毛のことで、猫の体を温める役割を持っているのです。

 

換毛期に抜ける毛のほとんどは、アンダーコートだといわれており、抜け毛対策をするためには、アンダーコートをきちんとお手入れすることがカギになります。
 

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病気の可能性?心配な毛の抜け方とは?

換毛期に毛が抜けるのは、猫にとって当たり前のことなので心配はいりません。

 

しかし中には病気の可能性がある抜け方をする場合もあるので、飼い主さんは飼い猫の毛がどのように抜けているのかチェックしておく必要があります。
では、どんな点に注意しながら病気の可能性を見極めればよいでしょうか。

 

1.左右対称に脱毛している

飼い猫の毛が左右対称に抜けている場合は、ホルモン性皮膚炎を引き起こしている可能性があります。
 

ホルモン性皮膚炎とは、体の各器官や臓器の働きを調整しているホルモンの分泌に異常が起こることで見られる病気です。
そして、ホルモンの異常は、以下の4種類に分けられます。

 

●副腎皮質ホルモンの異常

猫の体の中で副腎皮質ホルモンが過剰に分泌されると、「クッシング症候群」という病気が引き起こされます。
クッシング症候群は、胴体の部分に広い左右対称の脱毛が見られたり、皮膚が委縮してしまったりするのが特徴です。
 

さらに、クッシング症候群によって皮膚が弱くなると、「膿皮症」という病気を引き起こしてしまうケースもあるとされています。膿皮症は、皮膚で菌が異常に発生することによって引き起こり、皮膚が化膿してしまうのが特徴です。

 

クッシング症候群は、左右対称の脱毛の他に、多飲多尿(水を飲む量やおしっこの量が増えること)やお腹が膨れるといった症状も見られるので、日頃から飼い猫の様子をしっかりとチェックしておきましょう。

 

●性ホルモンの異常

性ホルモンが異常に分泌されると、生殖器や肛門あたりに脱毛が見られるようになります。
症状は脱毛だけではなく、発情期の周期がいつもと違ったり、繁殖能力が低下してしまったりすることもあります。

 

また、去勢をしたオスの場合は、テストステロンという男性ホルモンが減少するため、お尻や尻尾の付け根、脇腹などに脱毛が見られることもあります。

 

不妊・去勢手術後は特に注意しましょう。

 

●甲状腺ホルモンの異常

甲状腺のホルモンが過剰に分泌されると、「甲状腺機能低下症」という病気が引き起こされます。
甲状腺機能低下症は、心拍数や消化機能に異変が現れる病気ですが、早期発見が難しい病気でもあるといえるでしょう。

 

甲状腺機能低下症は、ホルモン関係の病気の中ではもっとも発症率が高く、特に10歳以上の老猫に見られやすい病気ともいわれています。

 

症状としては、体温が上がるため、涼しい場所にいることが多くなったり、胴体に左右対称の脱毛や色素沈着が見られたりするようになります。

 

●成長ホルモンの異常

成長ホルモンが不足してしまったときも、脱毛がみられるようになります。
その際は、首や太ももの裏側などに左右対称の脱毛が見られたり、皮膚に色素沈着が見られたりすることもあります。

 

兄弟猫よりも成長が明らかに遅かったり、子猫の成長が急に止まったように見えた場合は、獣医さんに相談してみましょう。

 

2.虫がついていたり、落ちたりする

換毛期の季節ではないのに抜け毛が激しいときは、ダニやノミなどが猫の体に寄生していることもあります。
ダニやノミは、室内飼いの猫にとってはあまり関係がないようにも思えるかもしれませんが、飼い主さんの服や手に付着して、家の中に入ってくることも少なくありません。

 

ダニやノミに寄生されると激しいかゆみを伴うので、猫も体を激しく掻くようになり、余計に抜け毛が増えてしまいます。
また、体を激しく掻くことによって、皮膚病や皮膚炎を引き起こしてしまう可能性もあるので、注意が必要です。

 

ダニやノミは専用の駆虫薬で死滅させることができるので、飼い猫がかゆがっているときは、まずブラッシングをして、被毛の中に虫がいないかどうかを確認してみましょう。
 

ただし、ノミを駆除したいときはノミ取り用の首輪で対処をしないようにしてください。ノミ取り用の首輪は毒性が強いものもあるため、万が一猫が誤ってなめたりかじったりしてしまうと中毒を起こしてしまう危険性があります。
 

3.かゆみ・発疹・ふけなど他の症状もみられる

抜け毛と一緒に、発疹やフケなどが見られるときも、猫が皮膚病にかかっている可能性があります。

 

猫も人間と同じで、フケが出ること自体にはなんの問題もありません。
しかし、あまりにも多くフケが見られる場合は、ノミやダニが寄生しているかもしれないのです。

 

また、尻尾の付け根付近にあり、皮脂を分泌する「尾線」が炎症を起こす、「スタッドテイル」という病気にかかっている可能性も考えられます。
猫のスタッドテイルはもともとあまり発症しないとはいわれていますが、去勢をしていない若いオスに見られやすいとされているので、十分注意しましょう。

 

さらに、こうした皮膚の症状以外に、食欲不振や多飲多尿が見られた場合も、体の中で病気が進行しているサインかもしれませんので、早めに動物病院を受診するように心がけてみてくださいね。

 

病気の予防にもなる!おうちでできる猫の抜け毛対策法とは?

