
ミニチュア・ダックスフンドの性格について知ろうー飼い主は見た!犬猫生態図鑑
毛質の種類によって性格タイプが変わる!?
大人になってからその夢が叶い、一緒に暮らすことになり早18年。
我が家の梅太郎は、人間にすると100歳近い長老です。
今回は飼い主から見た「ミニチュア・ダックスフンドの実態」について書いてみました!

ミニチュア・ダックスフンドの概要と歴史
名前のとおり、アナグマを狩るための猟犬とされていました。スタンダードなダックスフンドが、さらに小さな獲物を捕らえられるように小型化されたのが、ミニチュア・ダックスの始まりです。
筋肉質ですばしっこいため、現在でもドイツでは猟犬として活躍しています。

通常のダックスフンドの標準体重は9kgほどですが、ミニチュア・ダックスフンドは3.5~5kgほど、大きくても7~8kg程度です。
ミニチュア・ダックスは、ほかの犬種と比べて色のバリエーションが豊かです。
単色は「レッド」、赤みがかかったイエローの「レディッシュ・イエロー」、黄みが強い「イエロー(クリーム)」の3種。
そのほか「ブラック&タン」「ブラウン&イエロー」など2色のバイカラーや、「ダップル」「ブリンドル」などの混色の子もいます。
また、色だけではなく毛質によっても違いが見られます。
毛が硬く短毛の「スムース・ヘアード」、スムースとは反対に毛が柔らかく、長めの体毛に少しウェーブがかかった「ロング・ヘアード」、カールした毛質で、眉毛とアゴの部分が特に長めの「ワイアー・ヘアード」の3種類に分類されます。
昔はスムースコートとロングコートが一般的でしたが、その後ワイヤーヘアーが登場しました。

ミニチュア・ダックスフンドの特徴と性格
胴が体高の2倍もあり、短い足でちょこちょこと歩く姿はとってもチャーミングです。

一般的に、活発で好奇心が強く陽気な性格なことから「犬世界の楽天家」とも呼ばれています。
ミニチュア・ダックスの毛質の違いは、それぞれ交配された犬種によるものです。このことから、毛質によって性格のタイプも異なるといわれています。
スムースヘアーは元来のダックスの流れをくみ、遊び好きの元気っ子で警戒心が強いです。
3タイプの中で一番抜け毛が少ないので、抜け毛が気になる方はこのタイプが向いています。
スパニエル系を先祖に持つロングヘアーは、スムースとは逆におとなしく温厚です。
ワイヤーヘアーはテリア系の特徴を持ち、活発な子が多く気が強い傾向があります。

我が家の梅太郎はロングヘアーで、性格もおっとりとしています。
一般的にダックスフンドは明るく動き回る子が多いですが、比較的おとなしく、子犬の頃から一日の半分は寝てすごしています。
しかし、いざ自分が得をすると確信するや否や、見たことがないほどの機敏さで行動します。
彼は楽をするための努力は惜しみません。これも楽天家ゆえなのでしょうかね。

また、古くから人間と共に狩りをしていたミニチュア・ダックスは、生まれつき人懐っこく言葉もよく理解してくれる良きパートナーです。
鋭い観察眼を持ち、空気を読む能力にも長けています。
梅太郎は持ち前の楽天家気質をフル活用し、周りがどんなに慌てようが騒ごうがあまり気にしていません。大地震のときですらグースカ寝ていました。
何事にも我関せずなマイペースですが、表に出さないだけで周りの空気や私の表情をしっかり読み取ってくれているのです。
たとえば私が具合を悪くして寝込んでいると、必ずどこかからやってきてピッタリと寄り添い、患部を温めてくれます。
普段はクールですが、いつもと違う細やかな変化を敏感に察知し、いつも忠実に見守ってくれる優しい王子様です。
ミニチュア・ダックスフンドの日ごろの世話とケア
運動量が多い分、食事の量も多くなりがちですが、欲しがるままにおやつやごはんをあげてしまうと、肥満の危険性が高くなってしまいます。
ミニチュアダックスにとって、肥満は大敵!長い胴を短い足で支えているので、体重が負荷となって椎間板ヘルニアを引き起こしたり、心臓に負担がかかりやすくなったりします。体重管理にも十分注意しましょう。

