
vol.6 ネコ:飼主さん何で気づきました?(前編)ーこの子の病気は私がみつける!
お正月休み、冬休みも終わって、生活も正常モードになってきた頃だと思います。毎日寒い日が続きますね。最強寒波・関東平野部でも雪という天気予報を見ると‘早く春にならないかな’なんて思います。
今回はなかなか異常の発見がしにくいネコちゃん編です。眼で見て分かる変化とともに今回は趣向をかえまして、来院された‘飼主さんがどんな異常を感じて来られることが多いのか’を合わせて書いてみようと思います。
爪
飼主さんの訴え
- 抱いていると引っかかる
- 歩く時カチカチ音がする
- 爪が引っ込まない
- 肉球から出血する
以上のような内容の訴えが多いと思います。
実はこの順番、1-4の順番に爪が長くなっています。
ネコちゃんは年齢を重ねるにしたがって、爪を研がなくなったりしますので注意して定期的に爪切りをオススメします。
1-3までならば家での爪切りも可能ですが、4の場合は更なる出血の可能性が高いので、病院での処置が必要と思われます。
尾
飼主さんの訴え
- 尾の付け根がベトベトしている
尾根部
ふけ、色素沈着が認められ、脂っぽくベトベトしている。あるいは脱毛や黒い汚れが付着していることがあります。
意外とネコちゃん自身はかゆみ等の症状がなく、飼主さんが汚れを気にしているというケースもあります。
教科書的にはグルーミングをあまりしない猫や未去勢のオス猫に好発するといわれていて、俗にスタッドテイルと呼ばれます。
腰背部
飼主さんの訴え
- 毛が抜ける
- 舐めている
- かゆがっている
この部分!まずは、“ノミ予防しているか”が重要です。
ノミに刺されると、同時にノミに対してのアレルギーを引き起こし、もっと痒くなることがあります。
そしてその症状が出やすい場所として腰背部があげられます。ネコちゃんの皮膚病変を診察する上で絶対避けて通れないのがノミ刺咬症とノミアレルギーなのです。
ノミは気温13℃以上ならば活動しますので、冬でも除外できない外部寄生虫です。ノミの寄生が除外できれば次のStepに移行し、検査を行っていきます。
※ノミについて
ノミは、卵→幼虫→さなぎ→成虫と成長する昆虫です。動物に寄生して吸血して、産卵します。
卵・幼虫・さなぎの時は動物の上ではなく、動物の生活している環境(直射日光の当たらない湿った場所ならば屋外・屋内問いません)で生活しています。
産卵する能力も高いので爆発的に増えます。もちろん人も刺されますので、要注意です。寒い時期でも痒がっているネコちゃんを診察するとノミが寄生していることがあります。
今回は、趣向をかえて飼主さんが気づいた(気になった)ポイントを中心にネコちゃんの病気の見つけ方を解説しました。
‘よく気づきましたね’、‘よく見つけましたね’と感心させられることもしばしばあります。日頃ネコちゃんをよく観察してみることが、早期発見に繋がると思います。
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