皆さん、こんにちは!
 
タニタ社員食堂初代管理栄養士後藤恭子です。
第4回のコラムでお話ししましたが

「生活習慣病」とは、日常生活での不健康な生活習慣の積み重ねによっておこる病気で、これは個人が毎日の生活の中でバランスのとれた食事、適度な運動を実施することで予防ができるものです。
 
生活習慣病の代表的な病気として、糖尿病・高血圧症・脂質異常症・肥満などがあります。
先日の厚生労働省の調査で、糖尿病有病者が1千万人・糖尿病予備軍が1千万人という結果が出ました。
 
第4回コラムで「生活習慣」とは、「生活習慣病」について、そして第3回コラムで「あなたの体格は?」で各個人のBMI、標準体重を算出していただき、自分が太っているのか?痩せているのか?標準なのかを確認できたと思います。
 
そして第6回コラム「食習慣チェック」でチェック項目にあてはまる改善項目が見つかったことと思います。
ぜひ自分を知って生涯健康で自立して有意義な生活を送る様に心がけてください。
 
今が健康でも不規則な生活を続けていますと、短期間ではそれほど影響を及ぼしませんが5年後、10年後には必ずと言っていいほど生活習慣病があなたを襲ってきます。

 
 

塩分を控えるためのコツ

前回の食習慣チェックで、食事の摂り方や食行動の改善方法がわかったと思います。
今回は、「減塩のコツ」について、どのような食品をどのように食べればよいのかのお話です。

 

塩分について

皆さんは市販されている「お惣菜」の味について、濃い味と思われますか?それとも薄味?
 
薄味と感じる人は要注意です。全般的にそれらのお惣菜は保存や一般に濃い味を好む人が多いために売り上げの関係で濃くしてあります。濃い味付けですとご飯が進みますし、食べ過ぎの原因になります。

 

そもそも「塩分」とは

塩分(ナトリウム)とは、私達が生きていくために必要不可欠なミネラルです。
主な働きとして骨・血液・筋肉や内臓機能を調節し、細胞内液のカリウムと共に浸透圧の調節を司っています。
 
不足すると筋反射が低下して疲れや手足のしびれを起こすこともあります。しかし激しいスポーツで一時的に起こることがある程度で、日常生活で不足することはまずありません。それよりも問題なのは過剰摂取です。
 
調理に付き物のしょう油や塩・味噌などの調味料、またナトリウムを多く含む食品を知らず知らずのうちに過剰に摂取しています。この過剰摂取が様々な生活習慣病を引き起こす原因となっています。

 

「ナトリウムと」と「カリウム」の関係について

前項でも触れましたが、体内の細胞内外液の浸透圧を維持しているのがナトリウムとカリウムの関係です。ナトリウムとカリウムは2対1で浸透圧のバランスを保っています。
 
ナトリウムの摂りすぎは高血圧を招きますが、カリウムはナトリウムの排泄を促して血圧を下げる作用があります。ですからナトリウムの吸収を防ぐためにはカリウムを多く含む食品を積極的に摂取する事が大事です。
 
芋類、豆類、野菜・海藻類などを多く含む食品を積極的に食べる習慣をつけておきましょう。

 

減塩のコツ

上手に減塩しましょう

  1. 佃煮や漬物は少量にして、しょう油をかけるのは極力控えめにしましょう
  2. 煮物は「だし」を活用して食材その物の旨味を引き出すようにしましょう
  3. お浸しや和え物は、めんつゆや生姜・わさびなどを使用してしょう油や塩を控えめにしましょう
  4. 酢やポン酢・ビネガー・柚子・レモンなどを使用した酢の物は簡単で疲労回復にも効果があります
  5. 野菜類は温野菜にして酢しょう油やポン酢で食べることで野菜をたくさん食べることができます
  6. ソテーや煮込み料理では、カレー粉・唐辛子・こしょう・マスタードなどのスパイスを上手に使いましょう。牛乳やピューレ使うことでも減塩なります。ハーブで臭みを消したり香りを出すこともお勧めです。
  7. 味を効かせたい時は、最後の仕上げで表面に味をつける工夫をしましょう
  8. 味噌汁やスープなどは具だくさんにして、具の旨味を活かしましょう。

 

食品を購入するときの注意点

市販の食品の包装などには、栄養成分表示がされていますので、ナトリウムや塩分相当量の少ない食品を選びましょう。
 
最近はしょう油・味噌・だし・つゆなどの調味料から、かまぼこ・梅干し・ハムなどの加工食品まで、様々な減塩食品が販売されていますので、ぜひ調理などに活用してください。

