「この子の目にお父さんが映ってるんですよね。」 そう言われて見ると、黒くまるっとした瞳の奥には確かに人影が映し出されていました。
この子の目を通して「お父さん」からの愛情が伝わってくるようで、胸が「ボワんっ」とあったかくなるのを感じます。

 

Instagramでその絵を見てひと目惚れ。
ダメ元で取材を申し込んでみたところ、なんとも快くOKをくれた西田さんは、飼い主さんからのオーダーでわんこを描いている絵描きさん。

 

絵の販売で得た収益の半分を動物保護活動を行う団体や個人に寄付している。

 

西田勇 作品2 | Fanimal(ファニマル)

 

すごく気さくで話しやすい。

 

西田さんの絵にはその暖かさがじんわり、一筆一筆に込められていて、見ているとそれが染み出してくるみたいな、そんな絵。

 

この絵を飼い主さんが受け取ったらきっと涙が出るんじゃないだろうか、と思う。

 

西田さんがわんこの絵を描き始めたのは、保護活動をしているお友達の働きかけで、愛犬「もん君」を里子として迎え入れてから。

 

ある時、病気のお友達へお見舞いとしてそのお宅の子を描いて贈り、とても喜ばれたんだそう。

 

その時の嬉しさがきっかけとなってかれこれ2年半程、200頭あまりのわんこ達を描き続けてきました。

 

描き始めの頃に写真家SUMiCOさんのお宅の子を描く機会があり、その時に「これは形にしてみたら?」と言われて、本格的に絵描きとしての活動を始めるに至ったんだとか。

 

もともと美大を目指し、絵の勉強をしていた西田さんだが、卒業当時に家庭の事情などで諦めた。

 

その西田さんが一度は離れた絵描きへの道に、もん君をきっかけに戻ってきた。

 

もん君が絵を描くという行為に新しい意味を与えてくれた。

 

こうゆうの運命と言うんだろうな。

 

そうしてまた、その西田さんが描く絵が「人と犬」を笑顔にしていく。

 

その素敵な巡り合わせに胸が熱くなる。

 

西田勇 作品1 | Fanimal(ファニマル)

 

そのもん君との出会いを生み出してくれたお友達は、以前から保護活動のために私財まで投げ出して真摯に活動をしていた。
その姿を見て「自分も何かしたい。」と思っていたと言う西田さん。

 

描き始めた絵の販売で得た収益を保護活動への寄付に使おうと思ったのはごく自然なことだったと言います。

 

「うちも、もんがいるから家中が笑顔になる。絵を描くことでその笑顔がみんなに連鎖していってほしい。」

 

西田家に笑顔をもたらしているフレンチブルドッグのもん君は現在6歳。

 

年末にヘルニアを患ってしまい、現在リハビリ中なんだそう。

 

「ヘルニアやった時に、このまま下半身麻痺とかになったらどちらかが仕事をやめようと奥さんと話し合ったんです。奥さんにはあなたは仕事をやめて家で絵を描きなさい。って言われました 笑」

 

西田勇 作品3 | Fanimal(ファニマル)

 

絵は飼い主さんから提供される写真を見て描き起こす。

 

だから飼い主さん目線でのバリエーションがあっておもしろい。

 

「おしりを描いてほしい」なんてオーダーが来ることも。

 

西田勇 作品4 | Fanimal(ファニマル)

 

西田さんの絵描きは副業。毎日仕事からの帰宅後に取り組んで、仕上げるまでに約1週間かかるそう。

 

持ってきてくれた原画を間近に見ると、幾重にも、丹念に描き込められた線から生命の温かさを感じられる、ぜひ手にとって直接見てもらいたい絵だ。

 

「目がうまくいかなかったら捨てる」と西田さん。

 

「目が生きれば、絵も生きてきますね。」

 

目の奥にこの子の暮らす家族まるごとが映し出されているよう。

 

もん | Fanimal(ファニマル)

 

二人の愛情を一身に受けて、もん君のヘルニアは順調に回復しているそう。

 

自宅近くの公園で、芝生のやわらかいエリアであれば走れるぐらいになっていると聞いてひと安心。

西田勇 作品5 | Fanimal(ファニマル)淡彩着色をしたバージョン。「色つけてみたら?」もSUMiCOさんからのアドバイスだった。
単色とはまた違った深みと雰囲気。

西田勇 本人映像 | Fanimal(ファニマル)
西田 勇(Isamu Nishida
絵描き。奥様とフレンチブルドッグのもん君(6歳)と暮らす。
オーダーイラスト制作活動。一作品につき売上の50%を動物保護活動団体・個人に寄付している。
Small factory M

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