
猫がもっともかかりやすい腎不全という病-腎不全の治療
治療
腎不全は治る事はありません。現状維持、もしくは悪化を遅らせるのが目的です。
基本的には水分摂取による脱水改善と排尿促進です。
①食事療法
低タンパク質・低リン・低ナトリウム食
いわゆる「腎臓用療法食」です。ただ、本当に美味しくない様で食べてくれなくなります。
飼い主の腕の見せ所で、どの様な種類でローテーションを組んで飽きない様に食べてもらうか策を練る必要があります。
うちの子には療養食のローテーションから始まり、療養食のウェットも加え、シニアの一般食、ふりかけ作戦、プレミアムフードのローテーション、最後は手作りご飯と猫用キドナ(猫用消化態経腸栄養食)という食事でした。
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②輸液療法→静脈点滴と皮下点滴(輸液)
基本的には脱水を改善したい場合に行なわれる処置です。加えて、排尿を促進して体内のデトックス(毒素の排出)をおこなったり、電解質の補正や維持を目的として行います。
緊急を要する場合は別ですが、この処置が人間でいう人工透析の代わりになる様です。
方法としては大きく2種類あります。
・皮下輸液
肩甲骨の少し下あたりに翼状針を刺し、皮下に投与します。在宅も可能。
・静脈点滴
留置針という針を使い、足や手の静脈から直接投与します。入院で処置。
うちの子は皮下輸液をしていました。
1軒目の病院は在宅での輸液は許可しない方針の為、自宅での輸液を許可してくれる違う病院を探し手順を教わりました。最後は毎日自宅で皮下輸液を行なっていました。
③薬物療法
○活性炭
「コバルジン」や「ネフガード」という薬がよく使われます。
尿毒症毒素や尿毒症性代謝産物を吸着して排泄するものですが体質によって合わない場合にあるので注意が必要です。
○乳酸菌
「カリナール2」等
腸内の環境改善と共に乳酸菌生成エキスが血液中の尿毒素を下げます。
○降圧剤
・ACE阻害薬「フォルテコール」等があります。
アンジオテンシンⅡの産生を押さえて血圧を下げる等の効用がある薬です。
クレアチニンが高かったり、脱水や尿毒症状が出てるなど処方されない場合もあります。
嚢胞腎の子は論外だそうです。その為うちの子は使えませんでした。
・ARB拮抗薬
「セミントラ」等 多少、作用機序は異なりますが、ACE阻害薬に近い働きで血圧を下げます。
○その他
リンの値が高くなると「リン吸着剤」が用いられます。
リン吸着剤にもいくつか種類があります。
アルサルミン(アルミニウム製剤)
炭酸カルシウム(カルシウム製剤)
レナジェル(塩酸ベラゼマー)
レナルジン (炭酸ランタン)
レンジアレン
カリナール1(カリナール2)
PEキドキュア
イバキチン
等です。
さらに貧血の場合、増血ホルモン剤では「ヒトエリスロポエチン」等がありますが、獣医さんによっても考え方が様々なので一切使わない方も居ます。
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