
尼僧が教えるペットと寺社仏閣に行くときの心得・マナー
皆様こんにちは。猫のしもべリーダー兼尼僧の尾田嵩月です
台風が2週連続通過で、我が家の3兄弟は暇だからか荒ぶっておいででしたの。
こたつを動かすほどの大運動会で、正直泣きそうになりました・・・
さて、今回はペットと行ける社寺仏閣でのマナーについて記していこうと思いますが、
ワンちゃんの七五三をして下さる神社様なんていうのもあるのですね。
こちらの他のライター様の記事を拝見して、うちはニャンコだからワンちゃんはいいなあ~と指をくわえつつ拝見致しました。
私が勤めております寺院にも、ペット向けの納骨堂がありますし、ペット同伴での来寺もよくございます。更に、よく同業の僧侶様、神主様から聞きますのは、ペット連れのお客様のマナーについて。心温まる話から、困った話まで色々あります。
ですので、社寺仏閣に務める私達目線、また飼い主さんから寄せられる疑問も合わせて、ペット同伴で社寺仏閣を訪ねる時のマナーを記していきたいと思います。
ペットを通夜、お葬式に連れて行っていいの?
まず、飼い主様から寄せられる疑問の一つに通夜、葬儀に連れて行って良いのか?
というのがございます。
これは、ケースによります。もしも、飼い主様が生前、大変可愛がっていたのであれば、同伴してよいと思われます。
要は、飼い主だったりした場合ですね。ペットにもお別れをさせてあげたいでしょうし。
ですが、同伴して弔問したいという場合です。
故人様が飼い主でなく、知人や友人である場合。これは同伴したいペットが故人と深い接点があるのか、無いのかで判断頂きたい事と、本来なら葬儀などの冠婚葬祭の場にペット同伴は、マナー違反である事をご理解頂きたいと思います。
もし、故人様と深い関わりのあるペットなので、どうしてもお別れをさせたいという場合は、通夜、葬儀が執り行われる斎場、ご遺族に経緯を説明し許可を頂いてからにして下さい。
故人様が飼い主の場合も、通夜、葬儀でお世話になる施設にきちんと許可を頂いて下さいね。通夜、葬儀は昨今様々な形があります。斎場で行われることもあれば、火葬式のみや、自宅、社寺という事もあります。
お別れの儀式は、今現在、多様です。ですから、必ず先方に許可をとって下されば、マナー違反とはなりません。
ペットと一緒に寺社仏閣に行く際の心得
次に社寺仏閣にペット同伴される場合、何に注意を払うべきか記していきます。
大体、同伴で一番多いのはワンちゃんですから、ワンちゃんの場合で記していきますね。
マーキング行動をさせない
まず、社寺仏閣というのは重要文化財や国宝を多く所有する場合が大変多いです。
要は、国や県の歴史の詰まったお宝が多いのですね。そこで一番気をつけねばならないのが、建物そのものが国宝や文化財であるという点です。
困った話で、一番多いのがマーキング行動です。
マナー袋は持ち歩いて大の場合回収して下さる飼い主様が大半な中、小についてはノーマークの場合が多いです。
柱一つとっても、重要な文化財であったり、大切な歴史を守るに欠かせない柱だったりします。
一度マーキングをされてしまうと、他の動物も縄張り主張の為に、更なるマーキングをされてしまう・・・。
マーキングの無限ループで腐ってしまったり、シロアリに侵されることもあります。
建物だけでなく、雄大な自然に囲まれた社寺もありますから、樹木などにもNGです。
参道、境内内の植物などもマーキング、および大の放置はご遠慮下さいね。かといって、生き物ですから排泄行動を我慢させてもかわいそうですので、大は必ずお持ち帰り頂き、小はおむつなどの、そのペットちゃんに合った方法をご準備くださると良いかと思います。
ですので、マーキング行動は社寺仏閣サイドとしてはご勘弁頂きたいところですので、十分にご配慮下されば、同伴OKの社寺も沢山あると思います。
他には枯山水に足あと・・・や、白壁にマーキング跡・・・、お供えが荒らされて・・・なども聞きますが、これは伸びるタイプのリードを扱いきれていない飼い主さんが、制御しきれずという場合や、お子さんがリードを持たれているなどの場合が多いようです。
リードはしっかりとワンちゃんを制御できるもので、制御できる人がもって下さい。
マナーの基本は「事前確認」
次に吠える、他のペットがいると落ち着かないというのは困ると思います。
例えば、関東の神社様で、ワンちゃんの祈祷をして下さる所があるようでしたが、祈祷していただくにも、ちゃんと受けられる体制にないと困ると思うのです。
じっとしていられる、他の犬、人に動じない、または動じても飼い主のいう事をよく聞ける、吠えない。というのは大事な条件と思います。ペット同士のトラブルになっても大変ですから。
ただでさえ、ワンちゃんからしてみれば、慣れない所に行くわけですし、祈祷をしている際の、こちらの声や動きに、恐怖を憶えても仕方ない場面もあります。
ゴーーーーンと、大きな金や鈴が鳴ったり、低めの大きな声が響いたり、知らない人やワンちゃんが沢山いたり。ワンちゃんにとっては緊張しても何らおかしくない環境にありますから、飼い主さんもしっかり配慮してあげて下さい。
ワンちゃんを祈祷下さる社寺かどうかわからない場合や、同伴は良いかわからない場合は、必ず事前に問い合わせをして確かめるようにして下さいね。
マナーの基本は、先方に確認を事前にとる。これです!
問い合わせましたら、OKの場合はどのように連れてきてほしいなどの指示を下さいますから、それに従って下さい。
ワンちゃんなら、リード必須とか、猫ちゃんならキャリーでなど指示を下さいます。
車にペットを残しての参拝は非常に危険です
そして!!
一番みかけるのは、車にペットを残して参拝されているケースです!社寺側に連れて入るのは・・・とご配慮下さるのはありがたいのですが、それで車内に残されたペットちゃんが体調を崩してしまったりされては、悔やみきれません。
子供の社内放置は注意喚起が浸透していますが、ペットは子供以上に危険です!!
真冬以外は危険と認識してください。我々人間は持ち合わせていない被毛の分、脱水に即なります。
これは大袈裟でも何でもありません。停車した車の温度は日当たりのよい所だと、春秋でも5分あれば30度を超えます。エンジンをつけ空調を入れっぱなしでも、走行していないと冷たい風は10分もあれば出なくなります。
車内温度は40度くらいにはすぐになります。
ちょっとだけだからという安易な気持ちで、ペットを車内に置いて参拝しないでください。それなら社寺仏閣に許可をとって、ご一緒にご参拝下さい。
同伴参拝を断られた場合は、事情を説明し繋がせておいてもらうなどして下さい。
最後に
社寺仏閣にペット同伴での参拝は
- マナー袋持参、リード必須
- マーキング行動はさせない(建物、樹木など境内、参道はすべてNG!)
- 車中においていかない
- 吠えない、パニックにならない、人馴れ犬慣れしている
- 葬儀などは必ず先方の意向に従う。故人様が家族の場合、会場側に応相談
以上の点に気を配れば、マナー違反もなくお互い気持ちよく過ごせると思います。
ペットは家族。
だからこそ、皆が気持ちよく楽しめるようにお互い配慮しつつエンジョイして頂きたいと思います。
至心合掌 尾田 嵩月
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