また人懐っこい反面、警戒心が強く、人見知りしがちでほかのわんちゃんと仲良くするのが苦手です。
小さい頃から人やわんちゃんとふれあう機会を作ってあげるとよいでしょう。毎日のお散歩もチャンスタイムです。
そして基本的に自立心が強いですが、実はとても甘えん坊。みんなで話したりワイワイ騒いだりしていると、ぐいぐいと参加したがります。
ツンデレな一面も理解し、できるだけ輪に入れてあげてください。
被毛は、硬い上毛と柔らかい下毛の二重構造(ダブルコート)です。ダブルコートは寒さに強いという特徴がありますが、換毛期には毛が抜けやすくなります。
毛質を問わず、定期的にブラッシングをしてあげましょう。
ミニチュア・ダックスフンドを飼う上での注意事項
腰への負担やヘルニアに注意
普段からムダ吠えなどの吠え癖をしっかりしつけておきましょう。あまり甘やかしすぎると自分がえらいと思い込み、言うことをきかなくなりますので、一緒に暮らしていくためには線引きをすることも大切です。
胴長のミニチュア・ダックスには、腰に負担がかかる行為は絶対NGです。肥満ももちろんですが、注意してほしいポイントは階段やソファなどの段差。
わずかな上り下りでも、ミニチュア・ダックスにとっては大きな負担になりかねません。段差がある場所はできるだけサポートしてあげましょう。
抱っこから地面に降ろすときは低い位置にする、抱っこするときは胴を支えるようにしてあげる、など日常のちょっとしたことが予防につながります。
我が家では、板や硬いスポンジを組み合わせてスロープを作っています。重量も軽く、必要に応じて移動させやすいのもメリットです。
ホームセンターや100円ショップなどで気軽に入手できますので、活用してみてください。
運動好きなミニチュア・ダックスが動きたがらない、お散歩を嫌がる、などのそぶりがあったときは、どこかに負担がかかっているサインかもしれないので日頃から注意してみてください。
またほかの犬種よりも短足な分、体が道路に近くなります。
夏場は熱中症になりやすいため、お散歩は涼しい時間を選んだり、時間を短くしたりなどの対策をしましょう。

たれ耳のケアも大事
さらにミニチュア・ダックスはたれ耳ですので、耳の病気も気をつけたいポイントです。
耳垢がつきやすいのはもちろんですが、耳ダニがついていても隠れていて気づかないことも。
耳が匂う、耳をよくかく、頭を振ってかゆがるなどの行為が見られた場合は、病院で診てもらいましょう。お散歩から帰ってきたらチェックする習慣をつけておくと安心です。
そのほか、進行性網膜萎縮症(PRA)にかかりやすい傾向がありますので、健康診断や病院に行く際に眼科検診を行うなどして、健康を守ってあげましょう。
昔からハンターとして活躍してきた歴史を持つミニチュア・ダックス。
もちろん、我が家の梅太郎も例外ではありません。
日々のお散歩でも周りのものに興味津々。
普段から気をつけてはいますが、ターゲットを見つけるとリードがあるのも忘れて走り出し、ビンッと引っ張られてエアいぬかき状態になることもしばしばです。

ある日お庭で草むしりをしていると、一緒に遊ぼうと梅太郎がやってきました。
早速お庭のチェックを開始。問題なしとみなしたのか、ライフワーク(習性?)ともいえる穴掘りに没頭しはじめました。
ザッザッと掘った土が私にバシバシとかかるのも気にせず、梅太郎は一心不乱に堀り進めています。もはや無の境地。
久々の穴掘りだし、と大目に見て私も草むしりに熱中しはじめると、なぜか急に静かになりました。
お庭でのお昼寝も彼のお気に入り。飽きて寝ちゃったのかな?とふりかえると、そこには自分の周りを穴だらけにし、身動きが取れなくなって困り顔の梅太郎がいました。
まさに陸の孤島。なぜ自分の体以上の穴を掘るのでしょうか。抜け出そうと一歩踏み出した前足は、二歩目の置き場を探してさまよっています。
プライドが高い彼は、なかなか助けを求められなかったのかもしれません。完全にしっぽも急降下。
ひとしきり爆笑し終えた私は、梅太郎を抱っこして部屋に戻りました。
その後よほど気まずかったのか、もしくはプライドを傷つけてしまったのか、ハウスに引きこもってしまいました。
一度開いた穴はそう簡単に埋まりそうもありません。ちょっと反省。今後はどんなにお茶目な行為にも、笑うのを我慢しようと誓いました。
ミニチュア・ダックスの本能たるや恐るべしです。

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