先週に引き続き、柴犬・らい君(2歳・オス)のドッグスクール奮闘リポート。

 

ワンちゃん同士のコミュニケーションが苦手な彼の成長を願い、飼い主であるFanimalメンバー・えのもっちゃんと「スタディ・ドッグ・スクール」(神奈川県相模原市)のグループレッスンへ通い始めたらい君。

 

なんと、2ヶ月という長丁場!

 

まずは前回のレッスンを振り返りましょう。教室に入ったばかりのらい君、すぐに帰りたくなってしまったようで、尻尾は下がって、出口の方ばかり見つめていました…。

 

ライ001 | Fanimal(ファニマル)

 

しかし、レッスン終了間際には数々の試練を乗り越えて自信回復! 表情は凛々しく、尻尾は高々と勇ましい姿に。

 

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あれから一週間経った今回。“人見知り”ならぬ“犬見知り”のらい君の様子は…?
少し不安に思っていたところに、らい君がやって来ました。

 

ライ003 | Fanimal(ファニマル)

 

なんと、前回の“犬見知り”っぷりとは別人のよう! 足取りも軽く、教室内を元気に行き来していました。

 

先週は、教室のまん中に行くのにもおっかなびっくりだったのに…。

 

飼い主のえのもっちゃんも「家の中ではゆったりしてますけど、外でこんなに落ち着くなんて珍しいですね」と驚いた様子。

 

もはや、ここは勝手知ったる場所なのか? 今日は幸先のいいスタートです!

 

前回のおさらい〜挨拶させないほうがいいタイミング〜

まずは、レッスンを受ける6頭のワンちゃんでいっせいに教室内を歩きましょう。

 

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犬は人間が思っている以上に『嗅覚の世界』で生きています。

 

前回のレッスンから一週間経っているので、教室内に新しくついたにおいを嗅がせてあげてから授業に入ったほうが、集中してくれるということ。

 

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行き交う中でワンちゃん同士がお互いに興味を持ち始めたら、そこで挨拶してもOK。
ただし、「こういう時には近付かせないほうがいい」というポイントがあるのだそう。

 

それは、警戒のサインをだしているとき(“背中の毛が逆立っているとき”など)と、怖がっているサインをだしている時(“怖がって後ろへ逃げようとしているとき”など)。

 

背中の毛が逆立っている時は、相手に対する警戒心が高まっていることの表れ。
この他にワンちゃんが警戒している時は、“口角が上がって”いたり、“しっぽを振って”いるなどのサインがあります。

 

「え? しっぽを振っているときはうれしいんじゃないの?」と思うかもしれませんが、しっぽの振り方をよく見てみてください。

 

“ぴんとしっぽを立てて、小刻みに振っているとき”は、相手を威嚇しているサインなんだそう。
そんなときは、しっぽの動きが止まったときに攻撃に出てしまう恐れがあるので、無理に近づかせるのはよくありません。

 

犬は、全身で感情を表現する生き物。自分のワンちゃんの様子をよく観察して、その時々の感情を見極めてあげることが大切なんですね。

 

では、いよいよ講義に入っていきましょう。
講師を務める長谷川先生の話を聞く際、飼い主さんはリードを足で踏んで短くして、ワンちゃんが足元にいる体勢をキープします。

 

これも前回のおさらいですね。
らい君も、えのもっちゃんの足元で、とてもいい子にしています。すごい!

 

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「ワンちゃんも、突然体調を崩して目薬をささなきゃいけなくなるようなこともあります。

 

そのときだけ急に体をガッと押さえられると嫌悪感を覚えてしまうので、たまにこうやって、体の自由を制限される経験をすることも大切なんですよ」(長谷川先生)

 

飼い主が守るべきルール

今回の講義のテーマは「犬を飼うための心構え」。ワンちゃんと生活していく上で、どんなルールを守らなくてはいけないのか? というお話です。

 

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では、“飼い主としてすべきこと”を挙げていきましょう。
まず、「飼い犬の登録」。それから狂犬病の予防接種です。

 

現在の狂犬病予防接種率は約70%で、世界保健機構のガイドラインの基準を満たしています。

 

ただし、登録されていない犬を含めると、この水準を下回ってしまう日本では、予防摂取率を高める必要があるとのこと。
予防接種は年に1回、必ず受けるようにしてくださいね。

 

そのほか、「鑑札」、「狂犬病注射済証」、「迷子札」を装着させることも忘れてはいけません。

 

「鑑札は行政で管理されているので、ワンちゃんが保護されたら個人情報を辿って、飼い主さんに連絡がいくようになっているんです」(長谷川先生)

 

東日本大震災のとき、鑑札の有無が飼い主さんの元へワンちゃんが戻れるか否かの分かれ道となったという話も。

 

体の小さいワンちゃんだと、首輪に鑑札を付けるのが難しい場合もありますが、首輪につけられるポーチなどを活用するのもひとつの方法です。

 