完全室内飼いの場合は特に、お部屋の中が猫たちの抜け毛だらけになってしまうこともありますよね。

 

抜け毛をそのままにしておくことは、人間にとって好ましくないだけではなく、猫の健康にも影響が出てしまうことがあります。
これからご紹介する抜け毛対策法を、ぜひお世話の一環として取り入れてみてください。

 

1.ブラッシング

 

猫 ブラッシング
 

飼い猫の抜け毛対策として一番効果的なのは、毎日のブラッシングです。
特に長毛種の場合は、グルーミング(毛づくろい)で自分の抜け毛を飲みこみすぎてしまうことも多く、嘔吐の原因になってしまう場合もあります。

 

猫は自分の毛を少なからず飲みこんでしまう動物ですが、ブラッシングによって抜けるまえに取り除くことができれば、健康維持にも繋げられるでしょう。

 

また、ブラッシングは抜け毛対策になるだけでなく、皮膚の血行をよくしてくれる効果も期待できます。

 

長毛種の中には、ブラッシングを嫌がる子も多いものですが、そうした原因の多くはブラシ前にコームを通していないからだといえます。
 

長毛種の毛は短毛種に比べてもつれやすいので、いきなりブラシを通してしまうと、絡まったままの毛をひっぱることになるため、猫が痛みを感じてしまいます。
特に長毛種の子には、ブラッシングの前にコームを通すようにしましょう。

 

また、スリッカーブラシでブラッシングを行う飼い主さんも多いかと思います。
スリッカーブラシは抜け毛がよく取れる反面、猫の皮膚を傷つけてしまったり、傷みを感じさせてしまったりする可能性が高くなるので、使用する場合は優しく毛をとかすようにしていきましょう。

 

なお、よく抜け毛がとれるブラシが欲しいと思っている方は「ファーミネーター」というブラシを使うのもおすすめです。ファーミネーターは短毛種用と長毛種用に分かれており、弱い力でも抜け毛がごっそりと取れます。
ただし、同じ場所を何度もブラッシングしてしまうと、脱毛の原因になるので注意が必要です。

 

2.シャンプー

 

猫 シャンプー
 

定期的にシャンプーを行うことで、体についた抜け毛をきれいに洗い流してあげるのもおすすめです。
シャンプーを行えば皮膚や被毛の汚れも取り除けるため、結果的に飼い猫の健康を守ることにも繋がります。

 

ただし、猫は自分のにおいがなくなるとストレスを感じてしまう子も多いので、頻繁にシャンプーを行うのは避けるようにしましょう。目安としては、長毛種で2週間に1回程度、短毛種の場合は月に1回程度のシャンプーがおすすめです。

 

また、シャンプーをするときは、絶対に人間用のものを使わないように注意しましょう。
人間用のシャンプーは、アロマ成分が配合されており、猫に使うと皮膚からアロマ成分を吸収して中毒症状に陥るので、大変危険です。必ずペット用のものを使用してあげましょう。

 

3.トリミング

 

猫 トリミング
 

トリミングは犬にするイメージが強いものですが、猫にも必要な場合があります。
長毛種の猫は、短毛種よりも肉球の間や周囲に生えている被毛が長く、量も多いものです。

 

肉球の間の被毛が長すぎると、肉球に備わっている滑り止めの役目が弱くなってしまい、
たとえば猫が猛ダッシュをしたときに止まれず、おうちに中で怪我をしてしまう可能性もあるのです。

 

トリミングでこのような部分のカットをしてあげることで、抜け毛対策や怪我対策につながります。

 

4.抜け毛は掃除機で吸い取ろう

猫の抜け毛を、モップやクイックルワイパーで掃除をしている方も多いかと思います。
しかし、飼い猫の健康を守りつつ、抜け毛対策をしたいのであれば、掃除機をこまめにかけることも大切です。

 

モップなどは手軽に抜け毛を掃除できますが、ノミやダニがいた場合、あまり効果的な対処法だとはいえません。
コロコロを使う場合は、ノミを潰してしまうことによって中の卵も潰れて子供が散らばってしまう可能性が高くなり、逆にノミを増やしてしまうこともあります。

 

掃除機であれば、ノミやダニを逃さず、しっかりと吸引できます。
掃除機の中にはペットの抜け毛に特化した製品もあるので、そうしたアイテムを賢く活用していきましょう。
 

我が家の猫は慢性鼻炎を患っているのですが 、空気中に飛んだ抜け毛の影響で結膜炎を併発してしまうこともたびたびありました。集じん機能のある空気清浄器を設置するのもおすすめです。

 

再利用する方法も!飼い猫の抜け毛対策は楽しみながら行おう

飼い猫の抜け毛が服やカーペットについてしまうと、「せっかく掃除したのに…」と憂鬱な気分になってしまうこともあるかもしれません。しかし、こうした抜け毛は飼い主さんのお世話によって減らすこともできます。

 

また、飼い猫の抜け毛を再利用して、帽子やオーナメントなどの小物を作ることもできるんです!
抜け毛の活用法に楽しさを見出せば、積極的にお世話をしたいという気持ちにもなれますし、イライラも減っていくはず。

 

作り方はこちらの記事でご紹介していますので、ぜひ楽しく換毛期を乗り切ってくださいね。

 

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