 

ナトリウムを多く含む食品

ナトリウムを多く含む食品は控えめにしましょう。
 
調味料では、味噌・しょう油・塩・ウスターソース・コンソメなど。
 
食品では、即席中華麺・カップ麺・干しうどん・カレールー・さきいか・たらこなど。

 

カリウムを多く含む食品

カリウムを多く含む食品は積極的に摂りましょう。
 
大豆・刻み昆布・里芋・トマトジュース・アボカド・さつま芋・やまと芋・ほうれん草・納豆・干しひじき・いんげん豆・バナナ・かつお(春獲り)・さわら・めかじきなど
 
カリウムは野菜や果物など幅広い食品に含まれるわりに、不足しやすいミネラルです。調理でも失われ、煮た場合の損失は約30%です。また前述しましたが、食塩の摂取が多いとナトリウムも排泄されます。またストレスやコーヒー、酒、甘いものもカリウムを減らします。糖尿病の人も欠乏しやすくなります。
 
カリウムは過剰に摂っても心配はないので充分に摂取してください。

 

食事をするときに気をつけたいこと

  1. 味のメリハリを大切にしましょう。お料理の味付けは全てを薄味にするのではなく、そのうちの一品は普通の味付けにして美味しく食べましょう
  2. しょう油やソースは「かける」のではなく「つける」ようにしましょう
  3. しょう油差しは噴霧式を使用することで量を減らすことができます

  4. 食べ過ぎに注意しましょう。せっかく減塩をしても、食べ過ぎては結局塩分の摂りすぎになってしまいます
  5. ラーメンやうどんなどの麺類のスープや汁はできるだけ残す習慣をつけましょう
  6. 見えない塩分に気をつけましょう。かまぼこや竹輪などの練り製品、ハムやソーセージ・ベーコン・生ハムなどの加工食品にはナトリウムが多く含まれています。できるだけ控えめにしましょう
  7. 塩分量は1日の中で調整しましょう。昼食で塩分を摂りすぎた時は、夕食で控えるなどして3食で調整すると無理なく減塩することができます

 

 
関連カテゴリ:タニタ食堂初代管理栄養士の「いっしょに元気!」

 

 

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きのこスパゲティ、牛肉サラダ、フルーツ
kcal 603
塩分相当量 2.3g

〇きのこ類は最近は1年中出回っていますが、旬はこの時期です。
 様々な種類のきのこを味わってください。
〇牛肉サラダ=風味のよいドレッシングで、肉と一緒に野菜がたくさん摂取できます。
〇きのこ類の特徴は、カルシウムの吸収を助けるビタミンDと、美容ビタミンと言われるビタミンB2を含んでいることです。
 

きのこスパゲティ

材料 2人分量(g)

スパゲティ 160
えのき茸 50
まい茸 20
しめじ 40
干し椎茸 4
大葉 4(4枚)
めんつゆ 24
オリーブ油 8(小さじ2)
バター(小さじ1強)
 

  1. スパゲティは熱湯でゆでておく。
  2. 干し椎茸は、もどして締め切りにする。まい茸は手でほぐす。
    えのきだけ、しめじは根元を落としてほぐす。大葉は千切りにする。
  3. フライパンに油とバターを熱し、②を入れ炒め、塩で調味する。
  4. ③に茹でスパゲティを加え、ひとまぜして火を止める。
  5. 器に④を盛り、大葉を飾る。

 
 

牛肉サラダ

材料 2人分量(g)

牛もも肉(薄切り) 100
しょうゆ 4(小さじ1弱)
みりん 4(小さじ1弱)
キャベツ 120
にんじん 20
ニラ 30
赤唐辛子(少々)
A ごま油 3(小さじ1弱)
A 酢 10(小さじ2)
Aしょうゆ 10(小さじ2弱)
Aさとう 2(少々)
Aおろししょうが 4
A油 4(小さじ1)
 

  1. 牛肉は縦切りにし、しょうゆ、みりんをかけて、軽くもみ込んでおく。
  2. キャベツはざく切り、にんじんは3cm長さの短冊切りにする。
    ニラは3〜4cmの長さに切る。唐辛子は種を除き小口切りにする。
  3. Aの材料を合わせ、ドレッシングを作る。
  4. フライパンに油を熱し、牛肉と人参、ニラをさっと炒め、③とキャベツを入れて、
    一混ぜし火をとめて、唐辛子をまぜあわせ、冷蔵庫で冷やす。

 
 

果物

りんご 200(1個)