また、“犬の飼育管理”も大事。具体的に言うと以下の通りです。

  • 排泄物の処理&トイレトレーニング
  • リードを使用した散歩
  • 抜け毛に配慮したブラッシング
  • マナーを考慮した適切な運動
  • 年に1回の健康診断とワクチン接種
  • 毎月行うノミ、ダニの予防
  • 避妊去勢手術の検討
  • 犬のにおいに配慮した衛生管理

 

現在、日本には1千万頭の犬がいると言われています。

 

しかし、内閣府の調べによれば、悲しいことに、日本人の4人に1人は、「犬や猫が嫌い」なのだそう。その大きな理由として考えられるのが「飼い主のマナー違反」。

 

犬と人間が社会でうまく共存できるよう、ちゃんとしつけてあげるのはもちろん、飼い主さん自身も、ワンちゃんを飼う上でのマナーを守っていきたいものですね。

 

誘惑に負けるな! 一週間ぶりの“ほめ言葉”の効果やいかに?

続いては、前回も練習した“ほめ言葉”を少しレベルアップさせてチャレンジします。まずは立った状態で、ごほうび(=おやつ)を後ろに隠し、「いい子~!」と声をかけてからあげてみましょう。

 

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続いては、手におやつを持たない状態で「いい子~!」と声かけ。その後にポーチから出し、与えてあげましょう。

 

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この際、手でおやつをもぞもぞ触ったり、おやつの袋などをカサカサ鳴らしながら「いい子~!」と声をかけてしまうのはNG。

 

ワンちゃんは飼い主さんの動きや音に注目して反応するクセが付いてしまいます。
必ず「いい子~!」と言った後におやつを出し、ほめ言葉そのものに反応する子に育ててあげてください。

 

ワンちゃんが飽きにくくなるので、ごほうびにするおやつは何種類か用意してあげるといいでしょう。

 

では、ここからは応用編。長谷川先生が、教室のまん中におもちゃを置きます。
これすなわち、ワンちゃんにとっての“誘惑”! おもちゃを取りに行きたい状況の中で、「いい子~!」とほめ言葉をかけるレッスンをしていきます。

 

中には、おもちゃが気になってチラチラ見てしまう子も…。

 

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実は、このシチュエーションには深い意図があります。

 

おもちゃを見たワンちゃんが「あそこへ行きたいなあ」と飼い主さんを引っ張っていき、結果的にたどり着いてしまうと、ワンちゃんはその経験から「飼い主さんを引っ張れば行きたい所へ行けるんだ!」と思ってしまうんです。

 

それが染み付いてしまうと、お散歩中にほかのワンちゃんや小さな子どもなど、気になるものを見つけると、飼い主さんの指示を聞かずに向かっていってしまう子になってしまう恐れもあるんだそう。

 

道路に飛び出していってしまったりと、ワンちゃん自身に危険が及ぶ可能性も出てきてしまいます。
それを避けるためには、ここは飼い主さんが心を鬼にして、きちんとしつけてあげる必要があります。

 

ワンちゃんが横にいる状態でゆったり手をおろし、なんとなくリードがゆるむくらいのところで結び目を作りましょう。

 

この結び目を“リードを持つ位置”と定め、そこを持ってお散歩へ出かけるようにするのです。

 

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こんなふうにリードの長さが制限されている状態で「あっちには行けないんだな。

 

だけど、そばにいたら“いい子”ってほめてもらえるんだな」という経験をワンちゃんに積ませてあげることが、いい子にお散歩できるようになる秘訣なんです。

 

犬のしつけをする際に誤解されがちなのが、「犬と人間の間には上下関係がある」というもの。
実は、ワンちゃんは、私たち飼い主のことを「ご主人様」というよりは「仲間・家族」と認識しているのだそう。

 

だから、人間がワンちゃんに対して無理に力を示したり、上下関係を教え込む必要はありません。
あくまでも、ワンちゃんには状況を理解させてあげて、厳しく押さえつけるようなことはしないようにしましょう。

 

ただし、「主張を聞いてもらえる人/あまり聞いてくれない人」という認識はしているのだそう。だから、甘やかしすぎるのもNGというわけですね。

 

それにしても、らい君、立派です。完全に誘惑に打ち勝っていますね。おもちゃには目もくれず、えのもっちゃんの「いい子~!」という声かけにのみしっかり反応します。

 

ライ015 | Fanimal(ファニマル)

 

これにはえのもっちゃんも「ボールとか大好きなはずなんですけど、“いい子”がすごく効いてますね。

 

今までは、散歩でもあちこち行く子だったんです」と感心。
今回のレッスンでも大きく成長したわけですね!

 

なんとらい君、今日のレッスンでは、合間に少しうとうとしてしまうこともあったんだそう。もうすっかりリラックスして、“犬見知り”は克服したも同然!?

 

「犬は8ほめて2叱るくらいがちょうどいい」と言われているそうですが、そんなしつけ方が功を奏した2回目でした。

 

これは、次回のレッスンも楽しみです!

 

名前を呼ばれる練習?!3日目

 

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