これは9年前にガンを患い9歳で亡くなった愛犬、ゴールデンレトリバー「シェリー」の話です。この闘病記録が、同じような体験をされている方やガンの早期発見などに役立てばと思い寄稿いたしました。

シェリーとの出会いはペットショップです。犬を飼える環境になったのでペットショップを訪れた時にとても可愛くて目に留まる仔犬でした。それから9年と6ヵ月28日間の生活が始まりました。シェリーの性格は、温厚でやさしく、でも少し臆病なところがあります。教えたことはすぐに覚えてくれて、新聞を持って来ることやスリッパを取るなど賢い一面もありました。

そんなシェリーとの生活が9年を迎えようとした矢先です。シェリーの首元を撫でていた主人がしこりがあることに気がつきました。普段から顔から首にかけて撫でることが多いのですが、それまで気がつくことができませんでした。
我が家にはもう1匹「モモ」というコーギーがいて、シェリーにヤキモチをやくとシェリーの首を噛むことがありました。しこりの原因は、モモが噛んだせいなのかなと思い、この時は様子を見ることにしました。
数日が経った頃、再び確認するとしこりがいきなり膨らんで大きなこぶのようになってしまっていました。慌ててかかりつけの病院へ連れていき診察をしたところ、「組織検査をした方が良い」と言われました。

すぐにその場で針生検をおこないました。2日後、病院からの電話で悪性の腫瘍であることを告げられました。一瞬、目の前が真っ暗になったことを覚えています。悪性のしこりは、「肥満細胞腫・ステージ1」という結果でした。

はじめに、肥満細胞腫と言われたときに、肥満が原因?と思いましたが違いました。肥満細胞腫は、悪性の腫瘍の中で一番多い腫瘍だそうです。肥満細胞腫の原因は明らかでないそうですが、遺伝要因があると説明されました。ゴールデンはガンに一番なりやすい犬種でガンになりやすい遺伝子をもっており、中でも肥満細胞腫を多く発症するそうです。

ゴールデンがガンになりやすい犬種とは知っていましたが、まさかシェリーにガンが発症するとは思いもよらなかったです。肥満細胞腫は脂肪のかたまりである脂肪腫と違いが分かりづらく、判断がつきにくいそうです。実際にシェリーには脂肪腫も数個できていて診察をしたことがありましたので、ガンを疑うことをしませんでした。

代表的な症状には皮膚のかゆみがあるそうですが、言われてみるとシェリーは首を掻いていたかも?と思う程度でした。他にも嘔吐や出血などの症状があるそうですが、シェリーにはあらわれなかったので本当に気がつきませんでした。

若い犬でもかかるガンだそうですが、多くは8歳9歳の老犬だそうです。年齢的なことを考えるとゴールデンのガンになる傾向に当てはまります。

ステージ1はリンパ節に転移していないという判断があり、シェリーの腫瘍はリンパ節に転移していなかったのでステージ1と言われましたが、周辺の組織に広がっていて正常な組織との境目が明確ではなく、全て取りきれるかが問題のようでした。

病気にどのように対応していくか獣医との話し合いが始まりました。シェリーの年齢は8歳10か月、手術での麻酔のリスクが高くなっています。手術でメスを入れた後のダメージや、そのリスクを冒して手術をしても完治させる確率は低いということも踏まえて判断しなくてはなりませんでした。
検査から手術を決定するまで、これほど悩んだことがあったのだろうかというくらい悩み、涙を流しました。でも、たとえ100%の完治ができなかったとしても少しでも長く生きられるなら、1日でも多く一緒に過ごしたいという気持ちで手術をする決断をしました。

手術当日は入院になるので、シェリーを病院へ預けたら翌日の午後に迎えに行くというスケジュールでした。その後、手術が無事に終わったことと腫瘍を可能な限り取りきれたという連絡をもらえました。

手術後に摘出した腫瘍の検査では、「ステージ1・グレード2」の結果がでました。

ガンの悪性度はグレードを3つにわけて判断するそうです。シェリーはグレード2でしたから、手術をしても悪性度が高く再発する可能性が高いことで1500日の生存率が44%と書かれていました。

しかし手術後2か月ほど経ったある日、また別のしこりが、今度は腹部にあることに気づきました。その時、絶対に転移していたのだと思いました。手術後わずか数か月でまたガンになるとは考えてもいなかったのです。シェリーも元気でしたしガンがあるなんて信じたくありませんでした。

獣医の診断では、また肥満細胞腫である可能性が非常に高いという見方でした。おそらく首にできた腫瘍よりお腹の腫瘍の方が先にできていたのではないかということです。

肥満細胞腫は皮膚にできることが多いのですが、内臓や筋肉にも発症します。超音波断層検査をして腫瘍の有無と大きさを確認したところ腫瘍で間違いないという診断でした。肥満細胞腫が皮膚以外の場所にできた場合は、悪性度が高いと診断されるそうです。

再び手術となると、麻酔のリスクが前回にも増して高いことや、治る可能性がとても低いことを告げられました。手術をしないとなると余命は早くて3ヵ月、もっても半年と宣告され、手術をするかしないかを決断しなくてはいけませんでした。

前回の手術から間もない事、治る可能性がとても低いことが頭にあって決断には時間がかかりました。主人と何度も話し合い、治る見込みがないのにまたメスを入れるのはやめようという苦渋の決断をしました。獣医もこの決断を尊重してくれて、2週間に1度の診察で経過を見ていきましょうと言ってくれました。

薬の服用もせず、シェリーの闘病生活の始まりです。最初はお腹の膨らみはなかったのですが、発見から2か月程で妊婦さんのようなお腹になっていきました。それでも痛がる様子もなく排泄ができない事は1度もありませんでした。
ごはんもしっかり食べていましたし、オモチャで元気に遊ぶなどいつもの生活と変わったことはありませんでした。獣医からお腹が大きくなって腸を圧迫し排便ができなくなるからと潤滑油をごはんに混ぜてあげるように指導されましたがそれくらいでした。

余命は3ヵ月と言われていましたが、4ヵ月が過ぎてもシェリーは元気でした。新しい年も一緒に迎えることができ、このまま長生きできるのではないかとさえ思っていました。

ですが発見から半年が経ったある日の夜、夕飯をあげたところ口はつけるのですが食べない、食べられない。調子が悪いのかと思い、ドックフードをお湯でふやかして、大好きな鶏のささみを湯がいてごはんに混ぜてあげても食べない。
私の手で食べさせてみたら、ようやく3口だけ食べてくれました。そして「無理して食べなくてもいいよ!」という私の声を聞いたとたん、私の膝の上に顔をのせて甘えてきました。

シェリーが病気になってから私の手をやかせたのは最初で最後のこの1回だけです。ですがこの時に私は、シェリーとお別れの日がきてしまったと感じました。そしてやはりこれが私へのメッセージだったのか、シェリーは夜中に天国へ旅立って逝きました。

最初のガンがわかってから8カ月、余命を告げられてから半年、私たちに苦労をかけず頑張って生きてくれました。
とても幸せな時間を共に過ごさせてくれたシェリーには心から感謝しています。最愛のシェリーを腕の中で送れただけで気持ちがいっぱいです。

シェリー | Fanimal(ファニマル

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