冬の足音が一歩一歩近づいてきましたね。

色々な秋を楽しめましたか?

食欲の秋、スポーツの秋、芸術の秋…ちょっと淋しさを感じたり、スッキリした青空を見て気持ちよさを感じたり…『秋』というひとつの言葉からたくさんのものが見えてきます。

 

それは『食材』にも同じことが言えると思います。

 

例えば『れんこん』栄養学の側からみると『れんこん100gに含まれる主な栄養素は、カリウム440㎎、ビタミンB₁0.10㎎、ビタミンC48㎎、食物繊維2.0㎎、カロリー66kcal…含まれている栄養素が必要な場所で効果的に働きます』というふうな表示がされます。

 

一方、薬膳では数字も計算もありません。

ですから、カロリー計算はもちろんのこと、ビタミン、ミネラル○㎎などといった表示もありません。

では、薬膳の場合は何を基準にしているのかみてみましょう。

食材の性質

薬膳では、数字や計算の代わりに食材そのものの性質を重要視します。

色や味によって効果、効能は違いましたよね。

 

五性

食材は、身体を温めたり冷やしたりする性質を持っています。その性質を五つに分類したものが『五性』です。

 

身体を温めるものを『温熱食材』、冷やすものを『涼寒食材』、温めも冷やしもしないものを『平性食材』と呼びます。

暑い時期や暑さでのぼせている時には身体を冷やす食材を、寒い時期や寒さで冷えが気になる時には身体を温める食材を選んで食べることにより、寒熱のバランスをとることができます。

身体に余分な熱がこもっておらず、冷えてもいない、どちらにも偏っていない状態が理想的です。

 

五つに分類されている食材ですが、調理方法によって性質が変わる食材もあります。

例えば涼性食材の『大根』生で食べると涼性食材ですが、加熱すると平性食材になります。この食材を食べたいけど身体が冷えるのは嫌だな…と思ったときには、調理方法を変えてみてはいかがでしょうか。

煮る→蒸す→炒める→揚げる、の順に温の性質が強くなるといわれています。

 

温性食材

身体を穏やかに温めてくれる食材です。胃腸を温めて消化吸収の働きを助けます。

生の生姜、かぼちゃ、ニラ、ネギ、栗、鮭、えび、牛肉、鶏肉など

 

熱性食材

身体を強く温めてくれる食材です。冷えをとる効果が高いので寒い時期におすすめです。冷えが原因の胃痛や腹痛の改善に効果があります。

乾燥生姜、にんにく、唐辛子、こしょう、羊肉など

 

涼性食材

身体の熱を穏やかに冷ます食材です。水を補って渇きを和らげてくれたり、

身体から不要な水を排出したりして代謝のバランスを整えてくれます。鎮静効果があり、不眠の改善にも有効です。

小麦、そば、セロリ、大根、冬瓜、なす、レタス、びわ、梨など

 

寒性食材

身体の熱を強力に冷やす食材です。夏バテ防止には効果的です。解毒、解熱、消炎などの働きや、身体に溜まった老廃物を除去する働きも持っています。

きゅうり、トマト、ゴーヤ、もやし、スイカ、柿、しじみ、あさり、蛸など

 

平性食材

身体を温めも冷やしもしない食材です。食材全体の7割を占めます。どちらにも属さないので常食にむいています。常食しても身体に影響を与えることはありません。他の食材の性質(温、熱、涼、寒)を緩和してくれるので、様々な食材との組み合わせが可能です。

米、小豆、じゃがいも、さつま芋、キャベツ、しいたけ、イワシ、豚肉、ハチミツ、ごま、卵など

 

風邪に効くれんこん

栄養学には栄養学の良さが、薬膳には薬膳の良さがあります。

ですから、いいとこどりして、ペットと一緒に健康に過ごしましょう!冬は冬で楽しいイベントが盛りだくさんです。気を付けたいのは、寒い季節と共にやってくる『風邪』。

テレビでも風邪薬のコマーシャル増えてきましたよね。風邪をひいていたらもったいない!…ということで、

今回は風邪予防に効果的な食材『れんこん』を使ったメニューレシピをご紹介します。

 

《お品書き》

・れんこん団子

・すりおろしれんこんポタージュ

 

れんこん団子

〈材料〉

・れんこん   300g(皮をむいて)

・えび     70g(片栗粉をまぶして汚れをとっておきます。小さめの乱切り)

・オクラ    2本(小さめの乱切りにしておきます)

・パプリカ   30g(小さめの乱切りにしておきます)

・片栗粉    大1

・塩      小1/2

・チンゲン菜  1株(トッピング用。下茹でしておきます)

 

〈作り方〉

・れんこんを小さくカットしフードプロセッサーにいれてすりつぶします。

おろし金ですりおろしてもO.Kです。

・すりつぶしたれんこんに、小さめの乱切りにしておいたえび、オクラ、パプリカ、片栗

粉、塩を加えよく混ぜます。

・5㎝程度の楕円形にします。

・沸騰して湯気の上がった蒸し器で5分程蒸します。

・下茹でしておいたチンゲン菜の上に並べて完成です。

 

すりおろしれんこんポタージュ

〈材料〉

・れんこん   200g(すりおろしておきます)

・豆乳     200ml

・出汁     150ml

・味噌     大1

 

〈作り方〉

・出汁を鍋に入れ温まったら、すりおろしたれんこんを加え、とろみがつくまで弱火で

温めます。

・とろみがついたら味噌を溶かして入れます。

・豆乳を加え温まったら完成です。

 

まとめ

れんこん団子のもちもち食感が大好きで、私個人的に好きなメニューのひとつです。

お揃いご飯は、ペットとの時間を共有できる幸せ時間。彼らがどう思っているのかは別として…(笑)食べさせる時には、小さく切ってスープをかけてあげます。

食材自体にも水分は含まれていますが、身体の中のサイクルを回すためにも水分は大切なので、ご飯と一緒に摂らせるようにしています。

 

季節はもうすぐ冬。冬にも美味しい食材はたくさんあります。

そして、イベントもたくさん控えています。何でも食べて元気な身体をつくりましょう。

食材の持つ性質を意識して、力をお借りして、ペットと一緒に新しい季節を迎え入れましょうね。

 

材料説明

 

〈れんこん〉平性食材

真っ直ぐ穴が通っているので『先が見通せる』といわれる縁起の良い食材です。

身体の中の熱をさましてくれるので、肺の働きを高め身体の渇きを潤してくれます。のどの渇きや痛み、咳などの改善してくれます。風邪予防には効果的な食材です。

全身の血行を促して新陳代謝を活発にするので、肌を健康に美しく保ってくれます。

れんこんのしぼり汁には、鼻血や不正出血、胃潰瘍、痔などの出血を止める作用があります。

 

〈オクラ〉平性食材

胃腸の働きを整えるので、消化不良や胃炎などに効果があります。身体の渇きを潤してくれるので乾燥性の便秘を解消してくれます。タンパク質の吸収を高める働きを持っているので、疲労回復にも効果的です。また、身体にたまった余分な熱や老廃物を排出する働きにより、肌を健やかに保ってくれます。イライラやストレスがたまっているときにも、おすすめの食材です。

 

〈チンゲン菜〉涼性食材

白菜の仲間です。

血行を促進し身体の中の余分な熱を冷ましてくれるので、イライラや落ち込んだ気持ちを鎮めます。新陳代謝を高める働きにより、肌荒れやニキビなどの肌トラブルを改善してくれます。胃腸の働きを助けてくれるので消化吸収が促され、食べ過ぎによる胃のもたれや胸やけにはおすすめの食材です。チンゲン菜の青汁は二日酔いに効果的です。

 

〈黄パプリカ〉平性食材

薬膳的には、ピーマンと同じ効能を持つと考えられています。

肝の働きを高め気の巡りがよくなることから、イライラや憂鬱な気持ちを解消心を穏やかにしてくれます。気の巡りがよくなることで血行もよくなり、血行不良による肩こりや腰痛が軽減されます。胃腸の調子を整える働きにより食欲不振が改善されます。

食事は彩りも大切な要素です。彩のバランスが取れていれば栄養的にもバランスが取れています。

 

〈えび〉温性食材

身体を温めて冷えを取ってくれます。足腰に冷えを感じる時にはおすすめの食材です。腎の働きを高めるので身体を元気にしてくれます。体力を回復しスタミナがアップします。胃腸の働きを高めてくれます。胃が弱っているとき食欲不振のときには効果的です。

薬膳では、乾燥した干しえびも生のえびも効果効能は同じと考えられています。干しえびは、彩りも香りもよいのでおすすめです。

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